現在またはもうすぐ日本で公開になる映画の紹介(独断的感想?)コーナー。
評価の満点は5つ星です。
Billy Elliot - 「リトルダンサー」****1/2
"Chunhyang" - 「春香伝」****
"Charlie's Angels" - 「チャーリーズ・エンジェル」***1/2
"Tell Me Something" - 「カル」 ***1/2
「あんにょんキムチ」 - ***1/2
「WHITE OUT」 - **1/2
このページの壁紙はあゆみさんのHPから頂いた素材を使っています。
「リトルダンサー」 - ****1/2 |
Directed by : Stephen Daldry、Written by : Lee Hall
Staring : Jamie Bell、Julie Walters、Gary Lewis、Jean Heywood、Stewart Wells,etc.
Official Sites : US、UK、France、Japanese
日本では2001年1月27日からの公開です。
くやしい、しまった、やられたぁぁっ、というのがこの映画を観始めて1分後の私の感想。「好きだぁっ、この監督!」もうピンと来てしまいました。最初の1分というのは、何の変哲もない朝のシーン。Billyが兄のレコード・プレーヤーをおそるおそるかけ、ベッドの上でジャンプし、朝ご飯のトーストとゆで卵を用意する、ただそれだけ。でも、その1分だけでおみそれ致しましたm(_)m。実はこの日、別の映画を観る予定だったのですが、友人に折れてこの映画を観るコトに。う〜、参った…。今日観ていなければこの映画をビデオで観ることになるかもしれなかったなんて、自分が情けないというより恐ろしい…。
実はこの映画、こちらのウリでは「2000年のフルモンティ」みたいな詠い文句があったので、これまでずっと避けてきていたのです。「フルモンティ」、嫌いじゃなかったけど観た時かなりがっかりしたので。確かに“イギリス労働者階級の人達と踊り”という共通点はあるものの、全然違うよ〜〜〜っ。
まず最初に宣言します。この映画、日本で絶〜〜〜対受けるっ!!!!!(特に女性客に)「ブラス!」があれだけロングランした日本ですからね。実は「ブラス!」って、アメリカではトンと受けなかったのですよ。パッとしないまますぐに終わってしまった…。で、たまたま1998年日本にいた時、日本では驚異的ロングランをしているからと言われて、しぶしぶと観に行ったのでした。「ど〜せ、ユアン=マグレガーが出てるからヒットしてるんでしょ?」って感じで。で、2時間後の私…。今日の私と同じように狐につままれたような気持ちで映画館を後にしました。
この映画、「ブラス!」より何倍も後味のいい映画ですから、ロングラン間違いなしっ!(な〜んて、「マルコビッチの穴」とか「グリーン・ディステニー」が意外にも日本では当たらなかったので、映画の興行成績というのは、ホントに蓋を開けてみないとわからないモノなのですが)
ともあれ、久々に日本で普通に(?)映画を観ている友人達にも大声でお薦め出来る映画を発見してしまいました。これはかなり自信を持ってお薦めしますよ。
そしてまた前置きが長くなり、ストーリーを今頃説明する私(^_^;)。これは1984年、北イングランドの田舎町に生まれ育ったBillyが、ボクシングレッスンに通ううち、隣で女の子達がやっているバレエレッスンに魅せられ、ダンスを習っていくというスポ根(?)もの。Billy達子供の世界と、兄・父親が渦中にいる炭鉱スト、そしてそれを取り巻く警官達という大人の世界。バレエというある意味幻想・虚飾の世界とBillyの住む低所得者アパートの世界が交互に出てきて、映画の世界が多面体の様に展開していきます。
ストーリー自体は、ごく単純なモノなのですが、とっても細かくてキュートなスパイスが随所にちりばめられていて心憎い〜。この映画を観ながら、劇場でかなり頻繁に声を上げてしまった私です(^_^;)。
そしてこのステファン=ダルトリー監督、とにかく心に残る様なショットをたくさん撮っています。ツボ抑えてるな〜というか、将来がとても楽しみな人。ちなみにこの人もYou Can Cont on MeのK=ローナガン監督と同じく舞台出身で、この映画がナント長編第一作目です。警官とのもみ合いのシーンとかけっこうお金かけてると思うし、とてもデビュー作には見えないんですけど。
音楽に関して。友人はちょっとクドすぎるんじゃない?と言っていましたが、私は好きだったなぁ。このお話にはバタくさい音楽の方が合っていると思うし…。実際今、この映画のサントラを聞きながら書いてます(^_^;)。
主演のジェイミー=ベルは踊りの才能も含めてオーディションに受かったそうですが、踊りの方は期待が大きすぎた為か、まぁまぁって感じでした。でも、一役者の演技としては最高にうまかった。とくにふて腐れたりトボケたりしている時の表情がいい〜。彼も大きくなったら「太陽の帝国」でデビューしたクリスチャン=ベールみたいになっちゃうんでしょうか?ちょっと興味深々です。
コーチ役のジュリー=ウォルターはゴールデン・グローブ賞にもノミネートされていますが、「秘密と嘘」のブレンダ=ブレシン・タイプのおばちゃん。父親役のギャリー=ルイス、イギリス映画界ではおなじみのベテラン俳優さんで、特に後半はとっても良かったです。おばあちゃん役のジーン=ヘイウッドもなかなかの怪演だったし、ゲイの親友スチュアート=ウェルズも良かった。も一つおまけにお兄さんも良かったよ〜。(結局みんな良かったってわけね ^_^;)
最後に面白いなぁ、と思ったのは「ガールファイト」(このページの一番下)とこの作品が、一見正反対でありながらとてもよく似ている所。「ガールファイト」は、女の子ながらボクシングに魅せられ、よいコーチに見出されて成長していくスポ根もの。「リトル・ダンサー」でも、「ガールファイト」でも、彼/彼女は共にお母さんを亡くしているのです。だから自分のやりたいバレエ/ボクシングに反対するのは頑固でコワ〜いお父さん。しかも二人共低所得者層のアパートに住んでいる為、コーチが彼等の才能を認めてくれるまでは、1回分のレッスン費を父親に内緒で捻出するのに一苦労。こんな感じで前半部分は全く同じお話なんですよね。後半は全く違った展開になって行くんですが…。
