*** mook's US watching 2001 ***
Diaries from Sep 11, 2001 - j

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2 Months and 4 Days After...
Nov 15, 01

このページは“日記のページ”とゆ〜コトで、今までは‘その日にあったこと’を中心に書いてきたけれど、段々とネタ切れになってきたので、‘その日に思ったこと’などを書いてみよ〜かなぁ、と思う(^_^;)。

…などと言いつつ、出だしは1週間前に思ったコトから。先週金曜日のお昼時、あるカフェで3つのケーブルチャンネルを観ていた。1つはCNN、もう一つはFOX News、そしてCNBCの3チャンネル。これらはどれも24時間ニュース専門チャンネルで、ヨーロッパにいても観ることが出来たワールド・ワイドのケーブル局。正確な時間は覚えていないけど、午後1時過ぎのホワイトハウス記者会見で、ホィットマン環境保護局長官(元ニュージャージー州知事)が喋っていた。ふと見ると全部”LIVE”映像のはずなのに、CNNの映像だけが微妙に(どころではなく、実際は2秒以上)ズレていた。「コレって、本当にLIVEなの???」と、私の背筋が一瞬寒くなった。
勿論、この記者会見については確かにLIVEだったのではないかと思う。おそらくケーブル回線の都合か何かで、映像がズレてしまったのではないだろうか。けど、その時私は改めて痛感した。「そうだよね。LIVEって書いてあったって、録画の可能性はあるんだし、映像のトリックなんて今の時代じゃ簡単に出来るワケだから…。」言うまでもなく、TVを送る側による映像のでっちあげやトリックは、昨日今日に始まったことではない。けどこの出来事は、TVの言ってることや書いてあるコトをいとも簡単に鵜呑みにしている自分というモノを改めて気付かせてくれるよいキッカケとなった。

21世紀になって、インターネットの情報源がいくら自由で幅広いモノになったからと言って、私達は今でもまだ随分と旧型のメディア(TV、ラジオ、新聞、雑誌)からの情報源に頼っている。少なくとも私自身はそう。主な情報源は、TVのニュース、ラジオ、新聞、そして新聞社の編集するウェッブサイト・ニュースがほぼ98%を占めている。けど、全部のメディアが同じことを言っているからといって、それがイコール真実であるとは限らない。こんな当たり前のこと、証明するまでもないかもしれないけれど、日常の中ではけっこう忘れてしまっていたりするモノだ。
ただそこにある情報をいかにも垂れ流ししているだけの様なニュースや新聞だけど、勿論そこにはTVディレクター&プロデューサー、そして新聞なら編集者の“切り口”があるし、“切り口”以前に、“どの情報をどの順番で流すか”の“選択”というバイアスが必ず入っている。大袈裟に言ってしまえば、同時多発テロ事件のあった日に、白トラの赤ちゃんが生まれたなんていうニュースをトップに持ってくるメディアは、殆ど何処にもなかったのではないかだろうか?けどそれだって、おそらく作り手側さえ気が付かないかもしれない、立派なバイアスなのだ。(意図的にそれを“流さないメディア”があれば、それはまた反対の意味のバイアスになるけれど)。

言うまでもなく、メディアは“諸刃の刃”であって、プロパガンダとして政府に利用されることもあれば(例えばナチス時代の映画とか)、政府を弾劾する強力な武器となることもあり得る(ウォーター・ゲート事件など、メディアなしでは成立しなかったモノも沢山あるし)。そして今、私の眼から観る大半のメディアは(日本・ヨーロッパも含む)、明確すぎるプロパガンダこそ数少ないにせよ(皆無とも言えませんが)、明らかに、アメリカ政府の“暗部”を隠したまま突っ走っている様にしか映らない。

