Just Watched 58

*** Just Watched 58 - 最近観た映画　５８ ***

評価の満点は５つ星です。 .
.

「私がクマにキレた理由」など

　＜＜私がクマにキレた理由 ****1/2＞＞　　

うぉ～、今のところ今年観た洋画の中でNo.1です～～～。

私の場合、ＮＹが舞台でその内容が真にせまってるってだけで点数の付け方が１００倍甘くなっちゃうってのもあるのですが（＆監督夫妻がガッコの先輩ってのも大きいですし）、実際この作品に感嘆したのはその映像化のマジック。

実はこの作品の脚本を２年ほど前に読んでいました。わぉををを～、私なんかの想像力を遥かに超えていたのですっ。その時点ですでにスカーレット・ヨハンソンとローラ・リニーのキャスティングは決まっていたので、その二人の演技を頭に描きながら読んでいたのですが、すんごいな～。その演出力というモノをまざまざと見せつけられてしまいました。

デビュー作『アメリカン・スプレンダー』で、彼らが書く脚本、特に台詞の素晴らしさは実証済みでしたが、今回はさらに光っていたような。ナニーの生態を文化人類学に置き換えるのって、原作にもあったのでしょうか？私が読んだ脚本（撮影前のバージョン）では、自然史博物館のシーンが就職面接の前に来てたのですが、逆で大正解ですね～。う～～～ん、この夫妻の次回作、ますますますます楽しみでっす～～～。

　＜＜雲南の花嫁 ***＞＞　

噂通り、主演女優の魅力全開の作品ですね～。裏を返せばそれ以外にあまり魅力のない映画なのですが、もぉそれだけで十分とすら思わせるくらいのチャームさでした。これまでの中国映画にはなかったキャラですね（・・・ってゆうか、雲南の人々にとって彼女のキャラってど～なの？）。それにしても、衣装がどれも素敵でした。色なんか特にキレいで欲しいくらい～。

　＜＜アキレスと亀 ***＞＞　

フツーの映画としてよく出来るなぁとは思ったのですが、ラストのオチがいまひとつ。アートってのは主観的なモノだって（ギャラリストに翻弄される主人公を描いて）言いたいことは分かるけど、それが先に立っちゃってたのかな～？

　＜＜容疑者者Ｘの献身 **＞＞　

思ってた程テレビ的じゃなかったけど、なんか盛り上がりにかけたな～～～。ＴＶシリーズの主人公二人の絡みけっこう好きだったのに、劇場版では特に柴崎コウの方、ただの将棋のコマだったし。ラストはけっこう白けてしまいました。堤真一と松雪泰子はがんばってたのにね～～～(^_^;)。

　＜＜おくりびと ***＞＞　

もぉ～ほんとズルい映画です。泣くのがお約束みたいな映画だもんな～。ま、よく出来てるんだろうけど、私にはいちいちイラっと来てしまいました。やっぱ根本的に滝田監督＆山崎努の映画って受け付けないみたいです、私。余貴美子だけはよかったけどさ～。

　＜＜真木栗ノ穴 ***＞＞　

西島秀俊すんげ～ってだけ（？）の映画ですね～。前半はオモシロいけどオチもいまひとつだったし・・・。に、しても彼の魅力全開だったので、観て損した気分には全くならなかったです(^_^;)。

　＜＜half-life ****＞＞　

今回この作品を東京国際映画祭のコンペに選んだＹさんが「好き嫌いが分かれる映画だと思うよ」って言ってたけど、まさにその通りの映画。

私の場合、涙が出ちゃうくらいすんごく好きだったのですが、理由はむしろないんです。例えば、この映画に語ろうとすると「映像が斬新」だとか「役者がイイ」とか「風景が美しい」なんて言葉にすると恥ずかしいものばかり。また、映画祭のＱ＆Ａに登場した監督の受け答えからも分かる通り、監督自身の賢さはこの作品にも存分に表されているのですが、実際、私にとってこの作品に魅かれる部分はそんなところでは全くないんですよね。むしろもっと感覚的な部分・・・言い換えれば、映画にとって一番大切な部分が、この作品にはあったような気がします（なんとも抽象的ですんまそん～）

