評価の満点は5つ星です。
May 10, 03, バウスシアターにて
コレもや〜っと観ましたよぉぉぉ。けど、待っただけのことはあります。やっぱ良かった。とにかく、面白おかしく作ってあるドキュメンタリーだとゆ〜のは散々聞いていたので、その部分のインパクトは薄かったものの、彼の大胆でそれでいて真摯な人柄にはやっぱり心打たれてしまいました。う〜ん、それでも“アメリカの見えない良心”は存在するのだと信じたいですね。
単なる銃社会へのアンチテーゼとブッシュ批判の映画だと思っていたら、人種差別社会の歴史だとか、引いてはマスコミの煽り出す一般社会への恐怖心あたりがきっちりと描かれていて感心感心。あと、湖一つ隔てたカナダとアメリカの防犯意識の違い、この辺りは面白かったし、ラストのKマートへ出かけていったくだりは、人間何でもやってみるもんだとゆ〜希望を与えてくれます。で、「だから、僕も出来ることを」とチャールス・へストンのところまで出かけていくマイケル・ムーア、これからも“元気で”がんばって欲しいな〜と思います。
May 17, 03, シネ・アミューズにて
う〜ん、ちょっと期待が大きすぎたかも。決して悪い作品ではないと思うけど、最初から市川実日子モスクワ映画祭主演女優賞という“目”で観に行ったので、「そうかな〜???」という感じ。多分、全然期待しないで観に行ったらすごく新鮮だったんでしょうけどね。小西真奈美に関しては、かわい〜んだけど、この役柄無理してるよな〜って感じで…。一緒に観に行ったコは原作を読んでいたのですが、そんなにオリジナルの役とかけ離れてるわけでもないと言ってましたけどね。
それにしても、この映画はやっぱ90分くらいに抑えて欲しかった。前半良かったのに後半少しダレちゃった感じ。私的にはもっと透明感のある映画だと思いきや、ちょっとベタベタリアルな感もあったので、男性監督の作品としては意外でした(ある意味、女性監督の方が現実離れしたフワフワした作品を撮り易いのかもしれないけれど…(^_^;)。あと、音楽は良かったですね。サントラ持ってる人に借りよ〜っと。
May 18, 03, 下高井戸シネマにて
いや〜、コレってばマジで“人生で観た映画のベスト10”に入ってしまう作品ですね。その緻密さ、そのユーモア、そしてその悲哀。まさに、人生のペーソスが全て詰まっている至宝の作品です。
この作品、リアルタイムの公開では中学か高校生だったかなぁ?モーツアルト好きの母親と観に行ったのですが、とにかく印象に残っていたのはその圧倒的な音と映像。今回気が付いた様なユーモアや愛憎乱れる(?)人間関係なんかは、当時全く理解出来ていなかったと思います。コレはほんっとに“人生のひだ”が深くなればなる程味の出る作品なのですよね。う〜ん、ラスト二人のコラボレーションなんかもう泣かされちゃいましたっっっ!確か当時のCMキャッチは“モーツアルトは本当に殺されたのか?”とか何とかで、まるでサスペンスか恐怖映画みたいにして売り出してましたけど、ソレはひどいぢゃないですかぁぁぁ。サリエリほどモーツアルトを愛した人はいないのにぃぃぃっっっっっ!
あと、今回気が付いたのは役者のうまさ。オスカーを獲得したサリエリ役のM.エイブラハムは勿論良かったけど、モーツアルトとその妻役も良かったじゃないですか〜〜〜。ど〜して3人共、この作品の後TVの2時間ドラマくらいにしか出てなかったのかな?????
それにしても、あと20年したらまたゆっくりと観たい作品ですね。それも絶対ビデオ(やDVD)じゃなくって劇場でね〜〜〜〜。
May 24, 03, シネマ下北沢にて
早くもシリーズ3作目の刑事(でか)シリーズ。クオリティ的には今回のが一番高かったんじゃないですか???前回、前々回はやっぱりお遊び色が強かったので、あまり気合も入っていませんでしたが、今回はやっぱ一旗上げよ〜という新人の監督の作品が光っていました。
私的(アンド、一緒に観た友人の)ベストは『行列の出来る刑事』。発想もいいし、作りも丁寧。役者も良かったし、スローモーションなどの映像にもセンスが感じられました。それに何より話が一番まとまっていた様な。
その次が、『刑事天国』。ま、いくら時間が余っているからとはいえ、子供刑事は余計だったけれど。山下敦弘監督の『汁刑事』も良かった。さすが期待の新星ですね〜。前半だけ良かったのが『実録DV刑事』と『サンフランシスコ刑事』(持永vs.町山とゆ〜TVブロスライター対決でござりました)、最初の3〜4分までは良かったんですけどね〜。藤田秀幸監督『刑事の門』はかわゆかったし、『続・名探偵刑事』もよくまとまっていたと思います。第1シリーズのノリで内輪ウケに走ってしまっていたのが『ウルトラマソ刑事』と『実録 キティ刑事』。熊切監督の『アカン刑事』と森達也監督の『アングラ刑事』はちょっと期待が大きすぎたかも鴨。
…で、同時公開ですでに第4シリーズまでが完成しているのですが、さすがにコレで打ち止めでしょうかね〜?いつまで続く、刑事(でか)フィーバー???
