*** mook's Travel Room ***
ロシア日記2006 その1

2006年10月7日から11日までの
ロシア旅行記です。
重くてそんまそ〜んm(_)m

Oct 07, 2006 St. Petersburg: Day 1
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台風のような豪風と2カ月分の雨量が一度に降り注いだ昨夜は、劇場会議の後、ULの後輩送別会に立ち寄る余裕もなく渋谷を後に。先々週くらいから一気に忙しくなって来たので、たまった事をやっていたら案の定もう朝の5時。新宿朝8時発の成田EXに乗るので、結局2時間弱の仮眠で行って来ま〜す。

…で、噂のアエロフロートなんだな。日本のマイレージには落とせないし、乗り場は遠いし(ゲート99という端っこぶり!)、搭乗時間遅いし・・・まぁ、ココまでは何でもない。それが席に着くと、映像モニターが遠くてちっちゃい(勿論パーソナルモニターではありません。)でもコレもまぁ、上海に行った時に経験済みなので、まだよしとして、やっと始まった映画が3年前の『キャット・ウーマン』。しかもイヤホンに音が通じてないのです〜。周りを見回すと皆音が入っていないみたいなのに、誰も文句を言う人がいないし、CAですまなさそうにしている人は誰もなし。さすが、いつもの事なのか???コーヒーにディカフェがないのも、アエロが初めてだったし、いつもは2本ももらって寝酒に取っておくミニワインもアエロでは有料。う〜ん、さすがやね。かく言う私も、18年前、プノンペン→ホーチミン間のアエロには乗ったことがあったのですが、当時は戒厳令下のカンボジアだったので、アレはもぉ軍用機みたいなモノだったからなぁ・・・(^-^;)

隣に座ったのは某大手旅行会社のツアコンさん。旅馴れてます。ついこの間エジプトへ行って、今日は9日間のトルコ遺跡巡りツアーだそうで。タフですね〜。トルコの後はイタリアなので、その予習・準備もしてました。頭こんがらがりません???なんてよもやま話をしていたら、あっと言う間にモスクワへ到着。
トルコチームと分かれて、今度は24人のサンクトツアーと合流。またまた1人で大変そうなツアコンさんとお喋りしつつ、ふと3人しかいない非日本人のオジサンと話始めたら、彼が日本語で話して来たのでビックリ。ナント彼は、サンクトペテルブルグ大学日本語学科の学科長なのだそうで、国際交流基金から賞を授与されに日本へ行き、天皇にまで会って来たのだとか。ど〜りで日本語がパーフェクトだわぁ。彼曰く、いまロシアでも日本語熱がさかんで、彼が学生の時は生徒が6人しかいなかったのに、今は100人以上の生徒がいるのだそう。一緒にいたアジア・アフリカ学科長はまったく日本語を喋らなかったけど、彼と一緒に日本をまわって来たのだとか。もう一人はロシア中を旅しているドイツ人でした。空港間のバスの中から美しい夕日が・・・嗚呼、だだっ広いロシアへ着いたのだなぁとしみじみ実感。おまけに”雨音はショパンの調べ”ロシア語版が流れてたり・・・(^^;)
・・・で、延々とあちらこちらで待たされたあげく、ようやくサンクトへのトランジット便に搭乗。隣のオジサンは、バスク系(だっけ?)のロシア人だったのですが、5年前なんと横浜に住んでいたのだとか。N社派遣研修の1年間で覚えたいろんな日本語を喋ってくれました。

時代の遺物(?)とレーニン像
(翌日に撮影)
最初に異国へ来たと感じる時。
ロシアにはトイレカバーがないっ(>_<)
ロシアの地下鉄は深い。
…で芸術的ホーム多し

さて、無事にサンクトへ到着。・・・が、迎えに来てくれるはずのアリョーシャ(クークーさんの友達、Uさんの彼氏の義兄)がいない・・・私だけ手荷物がなく早く出てしまったのだけれど、出口には誰もいないし、もう一つ別の出口があるよ(そっちの方が本来やるはずだった入国手続き込みの出口)とゆ〜ので遠〜い出口まで走って行ったらそっちにもいないし、おまけにもう一つ出口あるし、入り口も含め無駄にだだっぴろい飛行場なんだなコレがぁ。で、1時間弱待った結果、あんなにいたマルシルートカが皆行ってしまったので途方に暮れていたら、なんと空港バスがっっっ!もぉ必死で捕まえて、英語のまったく分からない運ちゃんと二人で街へGO。