とにかくコレは掘り出しモノの映画です。よく出来てるし、よく笑えるし、よく泣ける。デートでも、友達同士でも、お子さん連れの家族でも、どんなシュチュエーションにもはまって、かなり満足のいく映画だと思います(誉めすぎかな?ちなみに私、この映画の配給さんに知り合いはいませんのであしからず)。この映画、またしても突然2000年公開映画の第2位にまで浮上してしまいました。また順位書き換えなくっちゃ(^_^;)。
My God! Can't believe I hadn't seen this film until today! It's even scary for me to imagine that I was almost going to see this film on video.
I'd been avoiding to see this film, because they say this is a year 2000 version of "Full Monty". Since I was so disappointed at "Full Monty", I didn't want to waste my time and money until my friend forced me to see it.
Yes, it's about low class people, who dance like "Full Monty", but this film is more similar to "Brassed Off", which made a long-run hit in Japan. Therefore, I definitely bet it'll get another long-run hit in Japan or even will do better (Of course, you never know, since "Being John Markovich" and "Crouching Tiger..." kind of lost in Japan despite of my bet ^_^;).
The story is very simple and predictable, but the details are cute and well spiced. I don't know how many times I couldn't help laughing, crying, and making noises during watching this film.
And mostly, I was very impressed by the first time director, Stephan Daldry (also came from the stage world like K Lonergan of "You Can Count on Me"), creates such memorable shots all over in this film. Just one minutes after I saw this film, I definitely realized that he is a "my kind of director".
My friend said the music was too much, but I actually liked how he dramatized this film with thickly music.
Because I was expecting too much about his dancing, I wasn't much impressed by his dancing, but his acting was amazing. I wonder if he'll be like Christian Bale when he gets older...
As she got nominated for Golden Globe, Julie Walter was good with Brenda Brethin kind of acting. Gary Lewis, as Billy's father, Jean Heywood, as Gramma, and Stewart Wells, as Billy's friend, who is a gay boy, were all good.
At last, I thought it's very interesting that "Billy Elliot" looks almost opposite to "Girlfight" but actually has a lot of things in common. Both the boy and the girl lost their mother, and their stubborn fathers are against to what they want. So, until they get free lessons from their coachs, they have to find a way to afford the lesson fee without their family supports.
Unfortunately, this film doesn't seem an Oscar kind, but for me, it became the second best film of the year (tied with "You Can Count on Me"). Who said year 2000 was one of the worst? Even just founding this film made me feel it was one of the best!!!