May 24, 03, 渋谷パンテオンにて
ひゃっほぉ〜〜〜ぅ。とにかく笑わせてもらいましたぁ〜〜〜。いや〜、なんか予告編がえらくシリアスで良く出来てるので、なんかマジメでクライ作品に出来上がっているのかと思っていたら、全くのお笑いなのね〜〜〜(^_^;)。
今回は3部作の中間作とゆ〜ことで、エッチ&アクションシーンとゆ〜ただただひたすらサービス精神だけで引っ張ってくれました。内容がないっっっっ!で、とにかく笑わせてくれたのが、“スーパーマンやってる”ネオ君でした。なんかも〜、マトリックスぢゃないよね、アレ。最初はお遊びアイデアで思いついたのかもしれないけれど、ちょっと〜アレはやりすぎだったかも鴨。(CG合成でない、生のネオ君を探せ!ってゆ〜のもご一興(^_^;)
で、最後のアレってネタバレ→心臓マッサージだったんですかぁ???上映見終わった後、一緒に観た友達に聞いたんだけど、ソレってなんか妙にヒワイだと思っているのは私だけでしょ〜か〜???
ま、シリーズ最終作はなんだか超暗くなりそ〜ですが、今度は少し内容がありそ〜な。でも私の場合、おバカな2作目の方が好きそうな気がする…(^_^;)。
Mar 29, 03 シネマ下北沢にて
今年1月に公開され、大反響を呼んだオムニバス映画『刑事(でか)まつり』の第2弾。今回も、是枝裕和・塩田明彦監督など国際映画祭では日本映画界を代表する第一線の監督達が参加。主人公を女刑事に設定しての競作となりました。いや〜、正直期待していなかったので意外と面白かったです。女性監督の作品群とか、レベルは別としてけっこうかわゆかったし。一番好きだったのは、本田隆一監督の『背徳美汁刑事』でせうか。別に何のことはないストーリーなんですけど、なんかパワーあったなぁ。遠藤憲一サンの前髪たらしが見られただけでも十分楽しめたし…。それにしても、ラストの塩田時敏さんは一体…???後は他の人たちにも一番人気だった『アトピー刑事』。あの女刑事よりも、翻弄される男刑事の方に私はぐっときたなぁ…。
さて、次なる刑事まつりも豪華絢爛の監督陣。『どんてん生活』&『ばかのハコ船』で絶好調の山下敦弘監督や、秋に新作『アンテナ』の控える『空の穴』の熊切和嘉監督、『A』『A2』の森達也監督、活弁でお馴染み山田広野監督、でんきまむし等でお馴染み藤田秀幸監督、俳優としても活躍中の佐藤佐吉監督などなど…。もう今から楽しみなラインアップですね〜〜〜。
Mar 30, 03 下高井戸シネマにて
ま〜、こんなモンでせう。期待していた通りの映画でした。ただし、ラストの終わり方は思っていたよりも好き。コレって、原作がこ〜ゆ〜終わり方しているんでしょうね。それにしても会社の同僚のヒトが言っていた通り、この映画ってばロリコン映画なんだよな〜。やっぱあの下着姿はやばいでしょ〜〜〜(^_^;)。
Apr 05, 03 下高井戸シネマにて
昨年のカンヌ映画祭で新人賞を受賞した作品。いや〜、それにしても、イランとゆ〜国はど〜してこ〜も映画の質が高いのでせうね。コレで新人の映画???それに、素人…特に子供を使うのがとにかくウマイ。コレって第二次大戦すぐ後のイタリアン・リアリズムに似たところもあるのでせうか?
