This is my travel diary in Basel, Switzerland and Amsterdam, Neatherland from Oct 17 to 30th, 2001.
2001年10月18日から30日までの
スイス&オランダ旅行記です。
写真は文章の内容に合った順に載せているので、後で撮影したものもあります。
よって日付の順番はめちゃくちゃですが…。
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今朝はホテルで朝食をたっぷり取って、まずはゴッホ美術館へ。さすが世界一ゴッホの作品を所有している美術館だけあって、見応え十分。私の場合、大好きな『星月夜』、『糸杉』は別として(
これは両方共、NYにあります)、個人的にはそんなにゴッホの熱狂的ファンというわけではない。けどご存知の通り、彼は私がファンであるゴーギャンと南フランスのアルルで共同生活をしていた。
実は来年2月から、ここゴッホ美術館でナント「ゴッホとゴーギャン展」が開かれる。うぉ〜、その為だけでも、もう一度アムステルダムに来たいぃぃぃっ!!!人気画家二人の作品が一同に集められる企画展とあって、美術館ではすでに9月から前売り券の販売を開始。この企画展に限り、入場者を1時間ごとの入れ替え制にするのだそうで。日本の美術展じゃあるまいし、海外の美術展でそんな話は初めて聞いた。しかもすでに、その特別展専用のウェッブサイトまで、美術館サイトからは独立してオープンしているという気合の入り様(^_^;)。アドレスはこちらデス。
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すでに『ゴッホ&ゴーギャン展』 を宣伝しているゴッホ美術館 enlarge picture |
ゴーギャン作:『ひまわり』を描くゴッホ enlarge picture |
ゴッホ作『馬鈴薯を喰う人々』 enlarge picture |
ともあれ、無名時代のゴッホの作品は、当時彼が影響を受けていたミレーの作風に本当にそっくりで、色は暗く、のっぺりしていて、まるでプロレタリア・アートそのものだった。芋はゴツゴツって感じでね…(^_^;)。ゴッホも他の画家と同じく、初期はいろいろな試行錯誤をしていたんだなぁ。パリへ来てからは、ゴーギャンは勿論のこと、いろいろな画家の影響を受けまくっている。そして、彼に大きな転換期を与えるジャポニズムの到来。彼は特に広重の作品を何枚か模写している。実は去年ブルックリン美術館で広重の特別展が行われていた時、広重のオリジナルに並んでゴッホの模写の写真も飾られていた。そのオリジナルをいつか見てみたいと思っていた私にとって、これはかなりの感激モノ。ゴッホが最初はトレーシング・ペーパーに作品を写して模写の練習をしていたという事実も、私には新鮮だった。この美術館では、そのトレーシング・ペーパーも新館の方でしっかり展示している。
その他の作品としては、NYメトロポリタン美術館で普段目にしている作品との関連作品が幾つかあって、私にはとても馴染み深かった。また、昨日自転車ツアーで、現実のオランダの風景…風車、たて長住宅、はね橋、糸杉、放牧牛、そしてどこまでも続く原っぱ等をこの目で見ていたので、ゴッホの描く風景画がいっそう身近に感じられた。有名になってからは、フランス在住の方が長いとはいえ、ゴッホはやっぱりオランダの人なんだなぁ。そうそう、同じオランダの画家と言えばレンブラントがいるけれど、二人は記録的なまでに多くの自画像を描き残した。ゴッホもやはりレンブラントを尊敬していたと聞くから、ゴッホの自画像熱は、レンブラントの影響もかなりあるのではないだろうか?