春香伝 - **** |
Directed by : Kwon-teak Im, Written by : Hye-yun Kang、Myung-gon Kim
Starring : Hyo-jeong Lee、Seung-woo Cho
Official Sites : English、Japanese、Korean
Opened both in US and Japan in December 2000 / 2000年12月より日米同時公開中
本作がナント97作目という韓国映画界の巨匠、 林権澤(イム=グォンテク)監督作品。この映画、2000年のカンヌ映画祭では韓国映画として初めてメインのコンペ部門に正式出品されました。
とは言っても、林権澤監督の作品は1986年の「シバジ」がベネチア映画祭で最優秀主演女優賞を取ったあたりから(アジア人女優としては初の受賞でした)、国際映画祭ではすでにお馴染みかも。 1993年に公開された彼の作品「風の丘を超えて〜西便制」は、「シュリ」にその記録を塗変えられるまで、 韓国映画の興行成績第1位の地位であり続けました。日本でも、彼の他作品「ハラギャティ」や2000年公開の「太白山脈」 はすでにお馴染みの方も多いかもしれません。
Amazingly, this is the 97th film by the Korean maestro, Kwon-teak Im(!!!), which was the first Korean film selected to the official competition in Canne film festival 2000. In fact, since Sibaji directed by him won for the best actress at Venice film festival 1986 (as the first Asian female actress), he'd actually made his debut at an international film festival long time ago.
Seo-Pyon-Jae, also directed by him opened in Korea 1993 got an enormous hit there, and it became even a phenomenon among young Korean people. Indeed, until Shuri broke the record, Seo-Pyon-Jae was the film, which made highest box office record in Korean history. I
would say, he is the most famous Korean filmmaker in the world.
私がこれまでに観た林監督の作品は「シバジ」(日本で)、「西便制」(NY韓国人街で)、「祝祭」(NYアジアン映画祭で)、「春香伝」(NY国際映画祭で) 。一番強烈だったのは「西便制」でしょうか。 コレ、韓国映画のドツボ的に暗い部分(?)を全部集約している様な映画です(^_^;)。 この映画は、韓国の伝統音楽パンソリ楽士の親子を主人公にしているのですが、 この映画をきっかけにして、韓国文化独自の伝統を広めようという運動まで起こったくらい。韓国映画に国や会社がお金をつぎ込み、新人をどんどん育てていこうという動きが始まったのも、おそらくこの映画当たりからだったと思います。
His films I've seen are Sibaji (in Japan), Seo-Pyon-Jae (in Flushing, NY), Ch’ukje (at NY Asian Film Festival), Chunhyang (at NY International Film Festival). Seo-Pyon-Jae was the most impressive one for me, which have all dark and depressing part of a typical Korean film (^_^;) It is about a strolling family, plays pansori, which is a traditional Korean folk music. Since this film swept all film awards and became so popular, the Korean government and companies started funding for the film industry.
余談が長くなりましたが、この「春香伝」はいわば、そのパンソリ音楽のミュージック映画(踊らないので、ミュージカルではありません(^_^;)。「春香伝」は韓国のいわゆる昔話で、これまですでに10作以上の映画が作られているらしいのですが、この林監督バージョンがこれまでの作品と比べてユニークであるのは、全遍をパンソリ楽士の歌で語っている所。(そこに時々各キャラクターの台詞が重なっていったりします)。
なので、話の内容はわりと単純なフェアリー・テール。 地方長官の息子モンニョンと、 妓生の娘であるチュニャンが身分違いの恋に落ちる、いわば「シンデレラ・ストーリー」。でも、彼女がシンデレラと全く違う所は、身分が低い身でありながら、心は気高く(最初はモンニョンを鼻であしらっている(^_^;)、 新しく来た長官からの拷問にも凛として動じない所。
Anyway, his latest film, “Chunhyang” is a pansori music film (but not a musical, because they don’t dance). A pansori singer is the storyteller of the whole film and you sometime hear the characters overlapped lines with him. That is the unique part of “Chunhyang” by Mr. Im, which compare to other versions of “Chunhyang” (they’ve made more than 10 versions of “Chunhyang” based on the same story).
The story is a simple fairly tale. Mongyong, who is a son of governor falls in love with Chunhyang, who is a daughter of a prostitute. The difference between this story and the “Cinderella” story is that Chunhyang never be overpowered by both Mongyong or the next governor, and always dignified herself despite of her rank.