とにかく落ち着いた映画作りにつくづく感心させられる映画でした。なんでも、全編クルド語で撮られた初めての映画なのだとか。ゴバティ監督、これからますます注目の監督サンですね。
Apr 19, 03 下高井戸シネマにて
や〜っと観られましたよ〜〜〜。けどま、往年の大女優を一同に観られるとゆ〜だけで、それ以上のモノではなかったです。『ピアニスト』のイザベル=ユペールはただのギャグキャラに終始してしまっていたけれど、最後近くのカトリーヌ=ドヌーヴ&ファニー=アルダンの対決は良かった。フランソワ=オゾンとゆ〜ヒトは不思議とオバサンの魅力を引き出すのがウマイのですね(^_^;)。つくづくフランス映画とゆ〜のは、最初に女優ありきなんだなぁぁぁ。
Apr 20, 03 下高井戸シネマにて
地元世田谷&杉並区の住民と地元大学の映研が主催したドキュメンタリー・ウィークのラストを飾るこの上映。いや〜、本橋監督が来たせいもあり、とにかく大盛況!!!立ち見立ち見でお客さんのごった返した上映会でした。
映画の内容ですが、チェルノブイリ原発事故後、アレクセイというたった一人の若者を残し、他の若者が全員立ち去ってしまったという村の四季の物語。どんなに政治的な映画かと思っていたのですが、原発については殆ど全く触れずに、時にはユーモアを交えながら、村の人々の生活を淡々と描いていくのです。映像も美しいし、こ〜ゆ〜言い方は月並みですが、人々のやさしさがしんみりと伝わってくる作品です。是非、劇場で大勢の人々と一緒に観て下さいね。
May 04, 03 下高井戸シネマにて
ふぅ、やっと劇場で観ましたよ〜。ちょっと待ちすぎたかな〜〜〜。いやはや、中年以上の日本人が観るとホンっとに身につまされる映画ですね(^_^;)。特に全編でこれでもか〜と語られる“貧しさ”と“つつましさ”。この辺り、ベルリン映画祭ではどのよ〜に受け止められたのか、今度じっくりネット記事でも読んでみよ〜と思います。
基本的なストーリーはごく単純なモノですが、さすがにその映画作りには堂々たるモノがあったし(山田監督は時代劇初挑戦とゆ〜コトで、殺陣のシーンはかなりいまイチでしたが…)、それと同時に役者達の細やかな物腰が決まっていましたね〜〜〜。主演の3人(真田広之、宮沢りえ、田中泯)は迫真の演技とゆ〜よりも、自然とこの役に溶け込んでいたような気がします。いやはや、些細な部分よりも映画全体に重みのある作品でした。
May 04, 03 せいせきシネサイトにて
う〜ん、コレも待ちすぎたかな〜〜〜。私の周りでは、とにかく第一作目よりも数段いいっ!との評判で、超期待し過ぎていたみたい。なんてったって私の友達、もう3回も観て原作本も読みまくっていたりとか…。多分原作はめっちゃ面白いんでしょうけれど、純粋に映画だけを観ている私としては、ど〜も全てのコトの運びが“予定調和的”に観えてしまいました。3作目があるってコトで主要キャラが死なないコトは分かってるしね。ま、それでも3時間を飽きさせずに見せるとゆ〜のは、。やっぱりスゴイ。私のフェイバリット・キャラはあいも変わらずアラゴルンでっす(^_^;)。
それにしても、『ハリー・ポッター』のドビーと『ロード』のゴラム、ハグリットとギムリ、ロンとサムの3キャラをいつも混同してしまうのは私だけでせうか?もっとも『ハリー』の方が半世紀以上も後に書かれているので、『ロード』の影響を強く受けているということなんでしょうけれど…。
「処女」 ****1/2 |
衝撃の『ロマンスX』から、早4年。一昨年のカンヌ映画祭で話題になったこの作品がついに日本でも公開されました。いや〜、アメリカでは結構評判良かったんでね。観て納得。前作に比べてなんと分かり易い〜〜〜???カトリーヌ=ブレイヤ監督と言えば“かたくな”とゆ〜イメージがつきまとっていたのですが、今回の作品はかなり“フツーの女の子”にも共感出来る部分は多々あると思います。いや、会話がもぉ、リアル・リアル(^_^;)。
まず、主演女の子二人がい〜〜〜のね。英題が“Fat Girl”だったので、てっきり妹の方だけが主役だと思っていたら、姉妹それぞれが主役なんですね。いや〜、お姉さんの方かわゆすぎ〜〜〜。相手のイタリア男もいい味出してるわ〜。でもって妹もぉ最高。
噂に聞いてた衝撃のラストには皮肉たっぷり!!!いや〜“コレが人生とゆ〜モノか”…。ある意味『ロマンスX』以上にブレイヤ監督の卓越性を見せ付けられた様な気がします。昨年カンヌで話題になった『セックス・イズ・コメディ』は今夏公開。もぉ、今から楽しみですぅ〜〜〜。
「めぐりあう時間たち」 *** |
今年の米アカデミー作品賞にもノミネートされているベストセラー小説の映画化。大好きだった『リトルダンサー』のステファン=ダルトリー監督、メリル=ストリープ、ニコール=キッドマン、ジュリアン=ムーアの共演と合って、ちょっと期待が大きすぎたかもしれません。
う〜ん、私にはダメでしたね〜、この映画。何だろう?私にはどうも、この監督と女優さん達の間に奇妙な“距離感”を感じてしまったのです。コレってただの直感なのでホントの所はどうか全く分かりませんが、な〜んか、女優サン達が“とまどいながら”演技しているとゆ〜印象を受けてしまったのですね。ま、単なる私の気のせいなのかもしれませんが…。“女性の生き方”(演歌みたいなふれーず(^_^;)を描こうとしているのは分かりますが、どうも空回りしていると受け止めてしまったのは私だけでしょうか???
