*** mook's US watching 2002 ***
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. この2ヶ月間で、9.11に関するアート・ショーを幾つか訪れたので、忘れないうちにメモ書きを。
話題の一番大きいのがSOHOで開催中の“REACTION”(写真右)。企画の奇抜さでその異名を取るギャラリーEXIT ARTが開いているモノで、A4サイズ大に規定された一般公募のアートがギャラリー全体に所狭しとならんでいる。フレームも付けず、アタッチは洗濯バサミだけという展示方法は、here is New york”と同じ。ペイントされた絵画から写真、コラージュ、さらにはプリントされた短い詩など、その種類はさまざま。
このホームページでは何度も紹介してきた写真展“here is new york”。当初予定されていた1月下旬からの公立図書館展示がおシャカになった変わりに、数日前からMOMA(近代美術館)での展示が始まった。
MOMAの写真展(写真右)については二部構成になっており、題して“Life of the City”。第一部はMOMAが所蔵する有名写真家達の撮ったニューヨークが中心になっていた。ウィジー等、見慣れた写真もこうして“ニューヨーク”という一まとめのテーマで見ると、また違った見方で見えてくる。
ニューヨークの歴史博物館では、本来ならばワールド・トレード・センター内で開かれるはずだったWTCの30年展を開催中。私が行った時は、今ではもうクローズしてしまった“マグナムの撮った9月11日展”が同時開催中だったので、そちらの方も一緒に観た。
写真家集団マグナムの撮った写真の殆どは、すでに雑誌などで目にしたものばかりだったのであまり心動かされるものはなかったものの、なんとかウィリアムズという人(メモ書きがどこかへ行ってしまった〜)の撮影したビデオは圧巻。2機目が突入する瞬間や、WTCが崩れる瞬間の部分はTVでもかなり彼の撮ったものが使われているので、初めて観たわけではなかった。けれど、ほんの数秒のクリップに切り取られたTV番組内の映像ではなく、数分間延々と観ているノーカット映像の中でいきなり飛行機が突っ込んでいくのを観るのは、本当にびっくりする。そう、この2秒間は、当時パニック状態にあったNY時間の中でも、ほんの一部に過ぎないのだから。会場でも、この二つの場面では誰もが声をあげていた。
私が行ったつい二日前にオープンしたばかりのWTC:Monument展では、1時間おきくらいにNY生まれでNY育ちのキュレーターの人が説明ツアーをしてくれるので、ソレに参加するのがオススメ。私達が行った日、ツアー参加者の90%以上がニューヨーク在住者だったと思う。住んでいても知らないコトはたくさんあるモノで、WTCの建設には戦後すぐの50年代NY大不況にまで遡るそう。60年代に入って人々はロスやサンフランシスコ・シアトル等の西海岸へ流出。NYへ人々を呼び戻そうということでWTCの建設が計画されたのだそうだ。再々開発地区としてテロ事件直前まで私のお気に入りのジョギングコースになっていたバッテリーパーク北、ハドソン河沿いの地域は、WTCの建設される前、細かい埠頭に分かれるゲットーだったのだそうで、キュレーターのお兄さんは埠頭によってはゲイ専門のピアとかフリークセックス専門のピアとか、いろんなあだ名がついていたということを教えてくれた。
2月の頭まで開催されていたものの、非常に短期間だった為見逃してしまった消防博物館の特別展。こちらはプロのマンガ家数人による9月11日の消防士達をテーマにした企画展。TVで紹介されたごく一部を観たけれど、なかなか濃い内容だったらしい。期間中はどうしても都合が付かなかったので、クローズした次の週に同館を訪れた。 近所に住んでいながら中々来ることのなかった消防博物館。消防の歴史や火事の時にはどうするかなどを子供達に分かりやすく説明してある。分室の様な所には早くも9月11日関係の写真や展示物があり、近くに寄る機会があれば一見の価値はあるかも。ギフト・ショップにはロックフェラーセンターにあるFIRE ZONEにも置いてなかった様なグッズが沢山置いてあった。売り上げ金は勿論、テロ事件で犠牲になった家族へ送られる。
先月訪れたチェルシーにあるギャラリーにも9月11日に関する作品が展示してあった。グレース・メイソン・ギャラリーに展示されたジェームス=ロンバーガーの作品で、全10点以下の中に3点の作品が9月11日に関係していたと思う。彼の作品は大きなもので、グランド・ゼロ付近の街の風景が描かれていた。
チェルシーのギャラリーで開催されていた"A New World Center"は、WTCの跡地に何を建設するかというアイデアを、建築家達が持ち寄って展示されていたもの。 この他、ブルックリン・ブリッジの近くにあるペース・ユニバーシティ―でも現在9月11日に関するアート・ショーが開催されている。行くチャンスがあればまたレポートする予定。
来週の3月11日には、早いものでテロ事件からも半年が経つ。各ネットワークがこぞって特集番組を予定しているが、一番話題になっているのが前日の10日にCBSで放送が予定されているドキュメンタリー。WTC崩壊直前に現場へ駆けつけた消防士達の映像が中心。ナレーションはロバート=デニーロが務める。
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昨日の2月11日、殆ど初めて誰も「あれから○ヶ月だね」と言わなかった様な気がする。それまでは、11日が来る度「あれから○ヶ月」という声が何処からともなく聞こえていたのだけれど…。前の日記にも書いた様に、先月末までにほぼ街中のメモリアルが片付けられたし、消防署に山の様に飾られていた花もなくなった。嬉しいことに、ロックフェラー・センターの星条旗もこれまで通りの万国旗に再び戻っているし…。
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