ちょっと昔に戻って、例えばベトナム戦争と照らし合わせてみる。“報復”そして“アメリカの正義”という、今のテロ戦争と全く同じ大義名分で始まった戦争勃発当時は、War Sentimentと同時にやはりメディアにも厳しい規制がしかれていた為、実際ベトナムでどんなことが起きているのか殆ど知られることはなかったし、その戦争の意味がどんなモノであるのか、その裏ではどんな工作が行われていたのかが、アメリカ国民や世界の人々に知られることは殆ど無かった。それが、戦場カメラマン達が現地の写真を公表していくにつれ、反戦運動が高まったのは言うまでもないし、戦争から30年たった今、次々に当時の隠された事実や裏工作が明るみに出て来ている。
こうやって見てみると、今現在というのは戦争勃発当時の”War Sentiment”の時期なのではないかと思う。戦争が(そもそもこれが戦争なのか、という定義にも疑問を挟みたい所ですが)泥沼化していくにつれて、この事態をもっと冷静に見ようとする動きも活発化するのではないかと思うし。

アメリカ政府が、どうしてここまでの強引なゴリ押し論理(…とは言っても、実際は“報復”“自由正義を守る為”という、ベトナム戦争当時と全く同じ言葉を使っていたりするのだけれど)で戦争をやりたかったかの、“本当の理由”が、大きなメデイァで語られることはまだ殆どない。これもベトナム戦争当時と全く同じ。ちなみに私の思う“本当の理由”とは…、

1)アメリカ全体を動かす“ユダヤ資本”に絡むイスラエルvs.パレスチナ(&アラブ)問題、2)旧ソ連のアフガン侵略&攻撃時に飼い犬として育ててやったタリバンやアルカイダの“恩を仇で返した行為”に対する恨み総括(?)、3)石油成金ブッシュ家の石油(パイプライン)利権争い、4)世界全体で5割近くを占める武器輸出大国アメリカとしてのかき入れ場作り。そう、私なんかから見ると、これはテロ防止の為の戦争なんかでは決してない。結局はユダヤ資本や石油成金達にお金を落とす為の“儲け戦争”以外の何モノにも見えなかったりなんかする。100歩譲って、この4つの理由のうち3つまでが間違っていたとしても、彼等が全部を完璧に否定することは不可能ないんじゃないだろうか。
けど、1)と2)以外、これらの理由を大手のメディアで見聞きすることは殆どない。それは勿論、彼等がこれらの理由を隠したがっているから。もし仮に、こんなコトが毎日毎日メディアで大きく取り上げられたら、そりゃぁ戦争反対を唱える人は増えるでしょう。だって誰だって一部の人達の利権の為に無駄死なんかするの、まっぴらだもの。だからメディアってコワイ。ホントにいろんな意味で。

ただしメディアがどんな立場を取ろうと、根本的に言って私の場合、あらゆる戦争・紛争・テロ行為にはどんな正当な理由も付けられるはずがなく、それは単なる殺し合い以上の何モノでもない。“喧嘩両成敗”っていう程単純なモノでないことは分かっているけど、どちらが先に始めようが、どちらが最終的に勝利するかに全く関係なく、争いは、どちらもが両方共悪い。スイスやスェーデンの様な中立国が、万事全て理想的な存在でないということも分かってはいるけれど、少なくとも“自分からは戦わない”という選択肢の存在証明にはなっているはずなんだし(ちなみに“自衛戦争”と“報復戦争”は、国際法上、全く別のカテゴリーに入っていマス)。

あ〜、また今日も話があっちこっちに飛んでしまった(^_^;)。最後に簡単におさらいすると、“戦争なんてまっぴらだ”のせめ方には2種類ある。
一つはFact(“真実”とか“事実”…ではありません。どっちかというとEvidenceに近いかな)に訴えるコト。これはメディアの役目。現実にいかにヒドイ戦争が行われているかとか、裏ではこんな汚いコトがまかり通っているという証拠を引き合いに出してせめるやり方。
そしてもう一つはIdeaに訴えるコト(コレは単にidea=考えというだけでなく、ideal=理想という意味も含みマス)。こちらは国際法を勉強しちゃったり、普通の子供達の教育に関わってくる部分。そもそも戦争は、なぜ根本的にいけないモノ(であるとされているのか)、を考えるやり方。

