<<九月に降る風 ***1/2>>
噂通り、久々に『クーリンチェ』的な青春映画を楽しみました。ただ、この作品が同じ高校生を扱ってはいるもののこれまでの台湾ニューウェーブと決定的に違うのは、主人公達の孤独のあり方なんですよね。 言うまでもなく、この映画一番の高得点ポイントは”群像劇の隙なきまとめ方”なのですが、彼らが学校や社会から疎外された存在というだけでなく、彼らの繋がりが深ければ深いほど、彼らの内側からこみ上げる互いの孤独感がより切ないものになるという・・・おそらく60〜70年代の日本映画には存在したであろう群像劇の中の孤独感がうまく描かれていた点にあるのだと思います。
デビュー作で実体験にもとづいた青春モノをやってしまうと次が難しいかと思いますが、監督の次回作に期待。・・・にしても、劇場で観た日たまたま助演の男の子が舞台挨拶に来てたのですが、アイドル映画としてもかなりオイシイ作品ではありましたね。
<<あんにょん由美香 ****>>
いや〜、期待以上のオモシロさでした。松江監督お得意の"探しモノ的"ストーリー展開もうまく流れてたし、今回のターゲット(?)である林由美香さん自身を含め、"昔の男たち(?)"も魅力全開。
また、(以下ネタバレ)最初はその展開に(?)だった 「東京の人妻:純子 幻のラストシーン撮影」も、なんだか観ているうちに涙が・・・ソレっておそらく松江監督の視線のやさしさが出ていた気がして・・・
そうそう。今作はいちいち挿入音楽もよかったなぁ。なんか、ウマい音楽じゃなくて、ヘンな音楽がウマく入ってたんですよね。編集のテンポもよかったし、作品の出来としてはかなりポイント高いんじゃないかな〜と思います。林由美香さんの作品もちゃんと観てみたいねっ。
旅行中に観た映画
『Citizen Julie(タイ語 w/英語字幕』『FAN KAO(タイ語 w/英語字幕』『消されたヘッドライン(機内にて)』『My Life in Ruins(機内にて)』『Brooklyn Finest(@ヴェネツィア映画祭』『TEHRAN(@ヴェネツィア映画祭)』『The Grand Dream(@ヴェネツィア映画祭)』『Seoul Kitchen(@ヴェネツィア映画祭)』『女たち(@ヴェネツィア映画祭)』『The Judge(@ヴェネツィア映画祭)』『Broken Emraces(スペイン語 w/クロアチア語字幕)』『bruno(英語・独語 w/クロアチア語字幕』『ナイト・ミュージアム2(機内にて)』『あなたは私のムコになる(機内にて)』『そんな彼なら捨てちゃえば?(機内にて。最初の40分のみ)』
<<カケラ **1/2>>
不思議な感じのする映画でした。後で桜沢エリカの原作と聞いて納得。監督と主演2人が全て20代という最近ありそうでなかった感性が光る一作。それでいて、スタッフにベテランが多いせいか全体的には割と安定感というか手堅さを感じる作品でもありました。『愛のむきだし』でも存在感が光ってた満島ひかりは今後も楽しみなファムファタルですね〜。
<<PASSION ****>>
去年のFILMEXから話題になってるこれまた大型新人の作品。ん〜たった5人の群像劇だけでそこまでやるか〜。どこにでもありそうな男女の恋愛模様を描ききった脚本力もスゴいし、途中の(ある意味もの凄く浮いてた)"暴力の連鎖"についての一大講義(?)も、監督の若さというか普段の誠実さ(潔癖さ?)をよくあらわしてて、いい個性になってると思いました。
<<レイチェルの結婚 **>>
ジョナサン・デミひさびさの新作&アン・ハサウェイのオスカーノミネートにひかれて観ましたが、フツーの映画だったなぁ…。もぅこんなストーリー何十回も映画化されてるじゃない〜。スジ読めすぎ。
<<サマー・ウォーズ ****>>
『時をかける少女』から、もう3年経っちゃってるんですね〜。同監督期待待望のメジャー第2作目。その口コミは今年のはじめ辺りからチラホラ耳にしてはいましたが、予想以上のパワーアップに満足満足。私が改めて書くまでもないですが、田舎の大家族vs.最先端のサイバーワールドという二極世界を見事に描いていました。
観終わった後、一番気になったのが細田監督の年齢。そしたら、そっか〜
今年42歳というアラフォー世代でありました。おそらく(自分を含めた)アラフォー世代というのは、いわゆるアナログ大家族時代を
小さい頃肌で体感出来た最後の世代であり、まだサイバーワールドに拒否反応が起こる前のギリギリの世代という非常に恵まれた世代なんですよね。その世代の有利性が最大限に生かされていた作品だと思います。(今考えると『時かけ』も、新と旧の二つの世代がうまく融合した彼の世代ならではの作品だったと思いますが…)
