This is my travel diary in Basel, Switzerland and Amsterdam, Neatherland from Oct 17 to 30th, 2001.
2001年10月18日から30日までの
スイス&オランダ旅行記です。
写真は文章の内容に合った順に載せているので、後で撮影したものもあります。
よって日付の順番はめちゃくちゃですが…。
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遅いブランチを食べて、3人で写真美術館へ行った。現在の特別展示はHannah Villiger(写真右)。彼女は、身体の一部分を拡大した写真を撮ることでとても有名なアーティスト。幾つかの写真は、一見見ただけでは身体のどの部分なのか分かりにくくてまるでクイズみたいな感じがする。
それにしてもバーゼルには美術館が多い。19日に行った市立美術館は、世界で最も古い公共美術館なのだとか。ココには30以上の美術館&博物館がある。
車に乗ること10分ちょっと、あっという間にドイツ国境へ着いた。国境の所には小さな事務所があるものの、そこには誰もいなかった。こっ、こんなに簡単でいいのかな???そこからさらに2〜3分走ってお城の様なカフェへ。この辺りには牛やヤギも放牧されている。何だか突然ど田舎へ来てしまった様な感じ。土地もこちらの方がずっと安いのだそうだ。
橋を渡った所に小さなギャラリーがあり、たまたまアジア美術のオークションをやっていた(やはりこの辺りにはお金持ちが多いので)。そこにいたのは、ナント日本美術”根付”のエキスパート。正直な所、根付なんて日本にいる時は聞いたことさえなかった。それが海外へ出ると驚く程たびたび耳にしたり、目にしたりする。そのギャラリーを仕切っていた女性(普段はヨーロッパ・アートの中心であるコロンに住むドイツ人)は、出光美術館で根付の収集を手伝っていたという、世界でも5本の指に入る専門家なのだ。彼女は実際、根付について、英語の本も出版している。世界は狭いな〜。私は根付についてなんてまるで知らないから、日本人としてけっこう恥をかいてしまった(^_^;)。
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ドイツ側にあるレストラン &アンティークギャラリー enlarge picture |
もう夜かなり暗かったので、 ドイツに行った証拠はゴミ箱だけ(^_^;) enlarge picture |
家に帰って、TVを観た。今日観た番組は、バーゼルを舞台にした『Cafe Bale』(写真左)。Baleとは、バーゼルのフランス語。ちなみにバーゼルは英語でBasle、ドイツ語でBasel,イタリア語で Baseleaと、コレまた全部微妙に違う。タイトルがフランス語なので、会話もフランス語かと思ったら、会話はスイス・ドイツ語だった。Dの話によると、バーゼルでも若い世代は日常会話にフランス語を入れることが多いのだそうで、レストランとかでも彼はダンケの変わりにメルシーを使っていた。
さてさて、その『Cafe Bale』。厳密に言えば違うけど、アメリカのいわゆるシュチュエーション・コメディに近い様な番組で、数年来続いているかなりの人気長寿番組。キャラクター4人のうち1人が途中変わっただけで、後は延々と同じ俳優さんが演じている。4人のうち、男性キャラクターは、このカフェのボーイさんだけで、後は30代〜40代の女性キャラクターが3人。皆働いていて、結婚しているのは一人だけ。スイスでは、何年も何十年も同居していながら結婚までには至らないケースが多いのだそう。Dの話によれば、彼の世代にとって結婚はかっこいいコトではないから。周りが特に結婚もしていないというのに、何をあせって結婚する必要があるのかということらしい。結婚していないカップルが子供をもうけるのも、こちらではさして珍しいコトではないのだとか。
『Cafe Bale』が終わってニュースを観る。こちらでも、有料ケーブルを入れれば100チャンネル以上の番組を観ることができるが、ここの家で観ることができるのはスタンダード。それでもドイツ語、フランス語、イタリア語、英語の番組50チャンネル近くを観ることが出来る。チャンネル1と2は、スイスの公共放送。その他、いくつかスイス・ドイツ語の放送、ドイツ語の放送、フランス語の放送、イタリア語の放送…と続く。英語で観られるのはCNN、CNBC、BBCの3チャンネル。けど、こっちのCNNはヨーロッパ放送バージョンなので、アメリカのCNNとはアンカーもレポーターも違う人だった。アメリカとヨーロッパの時差によるところが大きいらしいのだけれど、同じCNNなのに違った視点のニュースを観ることが出来て面白い。BBCも悪くはないんだけど、ビジュアル的につまらないよね〜。
いくつかの番組を観ながら、Dが「この司会者は○○出身だね」とか「このリポーターはハイ・ジャーマン(高地ドイツ語)を喋ってる」とか、いろいろアレコレコメントする。スイス・ドイツ語でも、喋り方や単語で出身地がはっきり分かるのだそうで。ちなみに、よっぽど崩した友達同士の手紙のやり取りでもない限り、スイス・ドイツ語を話す人でも、書き言葉はスタンダード(?)のドイツ語を使うのだそうで。日本で読み書きには東京弁(?)を使うのと同じコトみたい。
その後、借りてきたビデオで、映画『セイブ・ザ・ラストダンス』を観た。主人公を演じたジュリア=スタイルズ(学校の後輩でもある)は、全然美人じゃないのに、やっぱり演技がうまい。映画全体としてはちゃちい映画だよなぁと思ったけど、部分部分に好感の持てる所はいっぱいあったし、やっぱり最後のダンスシーンはかなり良かった。自分一人でビデオ屋に行ったら、絶対選ばない様なタイトルだけど(やっぱり3人共観たことなくて、3人共観てもいいよっていう映画を探すのって大変…^_^;)、まぁたまにはこういう映画をやいのやいの言いながら観るのもいいかもね。
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『Cafe Bale』の舞台になっているカフェ enlarge picture |