この2つが、今特にアメリカ国内では、本当に一部の人達によってしか行われていない。あくまで“戦争はイヤ”の立場である私個人としては、何とも淋しくて、何とも情けない限りだけれど、それでもベトナム戦争後期の時みたいに、いつか立ち止り、冷静になって考えてくれる人は段々と増えてくれるんじゃないかなぁ、と思う。こんな書き方すると、私ってなんだか“平和教”という宗教の信者かなんかみたい、なんて思ってしまうのだけれど(^_^;)。まぁ、こんな世の中だからこそ、もっと“人間”のNatureを信じたいよなぁ…とつくづく思う今日この頃の私。世の中が武力でしか解決しないなんて信じている人(or信じ込もうとしている人)って、やっぱり私なんかから見ると「それって、疲れない?」とか「それって、カナシクない?」とか思っちゃうんだよね〜。

73 Days After...
Nov 22, 01 (写真撮影は、共に翌日(^_^;)

アメリカで迎えるサンクスギビング=感謝祭も早いもので今年ですでに9回目。日本にいた時は正直サンクスギビングなんて聞いてもピンと来なかったけど、この日は言わば家族の集まるお正月みたいなモノ。こっちではちょうど一ヶ月後のクリスマスもまた、家族・親戚一同の集まる帰省ラッシュの日となるけれど、結婚したりステディのBFやGFのいる人達はサンクスギビングにはこっちの家族の所へ行ったので、クリスマスはこっちとお互いの場所を訪問し合う場合が殆どとなる。

私の場合アメリカには親戚がいないので、これまでいろんな友達の実家へお邪魔させてもらった。遠い所ではフロリダ州フォートラダーデールから、テネシー州ナッシュビル、デラウエア州、ニュージャージー州、NY州ではブロンクスビル、ロングアイランド、フォレストヒルズなど。サンクスギビング当日は、日本で言う元旦の日の様にビジネスからお店から全てがクローズしてしまうので、マンハッタンにいても何も出来ない。今年も一応はお隣のブルックリン・ウィリアムズバーグへ脱出(?)した。今年はテロの影響で飛行機を使う人々が激減。かなり遠い所でも車や電車を利用する人が激増した為、電車の席が取れなかったり、車での帰省を諦めた人も沢山いるくらい。これまで2回、Tの親戚が集まるサンクスギビングへお邪魔したことがあるけれど、勿論今年のTGは近しい親戚だけで静かに祈りを捧げると言っていた。彼の様なサンクスギビングを迎える家族が、今年は幾つあるのだろう。

寝坊をして、恒例のサンクスギビング・パレードの終わり部分だけをTVで観た(写真右上は、パレードの終点地に当たるメイシーズ・デパート。映画『34丁目の奇跡』の舞台になったところでもある)。これまで何度もパレードを観に行こうと思ったことはあるけれど、NY州にいなかったり、いてもその日だけがもの凄く寒くていつも断念していた。それが今年は例年以上に暖かくて、しかも爆弾予告の噂も流れていた為に例年よりもずっとすいていたのだという。う〜ん、惜しいことしたなぁ。ま、でも一応一度だけロングアイランド鉄道へ乗る前に遠くからメイシーズ終点付近のバルーンを観たことがあるので、それで十分か。いくらすいているからと言って、やっぱりある程度は並んでいないとちゃんと見えないしね〜。友達にも「オノボリさんじゃあるまいし、今更パレード観てどうすんの???」とか言われちゃうし…(^_^;)。
今年のパレードの特徴は、予想通り、愛国心をバリバリ前面に押しだしたモノとなった。自由の女神の山車では、「美しきアメリカ」が歌われていたし、NY警察とNY消防庁の山車にはジュリアーニ市長が参加し、警察官の一人が国家を歌っていた。山車のモチーフにも、やっぱり国旗を使ったモノが多かったし。メイシーズの飾りつけにも、過去こんなに国旗が使われていたことはなかったはずだと思う。