しばらく走って街へ入ると、まずどでかいレーニン像が!わひ〜!さすが元レニングラード。ココのは壊されてなかったのですねぇ。いかにも社会主義国時代に建設された歴史の遺物のような建物の上にSUMSONG、LG、SONYなどのでっかい看板がこれみよがしに並んでいる。ラジオからは80年代マドンナの歌。うわ〜シュールだぁ。私タイムスリップしちゃったの???
プーシキンスカヤ駅で降ろされて、初のメトロに挑戦。窓口のおばちゃんと全く言葉が通じずとほほになっていたら、なんか英語ペラペラのオバちゃんが助けてくれました。有り難う〜。ひえ、大好きな木製のエスカレータだぁ。は、早い、そして深い、いかにもロシアンな(?)エスカレータだなんて全てが新鮮〜。乗り換え駅を間違えながらも何とかプリモールスカヤ駅に到着。こっからが遠いのよね〜、ホテル。・・・と思いきや、ものすごいグッドタイミングでマルシルートカをGET。空港に降り立ってから3時間近く経過して、やっとホテルに着きました。どひ〜疲れたぁ・・・お風呂につかって館内をうろうろしたら、もぉ爆睡(^^;)

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Oct 08, 06 St. Petersburg: Day 2
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目覚まし時計の時差セットを間違えて、なんと6時半に起きてしまう。う〜ん、昨日あんなに寝てない上、ベッドに入ったのが2時過ぎだったのでツライ。ま、でもアレコレやってたら結局7時からの朝食にちょうどよく、その後e-mailやら何やらしてるうちシャトルバスが出る9時に。

ホテルの朝食ビュッフェ
間違えて迷い込んだ血の上の教会
凄い迫力
雨の宮殿広場

エルミタージュ前には猫がいっぱい
中庭から見たエルミタージュ入口
出稼ぎを逃れたゴーギャンの代表作

まずはカザフ聖堂の前から出発。思いっきり方向を間違えて行くつもりのなかった血の上の教会へ。わぉ、なんかすんごい迫力〜。で、河まわりをうろうろしていると、やっとエルミタージュの開館時間。

おわ〜、まず最初に上る大使の階段でど肝を抜かれます。これまで、同じ3大世界美術館と言われるメトロポリタンには20回以上、ルーヴルにも2回行ったので、まぁ同じ程度だろうとカンペキに侮っていたのでした。ひえ、豪華〜〜〜各部屋の絢爛さにもうクラクラしてしまうほど。まわって回ってやっとお目当てであるゴーギャンの部屋へ。う〜むやっぱり遅かった・・・エルミタージュでもおそらく一番の目玉『果実を持つ女』は、すでに日本へ旅立っておりました。なんたって今月末から東京で開催されるエルミタージュ美術館展のポスターに使われている絵だもんね(^^;)。他の目玉作品もすでになかったものの(もしかして、展示品であるはずの馬車も運んだの???)、さすがに玉座はちゃんとありました。結局3時間半を費やして美術館を出、予定ではそこからフェリーでピョートル帝夏の宮殿に行こうと思っていたのですが、雨模様なので行くのを取りやめ、ネフスキー大通りをぶらぶら。シドニーで買ったお気に入りの靴の中身が靴ずれし始めたので、靴の中敷を探しまわるも見つからないないのよね〜。

色合いが独特なエカテリーナ宮殿
日本でも小説・映画でお馴染みの大広間
“黄金の秋”と呼ばれる紅葉

で、諦めて地下鉄に乗ってモスコウスカヤへ。レーニン像の写真を撮ったら、マルシルートカに乗ってエカテリーナ宮殿へGO。けっこう遠くで降ろされたので、雨のなかひたすら歩いてやっと到着。お目当ての大広間、琥珀の間を堪能して、庭園散策。プチ・エルミタージュのまわりが工事中で迷子にはなるわ、足は泥だらけになるわで散々の後、今度はすぐ近くの停留所から再びモスコウスカヤへ。暫くウィンドショッピングなどして気が付いたのは、服や靴の値段がけっこうお高いこと。東京、NYそしてパリでさえ中心街からちょっとはずれれば、”安かろう悪かろう”の商品を見つけることが出来るのに、ここロシアでは安そうに見えるものでも全然安くない。まだまだ市場経済が浸透してないってコトなのかしらん。