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の外観 enlarge picture |
ビール製造も見られます enlarge picture |
レストラン隣りにはモダンな職安が enlarge picture |
(写真左:バーセルの市旗とスイス国旗)
ところで、スイスが永世中立国であることは有名でも、スイスがかなり強大な軍隊を持っていることに関しては、意外に知られていない。私も恥ずかしながら、スイスに徴兵制があることを全く知らなかった。例に漏れずDもちゃんと徴兵に行ったし、現在彼はシヴィル・サービスという事になっているが、人によっては毎年少しずつ軍隊へ戻らなければならない人もいるのだそうで。銃を持っている家も、田舎に行けば実はそんなに珍しくはないらしい。
それでも彼らの立場は、あくまで”いかなるグループにも属さない”。よく言えば中立、悪く言えば無関心、というか自分さえ良ければいいということになるのだけれど。まぁ、歴史的に言って、これだけ多くの民族・言語が入り交じり、多くの国の国境に接している国としては、その気持ちも分からなくはない。前回スイスに来た時は、「あまりにも退屈な平和すぎる国」と思ったけど、一旦中に入ってみると、それにはそれで、いろいろと複雑な事情があるみたいなので・・・。
スイス人には、国で発行された身分証明書がある。主要な記述がドイツ語、フランス語、イタリア語、ローマン語、そして英語で書かれていることについては、今更驚かなくなったが、カードに祖父母の代の出身地が明記されているのは興味深い。それだけ出身地によってその人の人格が違ったり、言葉の問題が違ってくるということなのか。出身地へのこだわりは、おそらくアメリカや日本の人達が持っているこだわりより何倍も大きいのではないかと思う。ちなみにDの友人の出身地はルサーン地方だった。彼もかなりチューリッヒの人間に敵対意識を持っているみたい。
”スイス風”に、3回ほっぺたにキスして彼と別れた(ヨーロッパの他の地域では2回が普通)。けっこう酔っ払ってしまったので、今夜はさすがにビデオもネットもなしてベッドへと直行・・・。
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けっこう山の近くにあります enlarge picture |
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駅前のレストラン enlarge picture |
午前中はSに用事があったので、6番のトラムに乗り、Sお勧めのベイヤー・ファウンデーション美術館へ行った。この美術館は、地元の有力者ベイヤー家のプライベート・コレクション。一番作品の多いアーティストはピカソで、少なくとも20点近くの作品が3部屋に渡って展示されている。
美術館の人に道を聞いてみたけど、どうも言葉が通じなかったので、警察署のおまわりさんに聞いてみた。元々暇な警察署なのか、特にその日は暇だったのか、彼らはとても親切に、そして懇切丁寧に色々と教えてくれ、おまけにタダでバーゼルの市街地図までくれた。
バーゼルの街の主要交通は、トラムと呼ばれるいわゆる路面電車。トラムを使うことには2つの利点がある。一つは、トラムが電気で動くことから、空気公害が少なくなるということ。スイスの空気がキレイと言われる理由の一つは、トラムの存在にもあるのかもしれない。二つ目は、トラムの存在のお陰で、自動車がむやみやたらに早く走らないということ。車がむちゃくちゃな運転をするNYに住んでいる私としては、このゆったりとしたリズムは時には戸惑ってしまう程。ちなみに、ダウンタウンの中心部は別として、バーゼルの街には信号がとても少ない。信号なんかなくっても、自動車は自動的に歩行者の為に止まってくれるのだ。
それから、自転車を使う人もめちゃめちゃ多い。Dは車を持っているけれども、普段の通勤には自転車を使っている。盗難が驚くほど少ないので、路上駐車もたくさんある(まぁ、日本の自転車の多さに比べたら全然少ない方だけど)。NYにはなくて、バーゼルにはある日本を思い起こさせる二大風景(?)は、この路上に止められた自転車と、各スーパーマーケットの店頭に並ぶお惣菜屋さんやミニ・ベーカリー。特に割ぽう着姿のオジチャンやおにいちゃん達の姿が妙に懐かしい。コレって多分、日本がヨーロッパにあるスーパーのスタイルを真似たモノだと思うけど、こんな風景アメリカでは殆ど見たことがない。
ともあれ、私の次の目的地は、スイス・ドイツ・フランスの三国国境地点。ここは何のことはない、ライン河に付き出した三角洲に三国旗のマークのついたポールが1本立っているだけ。バーゼルに3ヶ月住んでいるSも一度も行ったことがないと言っていた。ただし、海に挟まれて”国境”というモノにまるで馴染みのない日本から来た私には、けっこう感慨深いものがある。う〜ん、ここはスイス、あっちはフランス、そっちはドイツ。こんな所に住んでいると、”国の違い”に対する感覚は、私なんかとは全然違うんだろうなぁ。
懲りずにまた天津甘栗もどきを買って(こっちのは、別に甘いわけではないし、天津甘栗の様に茶色くもない)、お勉強。
ただし、スイスの映画館体験をしたというのは、大きな収穫だった。一番大きな違いは、字幕がドイツ語とフランス語の2列にも渡っているということ!!!ふと見ていると、文章によってはドイツ語とフランス語ってけっこう語順が違うんだなぁとか、いろいろ発見できて面白い。Dの話によると、バーゼルでの字幕はほぼ100%ドイツ語が上でフランス語が下だけど、ジュネーヴの映画館ではフランス語が上に来るんだとか。
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広告がクリップで留めてある
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おじいちゃんが野原の花を持ってるの
見えますか???