　＜＜東南角部屋隣の女 **＞＞　

↓の『パーク＆ラブホテル』と全く同じポジション的な作品で、期待が大きすぎただけに「かなり良く出来てる映画」なのに、カンドーが少なかったな～。まずキャスト豪華過ぎ。特に香川京子、すごすぎです。コレだけでもぉ、映画は成立しとります。ハイ。

　＜＜1978年、冬 *＞＞　

うわ、観て数週間経ったらあらすじをすっかり忘れてしまいました(^_^;)。え～、弟と兄と、兄の恋人と、コワい母親がいて・・・。素朴な風景とイマに通じるイジメがあって・・・。決して悪い作品ぢゃないけど、なんて"forgetable"な映画なんでしょ。

　＜＜トウキョウソナタ ****1/2＞＞　

いや～、イイっす。これこそ"映画を観てる"という実感を沸かせてくれる映画の中の映画（近頃、ほんと少ない）。こ～ゆ～作品に出会っちゃうと、もぉ、「役者がイイ」とか「映像がどうの」とか論じるのがバカバカしくなっちゃいます。"映画は感じるもの"。この一言に尽きます。別人の書いた脚本でも、ホントに黒沢監督は職人技を見せてくれますね。・・・にしても、あの井の頭線沿いの家、何処にあるんだろ～～～？

　＜＜コドモのコドモ **＞＞　

残念ながら全然ダメでした。（以下、ちょっとネタバレ）第一、出産日まで家族とくに母親が気が付かないなんてあり得ない！！！クラス内での人間模様もとって付けた感じだし、主人公の少女の性格がまるでトンチンカン（死語？）で・・・(^_^;)

　＜＜マンデラの名もなき看守 ***＞＞　

あ～、コレもズルい映画ですわ～。めちゃくちゃオーソドックスな作品なんだけど、その内容だけで泣けるもんな～。なんてったって実話だし、個人的には青春まっただ中の時期、ＡＮＣのサポートをしていた自分としては感慨もひとしおです（泣）。

　＜＜パーク＆ラブホテル ***1/2＞＞　

さすが、よく出来てるな～とは思いましたが、いま一つインパクトに欠けたかな～（ちょっと期待大きすぎた(^_^;)。オムニバスとゆ～構成についても、３話目になるとちょっと興ざめ。う～ん、この手の作品はハードルがどうしても高くなってしまいますね。何よりも一番気になったのはロケに使われたホテルが何処なのかってコト。

　＜＜パコと魔法の絵本 ***＞＞　

ズルい映画だな～と思いました。『下妻物語』『嫌われ松子』が大好きな私ですが、この映画の本当の良さは中島監督のビジュアルにあるのではなく、原作の舞台なのだとこの映画を観ながら終始考えていました。う～、後藤ひろひと　という人物を知らなかった自分がはじかし～～～(>_<)

「ヨコヅナ・マドンナ」「ボーダータウン」など

.

＜＜ヨコヅナ・マドンナ　***1/2＞＞
なんちゅ～邦題？と思っていましたが、本編を最後まで観るとその意味が分かります(^_^;)。実際、原作は日本の同名マンガ。そして、ハイ。噂通り、本当に将来有望な新人監督の才能を見させて頂きました。韓国もまだまだ次から次へと新しい才能が出て来ますね～。ビジュアル・サウンド・そして笑いのセンス。正直好みのタイプではないけれど、次回作が非常に楽しみです。
そして、あの主演の男の子。スゴい、スゴすぎる。ラストなんかほんとにチャーミングに見えてしまうから不思議です。ハングルの台詞を見事に駆使した草彅剛も圧巻（演技はなかり下手だったけど・・・）。ひっそりとしか上映されなかったのが残念です(T_T)