その定評ある演出は、前作以上にアニメファンという枠を超えた幅広い観客を魅了したと思います。敵が少しずつ手ごわくなっていく過程はある意味ハリウッド映画のお約束だし(私的にはそこはちょっと崩して欲しかったけど)、ユーモアのセンスもわりと普通(?)、まぁそこがウケたのでしょうけれど。
(以下ネタばれ)けど物語の核であるおばあちゃんが、割と早い段階で亡くなってしまいますます存在感を増すというのある意味新しいかも。そにへんのキッパリとした残酷さ(?)は、かえってすがすがしかったくらい。あとは、『時かけ』でも少し物足りなかったロマンスの部分を膨らませてくれたらね〜(^^)
<<南極料理人 ***>>
『時かけ』以来、久々にテアトル新宿のおざぶとんに座って観ました。自分も含めてだけど、今ささくれ立った人々のココロが求めているのは、こ〜ゆ〜のほほんさなのでしょうね〜。まさに『かもめ食堂』男子版。堺雅人と言う、ある意味フェミニンな配役も功を奏したのだと思います。欧米のグルメ映画とは一線を画した、まさに企画勝ちの作品でした。逆に言うと、ギャグ(?)のセンスが立ち過ぎて、あまり深みを感じられなかったけど…(^_^;)
<<未来の食卓 NOS ENFANTS NOUS ACCUSERONT ****>>
フランスの田舎町だけの話かと思ってたら、内容の半分は全世界の食事情の話だったので意外でした。
食べ物にまつわるあらゆる事象を数値で説明しているあたり、『いのちの食べかた』の対極にある作品とも言えます。普段高いな〜と思って敬遠しているオーガニック食品と安さ極まりないスーパーマーケット野菜の価格に対するカラクリだとか(後者には多大なる補助金がかけられている)、日々の無駄から無駄への負の連鎖の構図など、実は一つヒモをひっぱれば全てのモンダイ(環境・貧困・紛争・格差社会など)は一つの"グローバル独占企業"というところへ繋がっていることが見えて来ます。
つまり、オーガニックを選ぶか否かというのは、一人一人の健康を守るというレベルに留まらず、全地球のあらゆるモンダイに繋がっているんですね〜。見終わった後、夕飯に何を食べるべきかめちゃくちゃ悩んじゃいました(^^;)。
Unexpectedly, it was not just about a small villedge in France. It's a kind of antithetical to the film, "Our Daily Bread," which has no explanations about foods, says all about foods with proven numbers. Those issues like why organic foods are so expensive or, on the other hand, why vegitables in supermakets are so cheap, are all connected to one issue, "global (humanges) companies." Cheap veggies are, in fact, supported by govermental aids. Actually, the routines of waste to waste are all strung by those global companies into Environment, Poverty, Wars, and gap society. Therefore, chose organic does not only helping a person's health but also helping all issues on the earth. I got confused what to eat right after I saw this film.
<<サンシャイン・クリーニング Sunshine Cleaning **>>
ん〜〜〜、まぁよく出来てはいるんだけどね。どうしても、『リトル・ミス・サンシャイン』と比べちゃうのね。やっぱ次回作ってツライわ〜。主人公2人共好きな女優さんなんですが・・・
<<ニセ札 Fake Bill*>>
私的には、まるでダメだったな〜。せっかくいい役者、芸人、新人が揃っていたのにね〜。実話というところにけっこ〜縛られてた気がします。
<<フロストxニクソン Frost vs. Nixson**>>
いつもながら、そつない出来のロン・ハワード監督作品。けど"世紀の対決"にしては、2人の役者としての迫力が物足りなかったなぁ〜。
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