*** Just Watched 32 - 最近観た映画 32 ***

評価の満点は5つ星です。

"Heist" - 「ザ・プロフェッショナル」***3/4
"Spirited Away" - 「千と千尋の神隠し」***3/4
"Landry" - 「ランドリー」***
「光の雨」 ***3/4
"Delbaran" - 「少年と砂漠のカフェ」 ***3/4
"Travail" - 「とらばいゆ」***1/2

"Heist"
「ザ・プロフェッショナル」 - ***3/4
April 26, 02

Written and Directed by David Mamet
Staring : Gene Hackman, Rebecca PidgeonDanny DeVito, , etc
Official Site : English
日本での一般公開は2002年初夏

『オーシャンズ11』熟年版”という話を聞いていましたが、どちらかと言えばロバート=デニーロ&エドワード=ノートン主演『スコア』に非常によく似た映画です。実際の撮影がモントリオール郊外で行われていたということもあるし(ストーリー中ではNY・ボストンが舞台ということになっていますが)、引退して若い彼女(妻)と余生を静かに過ごそうと思っている主人公(『スコア』ではロバート=デニーロ、この作品ではジーン=ハックマン)、影でコンビを組んではいるけれど、互いに気のおけないパートナー(『スコア』ではマーロン=ブランド、この作品ではダニー=デビート)、そして主人公のプロフェッショナルぶりに尊敬と妬みを抱く若い男(『スコア』ではエドワード=ノートン、この作品ではサム=ロックウェル)、この3人を中心に話が動いているところなど、もうそ〜っくり。
映画の出だしが第一の盗みで始まって、同じパートナーがさらに大きな獲物の話を持ちかける。主人公はもう引退したいので一旦は嫌だと断るものの、結局はその獲物をし止めて最後はそのお宝が誰の手に渡るのかのどんでん返し…。う〜ん、全くおんなじだ〜〜〜。もし貴方が『スコア』を好きだったとしたら、この作品も好きになることは確実です。

そう、何てったって脚本&監督は“あの”デビッド=マメットですからね〜。『スコア』とは比べモノにならないくらいイイですよ。そりゃ〜前作『ステイト&メイン』では見事に大ゴケしてくれましたが、マメット氏もコレでメデタク復活です。この作品、昨年のヴェネツィア映画祭では『トレーニング・ディ』と並んで、招待上映されていますし。
そう、何てたってその筋金入りの脚本は見事なモノ。特に細かい言い回しがニクイんですね〜。今回私、日本語字幕入りで観られて良かったなぁ。だって字幕ナシで観たら分かんなかった台詞、かなりありましたよ。「ほ〜、そう言う意味なんだ?」とか「へぇ〜、こう訳すのかぁ」という部分、沢山〜ありましたから。そう言った意味で、この映画は観れば観るほどというか、その奥の意味が分かれば分かる程さらに楽しめる作品と言えるかもしれません。

キャストについて。『高貴なるテネンバウム家』で今年のゴールデン・グローブ賞を受賞したジーン=ハックマンはね〜、いつもウマイんでね〜。逆に印象が薄くなってしまった気もします。勿論、ヴェネツィア映画祭では彼の演技についてかなり話題になっていたハズなので、これはあくまでも私の意見ですけれど。ダニー=デビートも私的にはいまイチだったかな。
で、良かったのはレベッカ=ピジョン、デルロイド=リンドー、そしてリッキー=ジェイ。特にリッキー=ジェイは一番のちょい役だったんですけれど、良かったなぁ。彼の演技を観ているだけで、彼のキャラクターの来るべき運命までが全て語られているんですよね。う〜ん、コレはスゴイ。基本的には先の全部観えてしまうストーリーなんですけれど、それを彼の演技が全て裏付けしてくれる…みたいな。ちょい役としては色々な映画に出ている役者さんですが、これからもっと注目して行きたいと思っています。