なんて考えているうち、目の前を”information”と書かれた傘をさして歩いているおね〜ちゃんが通りかかったので、例のDOM KINOの場所を聞いて言ってみる。ちょうどメリル・ストリープの『フランス軍中尉の女』が終わりの頃だったのでタダで入り込み、一瞬爆睡。その後、英語の分かる売店のおね〜ちゃんにオススメ映画を聞き、再びネフスキー大通りへ。

ドン・キノの入口に累々と転がる
アルコール瓶
溝口・黒澤・大島渚などの作品も上映
上映終了直後のドン・キノ内部

夕食を食べた映画館脇の
コーカサスレストラン
1日目に映画を観たクラシカルシネコン
(翌日撮影)
怪しげなロシア版
『ザ・ディパーテッド』のポスター

偶然シネコンもどきの古い映画館を見つけたので、隣のコーカサス料理レストランでさっと夕食を済ませ、21:20からの『プラダを着た悪魔』を鑑賞。全てロシア語吹き替えだったので、細かいところはまるでわからなかったものの、サンクトペテルブルグの大スクリーンでNYの見慣れた景色を見るのは超カンドーでした。ちなみにこの日の鑑賞料金は220ルーブル(約1000円)。さっきのDOM KINOで観ると、同じロードショー作品でも曜日と時間によって70ルーブルと、上海並みにお値段違うみたいです。あと、同じ映画なのに映画館によってオープニングデーが違ったりとかね。

今夜もうまいぐあいにマルシルートカが来ると思いきや、延々待たされ本日は午前様でした。宿泊してるプリバルチースカヤホテルの売りは、目の前に広がるバルト海の景色だそ〜ですが、毎朝暗いうちに出て夜帰って来るんじゃ全然見られないよ〜。それに、地元にも人気の大浴場&サウナも夜中11時には閉まってしまうので、全くの縁なし。…にしても、堂々と夜のおね〜さま達がお客を取ってるこのホテルって、ん〜フクザツ…

Oct 09, 06 St. Petersburg: Day 3
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今日は7時半までゆっくり寝てしまったので、朝食も慌ただしくシャトルバスへ。う〜む、昨日より雨の降りが強い・・・今日は運転手が二人だったのに昨日と同じ額のチップを渡してしまい、7番バスでモスクワ駅へ。ロッカーに荷物を置いて、さっそくロシア美術館・・・と思ったら閉まってる???「地球の歩き方」には月曜も開いてるって書いてあるのに〜〜〜?とぼとぼとネフスキー大通りのマーケットを周り、さんざん待ってトローリーバス5番へ。

飛込み防止?地下鉄はドアの向こうに
サンクトには古い建物の奥に
改装したシネコンが
典型的な街のシネコン

街中に『呪怨2』のポスターが
映画館の並びに
怪しげなオタク日本食屋
道端に巨大なスイカドームを発見

なにげにもう12時を過ぎたので、今回の旅行の最大ミッションである“お餞別で豪華料理を食べに行き、そこで写真を撮って来る”を実行にうつす。ココは有名人や政府要人も利用するというVIP中のVIPレストラン。さすが宮殿を改築したというだけあって内装は豪華絢爛。まるで貴族の晩餐会に呼ばれた気分になることウケあい。で、お値段もご立派。一番安いランチセットで1000ルーブル(約4600円)、他は皆日本円にして2万近くで、ディナーだったら想像もつかないお値段なのでせう。

