評価の満点は5つ星です。
"Spider-Man" 「スパイダーマン」***1/2
"bungee jumping of their own"「バンジー・ジャンプをする」***1/2
"Der Tunnel" - 「トンネル」 ***3/4
「仁義なき戦い」「緋牡丹博徒」「網走番外地」 ****
「スパイダーマン」 - ***1/2 |
Directed by : Sam Raimi, Written by : Steve Ditko, Stan Lee,
Starring : Tobey Maguire, Willem Dafoe, Kirsten Dunst, etc.
Official Site : Japanese
渋谷・先行ロードショーにて
個人的にはサム=ライミ監督って『シンプル・プラン』しか見たことないんですけど、実は初期の頃は随分とアメコミ原作の映画を撮っていたんですね〜。ま、個人的には『バットマン』も『スーパーマン』も殆ど興味がない私なので、『スパイダーマン』の漫画もまるっきり読んだことがありませんでした。けど、そ〜ゆ〜人達にもちゃんと楽しめる映画に仕上がっています。逆にマニアックなファンの人達にはこの映画がどう写るのか、私にはさっぱり分かりませんけれど…。
一緒に観た友人は「脚本がちゃんと書けてない」と言っていましたが、こ〜ゆ〜映画にソレを期待しちゃイケマセンよね(^_^;)。もう最初からただの娯楽映画として楽しんで下さいっっ!
主演のトビー=マグアイアは子役の頃から好きだったんですけれど、スパイダーマンを演るって聞いてもうファンやめたと思っていたんですよ。けど、やっぱりカレは良かったです。改めてファンになっちゃったモンな〜。クリスティン=ダンストは昔から苦手な女優さんだったんでね、やっぱダメでしたわ〜〜〜。
今回ハマり役のウィレム=デフォー。前評判であまりにもイイ、イイって聞いていたんで、あんなモンかとゆ〜感じ。ま、そりゃ勿論うまかったですけれど。それにしても彼ってけっこう背低いんですね〜。息子役のジョェームズ=フランコは、つい最近ジェームス=ディーンの伝記ドラマで主役を演じて話題になった人。これから話題作が目白押しの注目新人でっす。
私がNYを離れて早3週間。NYロケの多いこの作品を見ていると、やっぱりホームシックを感じぜずにはいられません。私のアパートからすぐのダイナーとか、かつての職場の近くのストリートとか、自分の行ってた学校のキャンパスとか、昔はよく乗ったルーズベルト・アイランド行きのロープウェイとか、私の一番のお気に入りだった市立図書館とか…。ワールド・トレード・センターのシーンは全てカットされてしまったそうですが、そのうち秘蔵版として公開されるんでしょうかね。う〜、観たい〜〜〜。
何はともあれ、そのCG映像はやはり劇場スクリーンで一見の価値アリですよ。ああいったCG映像でのオープニングと言えば、老舗は何と行っても007。こちらも合わせて、早く次の新作が観たいです〜〜〜。
Beonjijeonpeureul hada 「バンジー・ジャンプする」 - ***1/2 |
Directed by : Dai-Seung Kim, Written by : Eun-nim Ko
Starring : Byung-hun Lee, Eun-Joo Lee, etc.
Official Site : Korean
昨年韓国で大ヒットし、東京ファンタスティック映画祭でプレミア上映されたこの映画、実は殆どその内容をしらなかったので非常に興味深く観ることが出来ました。いや〜、とにかく“ジャンルの付けられない映画”ですね。“純愛モノ”“不思議モノ”はたまた実は“ゲイ映画”…???