この映画の原題『Heist』(“ハイスト”と発音します)は、単純に“盗み”(特に銀行や宝石店などを狙う場合)という意味のスラング。『スコア』がやはり強盗達の使う“盗み(の報酬)”というスラングであるので、この2作品は本当によく似ています。ど〜でもいいけど、『The Professional』と言うと、アメリカでは『レオン』の米公開名だったりするので、非常にややこしいですね〜〜〜(^_^;)。

"Spirited Away"
「千と千尋の神隠し」 - ***3/4
April 24, 02

Written and Directed by : Hayao Miyazaki
Voice Performance : Rumi Hiiragi, Miyu Irino, etc
Official Site :
Japanese

日本での公開が始まった昨年夏から早半年、私にとっては待ちに待ったこの映画。う〜ん、けど一言で言うと、“もう宮崎監督、これ以上映画作らなくていいよ〜”という感じでした(^_^;)。つまり何処を観ても何を観ても、もう過去の焼き直し以外の何物でもない…。わがままなファンはね〜、やっぱりど〜しても新しいモノを求めてしまうんですよね〜〜〜。
私にとって宮崎作品のフェイバレットといえば、何と言っても『風の谷のナウシカ』。作品の完成度がどうのこうのと言うよりも、やはり公開当時、自分自身が思春期の真っ只中というか、多感なお年頃(?)であったので、その衝撃度は並大抵のモノではありませんでした。メジャー的には、おそらくあの作品が宮崎駿という名前を世に知らしめる最初の作品となったのでしょうけれど、私にとってはアレが宮崎作品の終わりでもあった様な気がします。
『ナウシカ』の直後の『ラピュタ』は『未来少年コナン』の焼き直しだし、『となりのトトロ』もある意味『パンダ・コパンダ』の焼き直し、『紅の豚』も(かなり好きな作品ですけれど)『カリオストロの城』や『シャーロックホームズの冒険』で観たことある様なモノばっかりだし、『もののけ姫』は言うまでもなく『ナウシカ』の日本版(それでもエボシ御前というキャラの存在があることで、かなり好きな作品ではあります)、『魔女の宅急便』は原作付きだから私の中ではいわゆる“宮崎アニメ”のカテゴリーに入ってないんですよね。

そ〜言う意味で“観たことのある風景”ばかりが並ぶこの作品は、私にとってかなり物足りない作品であったと言わなければなりません。ま、コレはめちゃくちゃオタク的な意見でして、裏を返せばあまり宮崎作品に馴染みのない人達にとっては、いろんな作品のごちゃまぜ版だから、ある意味とっつき易い作品だと言えるのかもしれないですけれど。その辺りが至上最高の興行成績やベルリン映画祭の金熊賞に繋がったりしたのでしょうか。私は4月24日(映画の日)の夜の回、新宿文化シネマへ観に行ったのですが開演10分前でもう立ち見だったんですよ〜(なので結局池袋で観たのですけれど)。半年経ってこの人気なのですから、相当リピーターも多いのでしょうね〜。
あ、“観たことのある様な風景”と言えば、宮崎アニメだけではないんですよね。私と一緒に観たリピーターのMちゃんは、竜のシーンでどうしても『まんが日本昔ばなし』のオープニングを思い出してしまうというし、私の方は全く同じシーンで『ネバー・エンディング・ストーリー』を思い出していました(^_^;)。他は電車のシーンが『銀河鉄道の夜』だったりとか、子供部屋のシーンは『AKIRA』や『童夢』の世界。あとは何だったっけな〜。ちょっと思い出せないけど他にも沢山あった様な気がします。

ビジュアル的にはね〜。かなり好きだったんですよ。特に前半のゴーストタウンやお風呂屋さん(?)などの美術設定は素晴らしかったと思います。川の神様が来た辺りまではかなり好きだったかなぁ。けど、お話の最後の方がしり切れトンボというか、バタバタ終わっちゃいましたよね。クライマックスのハラハラ・ドキドキがない宮崎アニメなんて〜〜〜〜(>_<)。