ドヴァリャーンスカヤ・グニズドー
の外観
宮殿を改装した豪華な内装
前菜はレッドキャビア
メインはストロガノフ

で、ランチ後のコーヒーを飲みながら「地球の歩き方」を改めてみてびっくり。うを、さっきクローズしてたのは、ロシア美術館ではなくお隣のロシア博物館だったのだ〜(だって英語でRossian Museumって書いてあるんだもん^^;)急いでバスを乗り継ぎお隣のロシア美術館へ。わお、中に入った途端どしゃぶりの雨〜
で、お目当ての『ヴォルガの舟引き』はどこ???館内のおばちゃん達に聞いても「ニエット、ニエット」と言うばかり。え〜ん、また出稼ぎかい〜〜〜。パリのオルセー美術館といい、アムスのゴッホ美術館といい、私ってほんとわざわざ海外まで行ってお目当ての作品が出稼ぎに出てたって確立めちゃ高いのよね〜(>_<)美術館ショップを見てるうち、ど〜せ買うならエルミタージュグッズを買うべきだった〜と思い、再びトローリーバスでエルミタージュへ。をを、今日月曜日はこっちがお休みでした(^_^;)

サンクトペテルブルグ大学
AIVENGOの内装
秒単位の信号待ち表示

観光案内所でお土産を買い、徒歩で宮殿橋を渡りクンストカメラを横切ってサンクトペテルブルグ大学へ。有名な12校舎は裏から見るとまるで監獄みたい。で、河側へ出ようと思ったらどひ〜、なんつー遠回り。な〜んでこう、抜け道がないかなぁ。芸術アカデミーから延々と回り道をしてジモティーに教えてもらった河岸のカフェへ。さっきのランチでまだお腹がいっぱいなのでビールを一杯だけ飲み、ボリショイ大通りからメトロ駅まで北へ歩く。

ドッグランならぬホースランが
賑わうボリショイ大通りの北側
激しく込み合う地下鉄の入口

さすがこの辺りは美術・演劇系の学校が集まってるだけあって、街も若い人が多いな〜。もう6時近くだったので仕事の終わった人達でごった返していました。うを、地下鉄の駅前が超ラッシュ!車内はどんなにか込んでいるんだろうと思ったら、1分半おきに次の電車が来るので、意外とガラガラでした。あと何分何秒で次の電車が来るのかという表示は上海にもあったので、コレって社会主義国独特のモノ???ちなみに信号にもあと何秒で赤(または青)になるという表示付きのモノがけっこうありました。

文学カフェの内部に蝋人形
こっちがオリジナルの
ビーフストロガノフ
今夜観たロシア映画

ハリー・ポッターやビートルズのマトリョーシカを買って、隣の文学カフェへ。ベリーコーヒーがことの他おいしく、やっとお腹もすいてきたので、はすむかいにあるストロガノフ宮殿内のオープンレストランへ。本日2皿目のビーフ・ストロガノフ。本来ならこっちがオリジナルのビーフ・ストロガノフのはずですが、昼間の方がずっと美味しかったのでちょっと興ざめ・・・
再びバスを捕まえて、DOM KINOへ。ジモニーおすすめの『EUPHORIA』を鑑賞。めっちゃアートでポエティックな映画なんだけど、昨日のレトロスペクティブ上映と比べると客層が若いカップルやグループばかりなのにびっくり。月曜夜9時の回だとゆ〜のに、70〜80人は入ってたんじゃないかな。しかもこの映画、ココだけじゃなくて、サンクト周辺のシネコンでは皆かかってるし。なんか羨ましい限りです。

ショーウィンドにハイジが?
豪華な寝台車の内部
チャレンジ精神豊富な夫婦

今度は歩いてモスクワ駅(モスクワ行きの電車だけが集まってる駅なのです)へ。駅前のDVDでクークーさんご指名の『第9中隊』を探すもパッケージに9と書かれたDVDが幾つもあって「去年の?」とか「アフガニスタンの?」と聞いてもいいかげんな答えしか返ってこない。定価が400ルーブル(約1840円)もするので、間違えたら大変と今夜のところは買わずじまいに。

駅地下のマーケットで飲み物などを調達して、あっという間に“赤い矢号”出発の23:55。4人部屋にしたので、向かいはオランダから来た若夫婦。サンクトを起点にしてモスクワからシベリア鉄道に乗りウランバトール経由で中国入り、モンゴル・ラオス・ベトナム・カンボジアを回って最後はニュージーランドへ行くのだとか。8ヶ月も休暇を取ったとゆ〜羨ましいカップルであります。話は尽きぬものの明日も早いので無理やり就寝〜〜〜。

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続きの日記はこちら。

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