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ゴッホによる広重の模写 enlarge picture |
珍しいゴッホの水彩画 enlarge picture |
ジャポニズムの影響を受けた画家 Ernst Ludwig Kirchner enlarge picture |
その後、すぐ隣にある市立近代美術館へとハシゴ。ここにもゴッホはあったが、わずか2〜3点。その他、セザンヌ、マチス、ブラック、マレビッチ、モンドリアン、カンディンスキ―の作品が沢山置いてあった。もっと現代になってしまうと、分かるのはダミアン=ハーストくらいになっちゃうんだけど。
2階に行ったら、Ernst Ludwig Kirchner(写真右上)の”Tahiti de Alpen 1918 - 1928”という特別展をやっていた。実は彼は、ゴーギャンと一緒にタヒチへ渡ったドイツ人画家。タヒチから帰った後は、ナント正反対のスイス・アルペンに住んで、そこでゴーギャンやタヒチ文化の影響を受けたタペストリーを制作している。ここにもゴッホやゴーギャンの受けたジャポニズムの形跡が所々に見受けられて、とても興味深い展示会であった。
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お寿司も売っていました enlarge picture |
さすがにチーズコーナーは充実 enlarge picture |
ストロベリーオレンジ、アメリカでは 殆ど見かけない三角サンド enlarge picture |
少し歩いて、バイクツアーのマイクが勧めてくれたフィルム・ミュージアムへ行ってみる。ここはミュージアムとは言っても展示物は殆どなく、基本的には外国映画やクラシック映画を上映しているところ。イラン映画『The Circle』を始め、観たい映画もいくつか上映されていたが、字幕がオランダ語なので諦めた。その変わり、親切なカウンターのおねえちゃんが、オタッキーな映画館の場所をいくつも教えてくれた。さすがアムステルダム、オタッキー映画館も沢山ある。
フイルム・ミュージアムのあるフォンデル公園も、沢山の若者達で賑わっていたが、ここにはゲイのカップルが沢山いた。そうそう、アムステルダムは勿論ゲイ・カップルの天国としても有名なところ。
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フィルム博物館 enlarge picture |
左は『HANA-BI』、右は??? enlarge picture |
…は、なぜかガイドブックに載ってなかった enlarge picture |
アメリカ人の友人達からこぞって薦められたSEXミュージアムへ行く。ココは地球の歩き方を始め、殆どのガイドブックに載っていないし、場所も小さそうだったので正直全然期待していなかった。
けどまぁ、皆が薦めてくれただけのことはある。飾ってある写真や人形はかなりちゃちいけど、とにかく量がたくさんあるので、圧倒されてしまうのだ。日本の春画や根付けは勿論のこと、熱海の博物館や縛り地獄の写真も沢山あった。インドのカマスゥトラーの絵や中国の春画もあったし、この狭いビルの中で世界中、そして様々な時代のポルノを見ることが出来る。キリスト教では牧師さん、仏教ではお坊さんが女のヒトを犯している春画って、実はけっこう沢山あるんだなぁ。それだけスケベな牧師さんやお坊さんもこの世には沢山いた様で…(^_^;)。まぁ、たったの5.5ギルダーでこれだけ沢山のモノが見られるのだから(他の美術館や博物館は11〜15ギルダーもする)、他の友人達と同じく、私もこのSEXミュージアムは、アムステルダムへ来る機会があったら是非お勧めのスポットというコトに致しませう。中央駅南口からのメインストリートを下がった所にあるので、すぐ分かると思いマス。ちなみに、赤線地帯にある”エロティック・ミュージアム”とは別モノですのでお間違えなく。
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NYとは縁の深い”涙の塔” enlarge picture |
今回の旅行で一番薦められていた所 enlarge picture |
コロッケなどが自動販売機で買える enlarge picture |
『アンネの日記』で世界に知られるアンネ=フランクは、ドイツのフランクフルトに生まれ、ナチの台頭後、家族と共にアムステルダムへ移り住む。1944年に連行され、強制収容所で亡くなる前までの約2年間、彼女はアムステルダム西教会のすぐ脇にある家の奥で”隠れ家”生活を送った。
ここ、アンネ=フランク・ハウスでは、彼等の隠れ家が今も残されている。2階の本棚裏が”隠れ家”の入り口。アンネの部屋の壁には、彼女達姉妹が壁に貼ったハリウッド・スターの切り抜きが、当時のままに残されていた。キッチンや屋根裏もある。ここで8人もの人達が外に一歩も出られず2年も一緒に暮らしていたなんて信じられない。
このアンネ=フランク・ハウスが、ナチとユダヤ人の歴史を紹介しているのは勿論のこと、現在に至る”エスニック・クレンジング(人種浄化政策)”にも詳しく言及している。アンネは隠れ家の中で、いつか人種差別のなくなる世界が来ることを夢見ていた。60年近く経った今、テロ事件後の逆行したこの世界情勢を見ていると、何だか彼女に申し訳なくなって来る。
ちなみに、アンネ=フランク財団は私がつい数日前にまで滞在していたスイスのバーゼルにある。これは家族でたった一人生き残った父親オットー=フランクが、戦後バーゼルに移り住んだから。ここは、オットーの母親である、アンネの祖母がバーセルに住んでいたことに関係があるのだと思う。今回の旅が、彼女を通して一本の線で繋がれていたのかと思うと、ちょっと不思議な気分。
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右隣りはミュージアムになっている enlarge picture |
本棚の後ろに隠れ家の入り口 enlarge picture |
隠れ家すぐ隣りの西教会 enlarge picture |
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赤線地帯近くの怪しげCS enlarge picture |
中央駅近くの観光客向け enlarge picture |
学生街の有名なCS enlarge picture |
由緒あるコンサートホール enlarge picture |
スタンディング・オベーションが延々と続いて、全てが終わったのはもう10時半を廻っていた。外に出ると、コンサートホール前の広場に満点の星。暫く空を見上げていると、長くて大きな流れ
星が見えた。私がこれまでに観た事のある流れ星の中では明らかに一番大きくて長い。願い事は…、あんまり早くて突然の出来事だったので、1回しか唱えられなかった。…ってことは叶わないのかなぁ???