キャラ的に好きだったのは湯婆婆と釜爺。夏木マリと菅原文太の声も良かったですね。カオナシは前半面白そうなキャラだなぁと思ったのに、後半急につまんなくなっちゃってが〜っかり。最初のストーカー的な(まるでアニメおたくの様な)部分と中盤の獰猛製はある意味矛盾なく繋がるんですよ(何かあそこだけ庵野アニメしてたなぁ(^_^;)。それが終盤で突然つまんなくなっちゃう。う〜ん残念。ど〜でもいいけど赤ちゃんが化けたあの小さな怪物(?)、モロにムーミンみたいでしたね。う〜む、宮崎アニメも遂にネタ切れか???他のキャラに関して、お父さん役が内藤剛志だったとは全然気が付きませんでした。彼も最近出過ぎかな〜。

ま、私的なキビシイ感想を言えば、やはり“巧みな小ワザばかりの映画である”という印象はどうしても拭えません。そりゃ〜ウマイですよ、それに、好みと言えば勿論好みの映画ではあるのです。もしコレが私にとって宮崎駿という人が作った初めての映画であったなら、今ごろ私は「コレはス〜ゴっイ映画だ〜〜〜」と皆に叫んでいたでしょう。けど、残念ながらそうではなかった。『風の谷のナウシカ』から早16年。かつての“宮崎アニメおたく”(…とか言いつつ、実は漫画版『ナウシカ』すらちゃんと読んだことない奴)にとって、この作品はあまりにもパワーのフヌけてしまった作品と映ってしまいました。もしかしたら、今の私自身の方が、16年前に持っていた素直な感性を忘れてしまったのかもしれませんけどね…(^_^;)。

"Landry"
「ランドリー」 - ***
April 22, 02

Written and Directed by : Junichi Mori
Starring : Yosuke Kubotsuka, Koyuki, etc
Official Site :
Japanese

この感想文、今コインランドリーで書いてます。マジです(^_^;)。確かにランドリーというのは、いろんなドラマが生まれる場所ですよね。脚本も良く書けているなと思いました。ま、この映画ってサンダンス&NHKの選ぶ脚本賞に入賞した作品なので、よく書けてなかったらちょっと問題なんですけれど…。
ただね〜、な〜んか”オっシャレ〜”な映画なんですよ〜。そこが私的にはちょっと受け付けられなかったかな。つまり、オタク向けの映画ではないということです。私の友達の中でもいわゆる映画オタクの連中は、「な〜んでそんな映画観るの?恥ずかし〜〜〜!」みたいな感じだったんですよね。ま、そこまで言うことはないかもしれないけれど、確かに何かが違うんだな〜〜〜〜。それなりに面白く書けてる脚本と今ノリに乗ってるキャスト達、それに映像的にもかなりイケてるということで、この映画が渋谷で大ヒットロングランしているのはよ〜く分かります。だから、ちょっと“オっシャレ〜”な映画を観たいなと思う人にはお勧め出来るかも鴨。

キャストに関して。窪塚洋介クンのピークはもう過ぎたかな〜。そりゃ〜下手じゃないんだけど、一時期のオーラはもうどこかに行ってしまった様ですね。な〜んか演技がワザとらしく見えてしまったのは、私だけ???あまりにもあの役にハマり過ぎててかえってつまんなかったし…。ヒロインの小雪も悪くはないんだけど、う〜ん何かが足りない…。けどね〜助演の内藤剛志は、相変わらずせくしー(…と私の目には映る(^_^;)。う〜ん、私的“不倫したい男No.1”なんですね、コレが。けど、台詞がなんかクサかったよな〜。

まぁ、いわゆるここ数年間に大量生産されている“マスターベーション的な映画”という感じでした。ど〜でもいいけど、この映画ってテーマ曲が1つしかないんですよ〜。それで耳に付かせてCD売る気なのかな〜。い〜かげんその商業主義なトコ、なんとかして下さいっ!あ〜、製作が広告制作主体のROBOTだから仕方ないのかな(^_^;)???