＜＜おいしいコーヒーの真実　***＞＞
内容は観る前から大体予想はついていたのですが、エチオピアの飢餓とコーヒー業者の搾取があんなに直接的に結びついているとは思いませんでした。お恵み的に食糧を供給するより、ビジネスの構造自体を見直さない限り、この悪循環はいつまでも終わりません。市場資本経済という大きな枠組みの中で、"グローバル"という言葉の意味が改めて問われます。

＜＜イントゥ・ザ・ワイルド　***＞＞
実はこの映画の脚本をまだ撮影が行われていない２年前に読んだのですが、このお話について正直ネガティブにしか捕らえられませんでした（上北沢のカフェで読み終わった時の落ち込み様ってば、今でも覚えてます）。まぁ、結末が結末だし、それをよくココまでさわやかな映画に仕上げたモンだな～と感心。けど、やっぱ何か私ショーン・ペンってダメだわ・・・(^_^;)。才能はあるんだと思いますが、生理的に受け付けられないのです。あは。

＜＜天安門、恋人たち　***＞＞
苦し紛れとゆ～か、何とゆ～か、よく付けましたね。この邦題。友達に言われるまで、コレがロウ・イエの『サマー・ガーデン』だとは思いませんでしたよ。ま、話に聞いていた通り、エッチシーンのオンパレード。けど、なんか生理的にしっくり来ました、私の場合。『ラスト、コーション』のよ～な芸術的セックスより、自分はこのいわれのない魔物のよ～なセックスの方が現実味を感じるみたい。ただ、なぜコレがロウ・イエの映画なのか、とふと気が付くと不思議な気もしますが・・・

＜＜幻影師アイゼンハイム　***1/2＞＞
コレも、↑『ヨコヅナ・・・』と同じく、タイトルだけ聞くと引いてしまいますが（なんか最近のシャンテ公開作品って、ほんとに邦題がヤバいと思う）、最後まで作品を観ると納得なんですよね。いや、久々に映画のカタルシスに浸りました。この監督、ある種のエンタメ的な魅せ方を知ってる人だな～と思いました。非常にオーソドックスだけど最近観ないですよね、この手の映画。エドワード・ノートンの魅力も久々に全開でした。

＜＜スウェディッシュ・ラヴストーリー　***＞＞
コレは逆に邦題の付け方うまいです。『愛おしき隣人』や『散歩する惑星』と、この監督の作品をすでに観た私などは別段驚くところもないですが、いきなり謳い文句の「小さな恋の物語」を期待して行くと面喰らうかも。・・・にしても、さすがはススんでるスウェーデン。私が高校やら大学で経験したことを、二人は小学校高学年くらいでやってのけてる～(^_^;)。

＜＜この自由な世界で　****＞＞
ケン・ローチの映画は１００％全部観たわけではないですが、これまで観た中では『スゥイート・シックスティーン』に続いて２番目に好きです。この監督、テーマはいっつも同じなんだけど、毎回毎回映画としてしっかりした作りをしてますね。特にラストの皮肉さが、いわゆる見下ろす側からの"偽善"というシートを一瞬にしてひっ剥がしてしまいます。

＜＜落下の王国　**1/2＞＞
ヒドい出来だというのは、観る前から散々聞いたのでいいんです。タダ映像が見られればい～んです。それと、Ｊ・マカボイ似のおに～ちゃんが堪能出来れば。一緒に観に行った友達も、私と同じくこの2点が目的だったので、互いに十分満足しました。けど、予告編であまりにハイライトを見せられちゃってるので、期待が大きいと失望するかも(^_^;)。

＜＜いまここにある風景　***＞＞
いわゆる告発型ドキュメンタリーの１作です。冒頭の工場シーンは圧巻。中盤の三峡ダムについても、私はほとんど前知識がなかったので、非常に興味深かったです。まぁ、映画としては物足りない気がしますが、海外の番組を殆ど観られないここ日本では、こうしてドキュメンタリー映画を観るしかないですもんね。