あっと言う間に夕方になり、ささやかに料理会でもやろうと言っていた話がいつのまにかメキシカン・フォンデユーとなり、それがいつのまにかメキシカン・レストランになってしまっていた(^_^;)。ターキーの代わりにチキン・ウィングをたらふく食べ、飲みに行くよりも映画を観に行こうという話になる。友達の妹は全壊したワールド・トレード・センター7号棟に務めていた為、事件以来仕事場がコネチカットに移ってしまった。おかげで毎日片道2時間近くをかけて通勤しているのだそうで、明日は早いから映画はパス。彼女は事件以来、一度もダウンタウンに行っていないという。瓦礫の山をTVで観るのも怖いと言っていた。

(写真左:メイシーズのショーウィンドウにあったディスプレィ)

結局観に行った映画は、今大旋風を巻き起こしている『ハリー・ポッターと賢者の石』。今夜はむしろマンハッタンの劇場の方がすいているのではないかと言うことで、ユニオン・スクエアの劇場へ行ったら、8時40分も9時20分の回も満席で売り切れだった。結局10時からの回を観る。私は原作を読んでしまっていたけれど、友達の方は読んでいなかったので、どうもそっちの方が楽しめたらしい。私が原作を読んだのは、ちょうど2年前のサンクスギビングの日。友達の実家へ行った時、義妹が読んでいたのを借りて読んだのだ。あれからもう2年も経っちゃったんだな〜。映画の感想は長くなるので、こちらのページで。

追記:11月23日。昨日何の写真も撮らなかったので(すっかり忘れちゃっていました(^_^;)、慌てて写真を撮るうちにあちこち見て廻ってしまった。全体の印象として、今年のホリデー・ディスプレィは予想以上に地味なモノ。残念ながら去年までは全く写真を撮っておかなかったので、比べてみることは出来ないけれど、キンピカのツリーというモノを見つけるのがもの凄く難しい。5番街ティファニーのツリーでさえ、飾り付けは光モノが全く付いていなかった(店内撮影禁止なので、写真撮れませんでしたが)。

クリスマス・ショーウィンドウの飾りつけが有名がメイシーズ、サックス5thアベニュー、ロード&テイラー等のショーウィンドウを見比べてみたけれど、去年まではとうって変わっておとなしいモノばかり。この手のディスプレイをやっている知人二人によると、クリスマス用ディスプレイは夏にはもう制作に取りかかっているのだそうで、テロ事件前には制作も開始されていたはずなのに、どのディスプレィもちゃっちいなと感じたのは、おそらく9月中〜下旬になって新しく作り直したのだろうということだった。まぁ、気持ちは分からなくはないけれど、こういう中途半端なのは、毎年新作のディスプレイを期待している私個人としてはちょっと残念。果たして来年のホリデー・シーズンはどうなっているのやら。
あ、もう一つ余談だけど、火曜の夜に見た時はまだ゛War on Terror”だったCNNの見出しが゛America Recovers”に変わっていた(私が観た瞬間だけの可能性は十分にありますが)。これはホリデー・シーズンということの配慮なのか、それとも彼等が報復よりも復興にフォーカスを置こうとし始めているのか…。

ついでにもう一つ書き忘れた事。昨日は夜になっても各地下鉄の駅に警察官が2人ずつ常駐していた。タイムズ・スクエアとか、人の多そうな所なら分かるけれども、ブルックリンの駅にまで2人ずつとは…。サンクスギビングの当日でさえ、グランド・セロの掘り起こし作業は続いていたというし、今年はテロのおかげで家族と一緒にターキーも食べられなかった人、沢山いたんですね。

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