前半部分は『JSA』のイ=ビョンホン&『オー!スジョン』のイ=ウンジュによるトレンディ・ドラマばりのメロドラマ。舞台が80年代前半なので、そのダサさがかえって魅力になっています。脚本家がTVドラマ出身の女流作家なので、“いかにも女性に都合のよいBF像”というのがコレでもか〜というくらい描かれ、この部分はあまり好きではなかったです。イ=ビョンホンがめちゃかっこ悪ししね(^_^;)。
突然面白くなるのが17年後の後半部分(イ=ビョンホンが、まるで別人のようにめちゃめちゃカッコよくなる!!!!!!)。これ以降は観てからのお楽しみにして欲しいのでココではあまり書きませんが、とにかく「??????」の連続。コレが最後になって段々と分かってきて、涙のクライマックスへと続くわけですね。ラストのラスト、これには賛否両論ある様ですが、私はこの終わり方で良かったと思うし、ある意味で韓国の現実を表していると思います。
この映画のテーマでもある“時空を超えた永遠の初恋”ってゆ〜のは、韓国人にとっては非常に重いモノの様ですね。それだけ徴兵制や家柄の違いによって高校・大学時代の恋人と結婚出来ないカップルが山程いるということなのでしょう。その果たされぬ想いの為に時を彷徨い、自分の人生をも賭ける主人公と言えば真っ先に思い浮かぶのが『ペパーミント・キャンディ』。この2作品に共通して私が何なんだよ〜と思うのは、主人公が共に妥協した結婚をしてるとゆ〜ことね。そんなに未練が断ち切れないなら、他の人と結婚するなよな〜、もぉ。でもこ〜ゆ〜人達って韓国には(それは日本を含め他の国々でも)、山程いるコトでしょう。
“時空を越えた恋愛”という点で言うと、『イルマーレ〜時越愛』を初め、『リメンバー・ミー』や『銀杏のベッド』など殆ど近年の韓国映画のトレンドと言ってもいいようなポピュラーぶり。それだけ皆、現実世界で思い通りの恋愛を成就することが出来ず、こ〜ゆ〜夢の世界に逃げているということなのかな?????
役者サンに関してはイ=ビョンホンが良かったのは勿論のこと(前半はけっこういまイチだったけど)、高校生役の子達が皆うまかったのが良かったです。
監督のキム=デスンは、巨匠イム=グォンテク監督の元で助監督をしてきたということで、そつない演出なのですが、どこかTV的な作品に見えてしまったのは私だけでしょうか。それとやっぱり彼ってゲイなんでしょうかね(私はゲイであることに賭けます)。そういった意味で、監督さんが2作目に一体どういったテーマの作品を選んでくるのか、私としては期待&興味津々で待ち望んでしまいます。
最後に余談ですが、私はこの作品を英語字幕版で観ました。前半部分、主演の二人が箸とスプーンの韓国語スペルについて話す部分が出てくるのですが、コレって韓国語でこの2単語のスペルをビジュアル化しないと分からないんですよね。日本語字幕版ではどの様になっているのでしょうか???この会話は後半でも再度出てくるので、けっこう重要な会話なんですけれど…(^_^;)。
「トンネル」 - ***3/4 |
Directed by : Roland Suso Richter, Written by : Johannes W. Bets
Starring : Heino Ferch, Nicholette Krebitz, Sebastian Koch, etc.
Official Site : Japanese
日比谷シャンテシネ1にて
昨年モントリオール映画祭へ行った時、とにかく観客の間で人気沸騰しまくっていたこの映画。…というのも当時モントリオールではすでにフランス語字幕版が上映中で、その噂を聞き付けたフランス語の分からない人達が英・仏両方の字幕版を人目観ようと大量に押しかけていたのでした。映画祭のチケットGETを断念した私も、さすがに仏語版を観る気にはなれず諦めてしまっていたというワケ。ちなみにこの映画、モントリオール映画祭ではダントツの1位で観客賞を受賞しています。昨年スイスを訪れた時も、この映画のヨーロッパでの評判を聞いていたので、とにかく待ちに待〜っての日本公開。
日本での人気も思っていたよりすざまじく、先週のぴあで“観客の満足度第1位”に選ばれたせいもあってか、連日立ち見の大盛況。私は平日午後の回を観に行ったにも関わらず、上映20分前から立ち見となる程の人気でした。いや〜、日本では映画代が高い高いといいながら、激混み映画の盛況ぶりはスゴイですね〜〜〜(^_^;)。
またまた前置きが長くなってしまいました。ま、これだけ期待度の大きかった映画にしては“期待通りの出来”で、がっかりはしませんでしたよ。最初からTVの前後編モノって知っていたのが良かったんだと思います。やっぱりコレって“映画”じゃないんですよね。数々の映画祭で数々の“観客賞”を受賞していながら、批評家達からはそんなに評価されなかったのは何となく分かる気がします。
この物語が始まる1961年(ベルリンの壁が作られた年)に生まれたローランド=リヒター監督は、この映画以前に少なくとも2作の映画を撮っているのですが、最近は殆どTV映画ばかり撮っている様で、それがいけなかったのかな〜。何が違うんでしょうね〜。役者も、撮影も、脚本も、どれを取ってもよく出来た作品なんですけれど…。
主演のハイノー=フェルヒはドイツのブルース=ウィリスと呼ばれているそうですが、確かに似てますね〜。けどさすが舞台出身だけあって演技がどっしりしています。他の役者さん達も殆どが舞台畑の人達。安心して観ていられる演技でした。ど〜でもいいけど、クラウディア=ミヒャルゼンがレイチェル=グリフィスに、マフメット=クルトゥルスがハヴィア=バーデムに似てるなぁと思ってしまったのは私だけ???