もう一つ、この映画の最悪な点はその音楽。いや〜、あまりにもうるさかった。ダルトリー監督の作品とはとても思えない程…。よかった点は、脇役の俳優サン達。エド=ハリスにトニ=コレットの演技は迫真。普段はキライなクレア=デーンズも良かったし、出番少なかったけどアリソン=ジャーニーも良かったですね〜。
う〜ん、脚本は決して悪くないんですけどね。ダルトリーファンの私としてはいささかがっくりの作品でした。もしこの作品がまかり間違って(?)作品賞なんか取ろうものなら、コレはもぉ、ミラマックスの金の力でしよぉぉぉぉ〜〜〜。
P.S. 下馬評通り、ニコール=キッドマンがオスカーを獲得しましたね(^_^;)。けど、私の知り合いもアレはやっぱ政治的受賞でせうと言っていました。他に獲れそうな人いなかったしね〜〜〜。
「ごめん」 ****1/2 |
『非・バランス』の冨樫森監督による長編第2作目。ファーストランがあっと言う間に終わってしまった後、口コミでの評判が高まり、今回の1日上映ではかなりのお客さんが押しかけて来ていました。パンフも版元で売り切れてしまっているそうですし。
この所、文化庁からの助成金を得やすくする為(?)子供ネタの邦画の多さに辟易していた私ですが、久々に観終わってすっきりする作品を観た様な気がします。それにしても、子役皆がいい〜んですよね(主演の二人だけじゃなくて、脇役の子供達も)、コレはズルイ。もぉ、これだけでこの映画は出来上がっているんですもん。原作を読んでいないので、どれだけ原作に負っている部分があるのかは分かりませんが、話もイイ。けどまぁ、何といってもこの映画がコミカルなのは、その小気味良いテンポでせう。ほんとにこの映画は場面展開がめっちゃ気持ちいいです。
『月光の囁き』から『どこまでもいこう』を経て(間に『害虫』もありますが)『黄泉がえり』に飛んでいってしまった塩田監督は、奇しくも冨樫監督と同じ大学の出身ですが、『非・バランス』から『ごめん』を経た監督が、やはり同じ竹内結子を主演に据えた『星に願いを』は一体どうなるんでしょ〜ね。塩田監督の変遷にある意味幻滅してしまっているので、冨樫監督が同じ轍を踏まないよ〜にと密かに祈っている私です。
「青の稲妻」 ****1/2 |
『一瞬の夢』、『プラットホーム』に続く、31歳で世界三大映画祭を制したジャ=ジャンク-監督の最新作。
え〜っと、一言で言うと彼の映画としては、これが一番観易い作品なのではないでしょうか?作品全体に流れるその独特なテンポは健在なのですが、意外や意外(?)今回は切ない2組のラブストーリーが中心なんですよね。きょうび、ラブストーリーは話の中心でもないのに宣伝策略としてラブストーリーの部分が強調されている映画の多い中、この映画、もっと“切ないラブストーリー”とゆ〜部分を強調して売ればよかったのに、なんか残念ですね〜。
ある意味、チャイニーズ版『Sweeet Sixteen』みたいな感じもあるのですが、『Sweet』と同じく、“リアリズム”という言葉が頭の中をぐるぐると回る映画でした。…にしても、今回は相棒役がやけにモデルっぽい男の子だったなぁ。ジャ・ジャンク-の映画は、主人公の男の子がブ男である所に魅力があったりするんですけどね〜(^_^;)。
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