「光の雨」 - ***3/4
April 19, 02

Directed by : Banmei Takahashi, Written by : Takeshi Aoshima
Starring : Masato Hagiwara, Nae Yuki, Ren Ohsugi, etc
Official Site :
Japanese

私的に言うと、この映画って『Wの悲劇』みたいな映画だな〜と思いました。ま、同名小説が原作でありながら、お話の中心はその作品を製作したり演じたりする側と言う意味で似ているってだけのことなんですけどね(^_^;)。…というわけで、“あさま山荘事件”に至るまでの連合赤軍を描いた立松和平の原作はあくまで劇中劇。映画のほぼ半分は『光の雨』を映画化しようとする人達(監督、俳優、プロデューサーなど)についてのお話です。
脚本を書いたのは、“あの時代”をほとんど知らない世代の代表:青島武氏(ちなみに彼は製作も兼ねていました)。この、おそらく彼自身が抱えていたであろう“わからない・理解出来ない”という素直な想いが、私にはかえって共感を呼んだ様な気がします。この辺りがおそらく“あの時代”を知る人達にとっては、もの足りない部分になってしまったんじゃないかとは思いますが…。

…とは言え、脚本の構成的な部分は随分と捻ってあったというか、ブレヒトの異化効果にも通じる様なアクロバット的部分が多く、これが映画全体的として、アバンギャルドでインディーちっくな映画に仕上がっていたら、私、この映画けっこう嫌いになっていたかもしれません。ところがね〜、高橋監督、やってくれました。よくぞあそこまでストレートに撮ってくれましたという感じ。内容が内容なだけに、その内容にそぐわない“反”ゲリラ的で王道的な映画作りはかえって新鮮に写ったし、私的にはと〜っても好感が持てました。
まず最初に。コレを言うと「何なんだよ〜」と言われてしまうんですけれど、私にとってこの映画で一番印象が深かったのって、その色彩感覚なんです。全体的に映像のカラーバランスがすごく良かったと思うし、とてもインパクトがあった。第一、私達の知ってる“あの時代”の映像って、写真で見てもビデオで見ても全部白黒じゃないですか。なのに赤軍のメンバー達は赤や黄色のカラフルなセーターなんか着ているんですよね。コレはけ〜っこう新鮮だったかも鴨。

それに何にしても役者が皆良かったな〜〜〜。倉重役の山村太郎って、私は『バトルロワイヤル』で一瞬見ただけなんですけど、うまいですね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。いや〜、実在のキャラはどんな人なのか知りませんが、あのカリスマ性&卑劣性がうまく同居している存在感がスゴイです。これからがめっちゃ楽しみな俳優さんですね。
そして萩原聖人。う〜ん、相変わらずウマイなぁ〜。この人の演技って何気ない所がいいんです〜。“あの時代”の代表である劇中劇の監督&プロデューサーと、“あの時代”を全く理解出来ず闇雲に演じるしかない若い役者達のちょうど中間に位置するというか、橋渡し的な役割をとても自然に演じていた様な気がします。その他、裕木奈江はまぁ、一生懸命声を変えてたな〜ってコトくらい?大杉漣は、も〜〜〜〜〜い〜〜〜〜です〜〜〜(↓にも書いたけど)。塩見三省ってけっこう好きな俳優さんなんですけれど、あんましインパクトなかったかな、今回は。

ま、連合赤軍ど〜のこ〜のはひとまず置いておいて、この映画は、ピンク映画の帝王(?)高橋伴明監督の作った“王道映画”を観てみようじゃないか、くらいのつもりで鑑賞することをお勧めします。言い換えれば、“あの時代”をこの映画から理解しようとか解き明かしてみようなんていうつもりで超踏ん張って観に行くと、モロに大ゴケしてしまいますよ〜。(^_^;)。