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中央病院前の自転車
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左がフランス、後ろがドイツ
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こっちはフランス
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そっちはドイツ
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夜はcoopでサンドウィッチと飲むヨーグルトを買って、念願の(?)映画館での映画鑑賞。観た作品は『The Score』(ロバート=デニーロ主演)。この映画を選んだ理由は、このお話の舞台がつい一ヶ月前に行ったばかりのモントリオールであるということと、主人公の一人が私の好きなエドワード=ノートンであったこと。
モントリオールに関しては、舞台がモントリオールの税務局であったことで、私の歩き回ったダウンタウンはあまり出てこなかった。エドワード=ノートンに関しても、おそらく彼にしか出来なかった役ではあろうけど、あまりにもタイプキャストすぎて、ファンとしての私にはいまイチだった。私の好きなアンジェラ=バセットも、どうも全然いまイチだったしなぁ。ま、撮影の暗ーいトーンは、まぁまぁでした。全体的には何だかやけに印象の薄い映画だったけど…。
そして、もう一つの大きな違いは、大抵の映画にナント10−15分間の中休み休憩があるということ。スクリーンに”Pause”という文字が出ると、劇場が明るくなって、オジサンがアイスやスナックを売りに来る。アメリカでは『パール・ハーバー』みたいな3時間以上の映画でも中休みはまずない(日本でも、黒沢明の長時間映画なんかには中休みがあったんですけどね)。うーん、コレはよいなぁ...。
帰り道、いわゆるアーティな映画を上映しているCine Clubへ寄ってみる。現在の上映作品は、『ヤンヤン 夏の思い出』と『アモーレス・ぺロス』。日本にある様な映画のチラシ(アメリカには映画のチラシというものはありません)が、さらに豪華な形で置いてあった。ビンボー性の私は、一つの映画あたり、4ー5枚のチラシをわし掴みにしてその場を後に...(^_^;)。
バーゼル映画おたくの殿堂(?)
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ウッディ=アレンの最新作
『最新絶叫計画』『コレリ大尉のマンダリン』
『エンジェル・アイズ』『ムーラン…』
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今年のオスカーを狙うフランス映画『アミリ』
『アモーレス・ぺロス』
『ヤンヤン 夏の思い出』
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一応、ハロウィーン・ディナー
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アパートへ着いてちょっとしたハロウィーン・ディナーを食べ(って、ちょっとしたディスプレィにパンプキン料理を足したくらいないのですけれど)、また映画。Dがビデオ屋さんからレンタルして来たのは、イギリス映画『ブロウ・ドライ』。『フルモンティ』と同じ脚本家の書いた作品で、全体的には、『ムーラン・ルージュ』のバズ=ラーマン監督の作品『ダンシング・ヒーローズ』meets『ドッグ・ショウ』という感じ。なかなかキュートな映画でしたが、俳優陣は豪華。『パール・ハーバー』のジョシュ=ハーネットは、この映画を最初に見ていたならけっこう好きになっていたんじゃないかという程の好印象だったし、レイチェル=リー=クックは相変わらずきゃわゆい。それにやっぱりナターシャ=リチャードソンは相変わらずいいなあ。でも、結局はイギリス映画だから、ホントの主役はアラン=リックマンとレイチェル=グリフィスなんだよね(^_^;)
ともあれ、スイス航空が何とか持ち直して来ているらしい(この1週間、バーゼルやスイスの新聞・ニュースのトップは殆どがスイス航空の存続について)。これで何とか予定通りにNYに帰れるかな???
続きの日記(10月23日から)はこちら。
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