ストーリー的には中盤ちょっとたるみますが、後半の展開のスピード・アップで一気に見せます。 前半はちょっぴりコリアン・エロス的な部分もあるし、まずその映像の美しさにうっとりしてしまう人は多いはず。最後はちょっと韓国的な(?)笑いもあったりして、その辺は韓国映画に馴染みの少ない欧米の人達にはどう捕らえられたのか分かりませんが、全体的に「伝統音楽つきの歴史絵巻」という出来に仕上がっている所が、各国際映画祭での評価を高めたのだと思います。
主役の二人にまったくの新人を起用したところも、この映画をフレッシュで初々しいものにしていたのでは?このストーリー、下手に作ると、けっこうオドロオドロしくなっちゃうので(^_^;)。
I was a bit bored in the middle, but the end was pretty speedy. In the beginning, you see some “Korean Eros” and you might be dazzled by the beautiful images of this film. I wonder if Americans who are not really familiar at Korean films get the humor in the end. However, I bet the biggest reason why this film made an international success is that this film is made as a “classic picture book with traditional music”.
I think it was great that Mr. Im used totally new actors for the leads, which made this film so fresh , otherwise, this film could be sticker kind because of the original story.
日本ではもう定着した林監督のファンもけっこういるのではないかと思いますが、この映画、林監督作品初体験のアメリカの批評家達からはかなり高い評価が出ています。
In Japan, he has already acquired certain amount of fans. In America, I think he got a pretty good start with critic’s great reviews.
チャーリーズ・エンジェルズ - ***1/2 |
監督:マックG(Joseph McGinty Nichol)、脚本:ライアン=ロウ、ジョン=オーガスト
出演:キャメロン=ディアズ、ドリュー=バリモア、ルーシー=ルー、ビル=マーリー他
Official Sites:English、Japanese
2000年11月日米同時公開
ドカバキきゃぴの98分ミュージック・ビデオ。現在「ダンサー・イン・ザ・ダーク」にハマっている私は、こういった作品(実際私はこの作品を「映画」とは呼びませんが)を毛嫌いすると思う方もいるかもしれませんが、好きですよ〜。こういうのも(要するに節操がない?)
最新の技術、ガンガンのサウンドや音楽でごまかすのも、そこに「遊び心」があればそれも許されるってモノ。第一コレ、「007ギャルズ版」ですから。冒頭からもうバリバリそんな感じです。まずは劇場で観て、その後はパーティの定番ビデオというパターンでしょうか。
パーティその他のシーンでは、相変わらず日本を茶化したようなセット・衣装・音楽(ピチカート・ファイブや坂本九)が登場して、「何なんだ〜???」という部分もあるし、3人のエンジェルス達が銃を一切使わぬ代わりにカンフーで敵と戦う辺り、監督マックGのアジアびいきが如実に出ています。でも、それより何より彼の多用スローモーションなんかを見ていると、これはまるでもうジョン=ウー映画!!!(やたらの髪振り乱しはけっこう好きな私でしたが^_^;)こうして見るとこの映画、「アジアンテイスト」満載の007といった方がいいのかな?エンジェルスの一人、ルーシー・ルー(「アリーmyラヴ」のリン役)は最初、Affirmative Action(人種多用政策)的に出てきたのかと思ってましたが、そうじゃなかったんですね。大根役者だけど、なかなかかわゆかったです。
ご存知の通り、マックGはミュージック・ヴィデオ出身の映像派。演出のえの字もないって感じでしたが、それはさておき、もっとぶっとびの才能を持ってる人かと思っていました。その点期待が大きすぎただけに、映画ファンの間ではちょっとがっかりしたという意見が多いのにも頷けます。
とはいえ…、現在すでに第2弾の制作が進行中。また懲りずに次回も観ますよ。この作品、単に今の70年代ブームに乗っているというだけじゃなくて、料理の仕様によっては第2の007シリーズも夢じゃないんじゃないんでしょうか?
So… I know this is just a 90 min version of “A Music Video”, and a movie, “007” meets “Matrix”, which meets “MI2” as everybody say. I basically liked it, although I expected more ridiculousness, which I prefer in this kind of piece (I won’t call this a film).