とにかく実話が元になっているということで、観ている人達の焦点はどうしても「どこまでが本当で、どこまでがフィクションなのか」という所に集中してしまうと思います。監督は90%が実話を元にしていると言っていますが、特にフリッツィとハリーの絡み(&ハイナーとの顛末)部分や、ラストでハリーが軍服を着て…なんていう辺りはやっぱど〜してもウソ臭いですよね〜。いや、それにしてもこれだけの実話をこれだけスリリングにうまくまとめた脚本はスゴイですよ。しっかり泣かされちゃったしなぁ。男女の愛・家族愛・友情・裏切り,etc…とにかくこれらのオイシイ設定を全部網羅したテンコ盛りの内容になってます。こりゃ〜、ハリウッドがリメイク権を取りたがってるんじゃないかな?上映時間ほぼ3時間ってゆ〜のは、ハリウッドが作ると多分2時間以下に削られちゃうんじゃないかと思いますけどね(^_^;)。
「緋牡丹博徒」 「網走番外地」- **** |
2002年4月30日を持って閉館になる新宿昭和館で催された、最後のやくざ映画名作上映週間にて観た3作品。観た順に感想を書いておきますね。
昨年夏にNYで深作欣次監督のレトロスペクティブが催されていた時、一番観たかった映画です。けど、やっぱりこの由緒ある(?)新宿昭和館で観られて良かった!!!う〜ん、やっぱ名作ですね〜〜〜。戦後の広島闇市から始まるトコなんか渋すぎる。そして何といってもその斬新なカメラワークの数々!さすが、タランティーノがこの映画から多くの映画作りを学んだと言われるだけのことはあります。今観てもとっても新しいんですよ〜。
そしてその膨大な数のキャラクター。複雑に絡みまくった人間関係もまたイイんです。たった90分の中によくコレだけ入れますよね。濃いな〜〜〜。主演の菅原文太や梅宮パパ、松方秀樹や金子信雄も良かったけど、私的に一番気に入ったのは渡瀬恒彦。う〜ん、出番超少なかったけど良かった〜〜〜。フレームの端っこに写っても決まってるんだもんなぁ〜。あ、そう言えば川谷祐三もかなりちょい役で出演していましたね。けっこうデビューに近かったのかな?
ラストシーンのオチもかなり決まっていましたが、アレってもう続編を見込んで作られていたのでしょうか???これを機会に続編の方も是非ぜひ観たい私です。
この3本の中でも、女性に超オススメなのがこの作品。何てったって藤(現在の冨司)純子がか〜わゆ〜〜〜い〜〜〜〜(>_<)。彼女って当時何歳だったんでしょ〜ね〜。とにかくあどけなさ爆発とゆ〜感じでたまりません。
シリーズ第1作目のこのバージョンで展開される若き高倉健(コレがまた若いっっっ)との悲恋がもうロマンチックで、とてもやくざ映画とは思えませんっっ!他のキャストも皆い〜ですね〜。シリーズ第3作目の『花札勝負』や6作目の『お竜参上』も観た〜いっっっ!!!
こちらもやはりシリーズ化されているやくざ映画のクラシック。この第1作目は全編モノクロでしぶいのなんの。いや〜、泣かされてしまいましたよ。若き高倉健もお涙ちょうだいだけど、ラストの丹波哲郎がまたイイっ!!!
ある意味、上の2シリーズとは一線を画したリアリズムがありますね。望郷編とかになると、それなりに乱闘シーンとかがある様なので、この作品だけなのかな???安部徹がかもし出す迫力もなかなかのモノ。う〜ん、これもまた続き観たくなっちゃったなぁぁぁっ!!!あ、ど〜でもいいけど劇中、高倉健が田中邦衛のモノマネをするシーン、コレけっこう笑えます(^_^;)。
…というワケで、50年余りに渡るその歴史を閉じた新宿昭和館ですが、さすがに最後の数週間は映画学校の生徒とか映画マニアが多かったですね〜。皆劇場の中で8ミリとか廻してましたモン(^_^;)。それでも“いかにも常連”って感じの人達も沢山いました。彼ら、これからは何処でたむろすんでしょうか…(T_T)。
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