またもEasy Everythingに寄ってホテルに帰ると午前1時近く。取りあえずブラウニーをかじってバスタブに浸かったけど、全然ラリれない〜。お風呂に入ったのが良くなかったのか、疲れ過ぎていたのがいけなかったのか、それとも元々ラリれない体質なのか。やっぱり私はドラッグと相性が良くないらしい…(^_^;)。とにかくもう疲れ果てちゃって、それどころじゃないよ〜〜〜。
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私の短期旅行鉄則(?)その1は、1日目、もしくは2日目までには街全体をざっと把握出来るツアーに参加すること。自分の気に入った所へは後でもう一度ゆっくり行けばいいから。その時、ガイドさん等から、現地の人にしか分からない&ガイドブックに載っていない情報を得ることも忘れずに。今回の場合では、キャナル・クルーズとバイク・ツアーがそれに当たる。キャナル・クルーズである程度の教会やランドマークは見てしまっていたので、後から自分でトラムを乗り継いで一つ一つ見て廻る手間が省けたし、バイク・ツアーのマイクから、映画オタッキー情報を沢山もらうことが出来た。
その2は、天候や、コンサート・芝居など毎日スケジュールが違って来るモノは、なるべく後回しにせず、先倒しでやっておくこと。言うまでもなく、最終日になってしまったら、もう後がないから。今回の場合では、バイク・ツアーや歌劇などがそれに当たる。
その3は、旅行前から決めていた目的地へは、1〜3日目くらいに集中して廻ってしまうこと。今回は、国立美術館&ゴッホ美術館、アンネ・フランク・ハウス等がそれに当たる。こう言った場所は、月曜日などが休みになる場合が多いのでソレにも注意。
その4には、早寝早起きして朝9時からフルに動くというのもあるが、今回ソレは全く持って実行しなかった。トシかな〜(^_^;)。
その5、3〜4日目以降は大体土地感も分かって来るので、予定も立てずブラブラ街を歩いてみること。なるべく観光地でない所に鼻を利かせて廻ってみるということ。
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朝食を食べたカフェ enlarge picture |
ベンツやBWMのタクシーが一杯 enlarge picture |
地下鉄です(^_^;) enlarge picture |
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アムステルダム大学 enlarge picture |
激混みだった郵便局 enlarge picture |
アムスのFilm&TVアカデミー enlarge picture |
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改装ほやほやのレンブラント・ハウス(左) enlarge picture |
レンブラント・ハウス近くの教会 enlarge picture |
チップスと謎の果物(手前) enlarge picture |
ついでなので、もう少しオランダの食べ物に関していうと、ベルギーに近いということから、やはりベルジン・ワッフルをよく見かけた。それと、フライド・ポテトにマヨネーズやたまねぎのみじん切りなどその他モロモロをかけて食べるのもベルギー風。これはフレッツと呼ばれ、ちょっとした軽食にはポピュラーでどこにでもある。ちょっとモントリオールのPouletに近い感じかな。コレはなぜか地球の歩き方には載っていなかった(別にこの本に恨みがあるワケではありません。今回も随分活用させてもらったし(^_^;)。ちなみにベルギー風フライド・ポテトやベルギー・ワッフルは、ついこの間までNYでもちょっとしたブームだったと言える。今はもう廃れて来ちゃった感があるけれど。
後は本当によくコロッケを食べた。カフェに行っても、レストランに行っても、ファースト・フードのお店に行っても、とにかくコロッケだらけだったから。しかも種類が全部試しきれない程たくさんあったので。私の印象では、日本のコロッケの方が油分が少なくて、揚げ過ぎていないし、その分香ばしかったような気がした。いやはやオランダ・コロッケの油分はめちゃくちゃ濃い。こんなのばっか食べてて皆よく肥満になったり病気になったりしないよね。
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中央駅北口には沢山の通勤フェリーが enlarge picture |
これが私の乗ったフェリー enlarge picture |
次のトラムの時刻が出ていて便利 enlarge picture |
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自動車用、トラム用車線 enlarge picture |
壇上にも自転車が沢山止まっています。 enlarge picture |
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おまけ その2 |
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