Much more than other action films, whose director admires John Woo, you see a lot of “Asian Taste” in this film. Besides the weird Japanese stuff (Production Design, Costumes, and Music --- Picicato Five and Sukiyaki Song) as always, you see the Angels Kan-Fu fighting without any weapons through the whole story. I thought Lucy Lyu was chosen one of them with “an affirmative action” reason, but I guess I was wrong. Anyway, she was cute despite of her acting.
Well… the running time was so short, and there was no unexpected scene at all. But I hope the next one would be much better, and it’ll become a girl’s version of 007 sequels not only as a 70’s fab movie.
カル - ***1/2 |
監督:チャン・ユニョン 脚本:コ・スチャン他4名
Directed by:Yoon-Hyun Chang Written by:Su-Chang Kyong and other 3 people
出演:ハン=ソッキュ、シム=ウナ他
Staring:Suk-Kyu Han, Eun-ha Shim
Official Site (in Japanese):http://www.nifty.com/kal/
2000年11月全国劇場にてロードショー / Opened in Korea 1999, in Japan Nov 2000.
97年「接続 – コンタクト」でデビューを飾った期待の新人、チャン・ユニョン監督の第2作目。前作がメロドラマティックなラブストーリーだったのに対し、この作品のウリはハードコア・スリラー。ハードコアと言っても、お話全体には血なまぐさい雰囲気よりも都会の孤独や無機質感を感じました。
This is the second film of the director, Yoon-Hyun Chang, who previously directed “The Contact” (Cheob-Sok). Unlike to his first film, which was a melodramatic love story, the copy of this film is a hardcore thriller. However, my impression of this film was not a bloody and splatter mood but some isolation and inorganic atmosphere in a big city.
原題は「Tell Me Something」。今をときめくハン=ソッキュとシム=ウナのコンビが主演というのですから(このコンビは「八月のクリスマス」でも共演)、封切り時の興行成績が「シュリ」の記録を抜いたと言うのも頷けるでしょう。(香港でも大ヒットしたそうです)
ハン=ソッキュは、連続バラバラ殺人事件を追う刑事、シム=ウナの役は全ての被害者に関わる事件の鍵を握る重要参考人。このストイックな刑事とミステリアスな彼女の、付かず離れずの関係が酔わせます〜。
シム=ウナは同じく現在日本公開中の「美術館の隣の動物園」にも主演していますが、まるで別人のように演じているらしいです。とにかく「カル」の彼女は、美しいだけじゃなくて、都会の疎外感や悲壮感を鮮やかに表現しています。ハン=ソッキュはもちろんいいですよ〜(^_^)。個人的には「シュリ」の彼より、こっちの方が好きかも。
The leads were the 2 biggest stars in Korea, Suk-Kyu Han and Eun-ha Shim, who co-stared in “Christmas in August”. Thus, no wonder this film broke the box office record of “Shuri” for the opening week.
The role of Suk-Kyu Han is a cop who investigates a serial murder case. Eun-ha Shim’s is an important referral person who holds the key of the case. This “delicate” relationship of two, which almost gets together but barely get close is so intoxicated.
Eun-ha Shim is stared in “A zoo next to an art museum”, which is also shown in Japan right now, but I heard she looks totally different in this film. She, in this film, is not only beautiful and mysterious but also splendidly showing the loneliness and tragediennes in the city of Seoul. Needless to say, Suk-Kyu Han is brilliant as usual. I actually liked him in this film better than him in “Shuri”.
この1967年生まれのチャン監督は、大学在学中に「5月−夢の国」という光州事件を題材にした政治映画を製作したバリバリの運動系で、後に東欧革命直後のハンガリー留学。帰国後は商業映画を中心に映画製作を展開して、監督第一作目の「接続」では、大鐘賞(韓国のアカデミー賞)最優秀作品賞他多くの批評家賞を受賞。監督自身も新人監督賞を受賞しました。この映画は折からの恋愛映画ブームに乗って興行的にも大ヒットを飛ばしたそうです(私はまだ未見なのですが)。
まずこの監督の映画、安心して見られます。やっぱり映画作りをよく知っている人なんだなぁ、というか…。見た目はMTVっぽい映像も多いのですが、実は重厚な絵を撮っているという感じ。次回作が本当に楽しみな監督さんです。
The director Chan, who was born in 1967, produced in college a film called “Oh, my land of Dreams”, which was about the KwanJyu incident. He studied film in Hungary right after the Eastern Europe revolution. After he came back to Korea, he mostly produced commercial films and finally directed his first film, “The Contact”. It won for the best picture at the Korean Academy Award and many other critic awards. The director, Chan, himself also won for the best directing in many awards including the Korean Academy Awards. Moreover, it was a blockbuster film among young Koreans who favored love romance films at that time. (I unfortunately haven’t seen this film yet.)