＜＜闇の子供たち　***1/2＞＞
梁石日原作、阪本順治監督とゆ～ことで、ずっと前から観たかったのですが、いや～こんなラストだとは・・・。それよりも驚いたのは、劇場が若い女性達で溢れていたということ。シネマライズで始まった時、客が満杯で大変だという話は聞いていましたが、平日満席の有楽町スバル座なんて初めてです。いや～、皆どこにそんなに魅かれたのかしらん。正直、妻夫木聡や宮崎あおいのキャラは全く魅力的じゃなかったし（おそらく原作ではもっとよかったのでせう）、ラストの銃撃シーンとか阪本監督らしからぬちゃちさで苦笑すら禁じ得なかったのですが。ただ、映画全体に流れるあの"耐えられない重さ"がいつまでも心に残りました。

＜＜SEX & THE CITY　**＞＞
ＮＹに住んでいた頃、ＴＶシリーズをリアルタイムに観ていたので、ＴＶの延長～と軽く観られました。やっぱそれ以下ではなかったけど、それ以上でもなかったな～。映画の出来がど～こ～とゆ～より大好きな4人を大スクリーンで。感覚的には月９ドラマを映画館で観るのとなんら変わらないのだと思います。ファンにとっちゃ、それに１０００円払うのは別に損ではないのよね～～～(^_^;)。

＜＜ボーダータウン　***1/2＞＞
ジェネロペとバンデラスのペアで舞台がメキシコと来れば、なんか軽い感じの映画なんだろ～な～と思い、軽～く見てみたのですが、いやはや重い映画でした。ストーリー的に言ってしまえば、いまだ未解決の"女工哀史殺人事件"の真相に迫ろうとする二人のジャーナリストのお話なのですが、話の根底にアメリカ（先進国）とメキシコ（第三世界）の決定的な格差というこれまで描かれて来たようなテーマだけでなく、ＮＡＦＴＡ（北米貿易協定）南部への拡大化にまでにまで及ぶと俄然話が新しく、そして深くなってゆくのです。そこにまで突っ込もうとした作品はまだまだ貴重なんじゃないでしょ～か。
また、この映画を公開前監督来日の際に観たのですが、監督の熱い～話も然る事ながら監督のパートナーでもあるプロデューサーが実際この地域の工場で潜入取材したというのですから、もぉハンパじゃありません。そ～ゆ～意味では軽そ～な（完全なる偏見ですが）二人が主役の実に鬼気迫る作品です。

＜＜ＴＯＫＹＯ！　***＞＞
いや～、改めて"TOKYO"とゆ～化け物はヒトそれぞれに全く違うモノなんだな～と思ってしまいました。私にとっては、生まれ育った街なので、この３人のカントク達が観る東京はまるで違う別モノだし、それはそれでい～んです。このえ～がは、"東京とは何ぞや"というのを観るものでは全くなく、ただキョーレツな個性を持った３人のカントクのオムニバス映画でございます。ま、言うまでもなく、やっぱ私はポン・ジュノが大好きです～～～。っつ～かこの話、舞台全然東京じゃなくてい～しね～～～。ミッシェル・ゴンドリーのは最後の数分間を除きまるでフツーの日本映画みたいでそれはそれでビックリしたし、レオス・カラックスのは怖かった～（特に歩道橋のシーン）、ラストのクレジットにあった次はＮＹ編が観てみたいでっす！！！

＜＜百万円と苦虫女　***1/2＞＞
私的には『赤い文化住宅の花子』があまりにもキョーレツだったので、まるっきりがっかりでした。なんか・・・フツーなんだもん。ちょっと変わってはいるかもしれないけど、あくまでも"予定調和の枠"からははみ出していなくて、ある意味安心して観られる。だから、イマの若い世代には心地よいのでしょうね。枠の中のはみだしなんて、ホントのはみだしぢゃないよぉぉぉ～。

＜＜崖の下のポニョ　***1/2＞＞
あまりにも"ツッコミどころ満載"の映画なので、笑えました。まず、金魚が塩水の海にいるわけないから始まり、水道水に入れたら死ぬだろ～、と以下止まる間もなく。後半の不条理世界は、「水没以後、全ての村人が黄泉の世界へ行った」という説を取れば納得もいきます。う～ん、何度も観れば味の出る作品なんでしょうけれど。