First of all, there is no worry about to see this film in terms of directing. Apparently you can tell right away this director knows how to direct a film. You sometimes see MTV kind of images in this film, but it seems like he’s rather shooting more stable and skillful images. I’m really looking forward to his next film.
難を言えば、ラストのラストが「う〜ん」という感じだったんですけどね。このお話、2重・3重のツイストがあって終わるのですが、「そこで終わるなよ〜」というのが私の後味でした(^_^;)。でも、まぁ映画オタク系の人には必見の映画かも。ちなみにこの映画、今年の東京国際ファンタスティック映画祭やトロント映画祭でも上映されていました。
あ、それから日本版公式サイトのトップページはめちゃ凝ってます。必見ですよ〜。
Nevertheless, I have to say I didn’t like the end. There are a couple of twists in this film towards the end, but the way it ends was not so clever I thought. However, if you are a movie buff, you’ve got to see this film! It was also shown at Tokyo International Fantastic Film Festival this year.
The top page of the Japanese official homepage is cool. Check it out!
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監督:松江哲明 (日本映画学校卒業制作)現在BOX東中野にてロングラン上映中。
東京での上映は11月3日まで。その他各都市の上映スケジュールは公式サイトで。
”在日韓国・朝鮮人(以下在日コリアン)についてのドキュメンタリー”と聞いて、正直「またぁ?」と思ってしまった私。今回は日本滞在がとても短かったこともあり、何もわざわざ観に行かなくてもいいかなぁと思っていました。
在日コリアンの歴史や生活をテーマにした映画は、これまでにも数多く作られています。今ちょっと思い浮かぶだけでも「キューポラのある街」(浦山桐郎監督)に始まり、「潤の街」(金佑宣監督)、「異邦人の河」(李学仁監督)、「大阪ストーリー」(中田統一監督)、「渡り河」、「在日」などなど。また、93年の映画賞を総なめにした「月はどっちに出ている」(崔洋一監督)のタイトルは、皆さんも聞いたことがあるかもしれません。(この映画は、”在日モンダイ”初級編というワケではないのですけれど…。)
知人数人から「でもコレはけっこう面白かったよ」と聞いて、まぁ中野に用事もあったことだし、朝一番の上映に行ってきました。もう数ヵ月の上映を経ているというのに、朝イチの回で十数人のお客が…。ちょっと意外ではありました。
上映時間は52分。でも、内容はけっこう詰まっていました。う〜ん、確かに”面白い”ドキュメンタリーでしたね。最後まで飽させず、一気に見せます。この監督、20歳そこそこでこの作品を作ったのですが、見せ方なかなかウマイです。撮り方はもちろんアマチュアっぽいんですけどね。頭がいいというのかな、特にラストの人物紹介とか。(部分的には、頭よすぎて「やらせっぽい」ところまであるんですけれど^_^;)在日コリアン・モンダイの入門編として「ありのまま」の在日像に触れるには、いい作品かもしれません。
主人公(=松江監督自身)は、キムチの食べられない在日コリアン3世。 日本で生まれ、日本語でモノを考え、日本人と殆ど変わりのない人生を歩んできました。おじいさんのルーツ探しをキッカケにして、ある日突然「コリアンの血を引く」自分に目覚めます。 見所は、彼が今まで親しくしてきた友人に自分はコリアンであると告白するシーン、そしてあくまでも日本人感覚でイケイケの妹との会話。でも、彼だってやっぱり内側は「日本人」なんですよね。だからこそこのドキュメンタリー、最初から最後まで殆ど「日本人の視点」ですんなり観られるという利点もあります。
余談ですが今年はもう一本、在日コリアン監督による日本映画学校の卒業制作を、NYのジャパンソサエティで観ました。タイトルは”青:CHONG”(韓国語で青はチョンと読むのですが、おそらく差別語としてのコリアンの呼び名ともかけていると思います)」。これがまたいい出来でした。 ホント、ひいき眼なんかじゃないんですよ。こちらはドキュメンタリーではなくて、朝鮮高校野球部を話の中心としたフィクションなのですが、 この監督、そのまま十分長編映画の撮れる力を持った人だなと思いました。ちょっとビートたけしのマネっぽい部分もあって、その部分は気にもなりましたが、ちゃんと自分の個性も持っている人なので、すぐに自分らしい映画も撮れると思います。こう何というか、頭の裏に残るような映像を撮れる人なんです。しかも何気なく。この映画は54分でしかもフィクションなので、一般劇場にかかることはないかもしれませんが、近い将来、この李サンイル監督がひょこっと何かの長編映画を撮っていたりするかもしれません。ご注目下さい。
あ、ついつい長くなってしまいました。私がなぜここまで在日コリアン(だけでなく在日外国人一般)に詳しいか、また在日外国人全般についての基礎知識は、同じく今日アップした日米よもやま話の部屋「mookの在米”ガイジンはつらいよ”日記」を読んでみて下さい。
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監督:若松節朗/原作&脚本:真保裕一
出演:織田裕二、松島菜々子、佐藤浩一、吹越満、中村嘉葎雄、他
映画オタクの友人達から「がっかりした」という前評判を随分と聞いていたので、あまり期待はしていませんでしたが、う〜んやっぱりけっこうがっかりしてしまいました。もっといい映画になる要素は山程あったのにとても残念です。
一番の敗因は、監督さんでしょうか。TV畑出身の監督さんらしいですが、ことごとく”タイミング”はずしてましたね。あれは、編集さんの責任でもあるのかな?何だか妙に間延びしているシーンが沢山ありました。
織田裕二は全然ファンではないのですが、この役には適任だったと思います。でもキャラとしての深みが…。センチメンタルさを中途半端に入れ込むより、「日本のダイハード」ならダイハードらしく、もっとグイグイ押したキャラにしてくれればいいのにとも思いましたが…。多分原作の方ではもっと深みのあるキャラクターだったのでしょうね。
松嶋菜々子はわりと好きな女優さんなのですが、この作品ではただのお人形さんでしたね。もったいない。
佐藤浩一は、もともと好きな俳優さんではなかったのですが、ちょっと前に見たTVドラマ「リミット」で、むちゃくちゃいい演技を見せていたので期待していました。でも、この映画ではただのおマヌケだったなぁ…。残念。
前評判通り、いい演技を見せていたのが吹越満氏。「サムライ・フィクション」で見せたおマヌケさが微塵もなく、同じ俳優さんかと見まがう程の代わりようでした。(あれってゲイの役なんでしょうか?ちなみに…)ラストは情けなかったけど、まぁそれは俳優さんのせいじゃないですもんね。
話の内容としては、原作を読んでみないと何ともいえないのですが、おそらく原作で描かれていたキャラクター達の繊細さと、映画の目指していた(?)ダイハード的な部分が、中途半端に混ざりあっていて、「どっちかにしてよ〜」というのが、私の正直な感想です。
織田裕二も松嶋菜々子も、繊細なキャラのはずなのに平気で人殺してたし…。もうちょっと怒りのテンションを見せるとか、後で後悔するとか、何かがモノ足りなかった気がします。最初から豪快なキャラだとか、したたかなキャラだとかだったら、その辺どーでもよくなるんですけど…(^_^;)。中村嘉葎雄さんも本当はもっといい演技の出来る人なのに、やっぱりキャラクターが中途半端でしたね(もう、こればっかし^_^;)
最後に、ラストシーンを見ていてちょっと思い出したのですが、昔「南極物語」なんか観てえらく感動した覚えがあります。今観たら、ちゃっちいとか思ってしまうのでしょうか???あの時の荻野目慶子と渡瀬恒彦、最高でしたけど(高倉健の印象は殆ど残っていないのですが…)。もう少し前の大作と
しては、他に「復活の日」なんかもありましたね。また改めて観たらどんな風に思うのでしょうか…。
日本映画は金をかけても出来が悪いというのは口が裂けても言いたくないのですが、金の使い方を踏み外している映画が多いようなのは、ちょっと悲しいです。(もちろんハリウッド映画にだって、金を浪費しまくって出来上がった駄作は山程ありますけどね^_^;)。
今回は、原作が非常によく出来ていると評判の作品だっただけに残念度は大きかったです。(T_T)
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