"Delbaran"
「少年と砂漠のカフェ」 - ***3/4
April 17, 02

Written and Directed by : Abolfazl Jalili
Starring : Kaim Alizadeh, Rahmatollah Ebrahimi, etc
Official Site :
Japanese

昨年秋、『デルバラン』という原題によりTOKYO FILMEXで上映された作品。まぁ、この映画はオフィス北野が製作だし、TOKYO…もオフィス北野が主催の映画みたいなモンなんで、必ずしもそれはこの映画が良い出来だということを証明しているワケではないんですけどね(^_^;)。

全体の感想…。いや〜、“映画はやっぱり映像で語るモノ”だということを、思いっきり見せつけられましたよ。台詞が少ないっっっ!!!まずこの映画、シーンとシーンの切り方&出だしの省略がうまいな〜と思いました。非常に洗練された省略をしていると思います。イラン映画とゆ〜と、内容が政治的だとか映像が美しいとか、そ〜ゆ〜方にばっかり目線が集中してしまいがちだと思いますが、それより私はこの映画の純粋な職人芸に感心してしまったという方が正確かな?

お話は戦火を逃れ、アフガニスタンから国境を超えてイランにやって来た少年と彼を取り巻く人々の日常。アフガン人達が人目を偲んでイランで違法労働をするという設定は、『BARAN』全く同じモノ。それだけイランで働くアフガンの人たちは多いというコトなのでしょうか。やはり『BARAN』と同じく、ペルシャ語の話せないアフガン人に対する差別のシーンなども出て来ましたし。アフガン情勢やイラン&アフガン人の関係については、私の場合、最近『BARAN』や『カンダハール』を観たので何とか理解することが出来ましたが、そうでない場合はちょっと分かりにくいかも。まぁ、変に説明付いていないところがこの映画の良い所なのですが、裏を返せば、ある意味舌っ足らずであると言う事も出来るかもしれません。

結局邦題は『少年と砂漠のカフェ』と相成りましたが、コレを『バグダッド・カフェ』のような映画だと勘違いすると痛い目見ます(?)よ〜。はっきり言って、少年のいる場所って、カフェとは程遠いドライブ・インの様なモノ。原題のデルバランというのは、このストーリーの中で様々な出来事が起こる道路&街の名前なのですが、どうしてこっちにしなかったのかなぁ???
いや、それにしてもイラン映画とゆ〜のは、皆いい役者さん達が揃っていますね〜。伝統的に子役や老人役は皆うまいし、いつも感心してしまいます。
戦場というモノがすぐそこにありながら、劇的な場面をまるで見せずに戦争の悲惨さを訴えた映画。古くは『子どもの頃、戦争があった』みたいな作品、個人的にはとても好きなんですよね〜。

"Travail"
「とらばいゆ」 - ***1/2
April 18, 02

Written and Directed by : Kentaro Ohtani
Staring: Asaka Seto, Shinya Tsukamoto, etc
Official Sites :
Japanese

日本に帰国して最初に観た映画です。いま上映中の映画では、『トンネル』や『ドリアン・ドリアン』など観たい映画はたくさんあるのですが、これらは水曜日の1000円割引にならない映画なので、せこい私は1000円割引になる映画を選びました(^_^;)。
一緒に観に行った友達の薦めというだけで、何の前知識もなく観たこの映画。いや〜やっぱり事前の期待が全くなかったのが良かったんでしょうね。けっこう良かったですよ。日本映画には珍しく2回も泣いてしまったし…。

コレは『アベック・モンマリ』を監督した大谷健太郎監督の長編第二作目。瀬戸朝香扮する麻美と市川実日子扮する里奈というプロの将棋姉妹のお話です。全体的に言うと、カメラとか音響とか音楽とか技術的な面はけっこうヒドかったんですけどね。私から言わせると、演出もけっこう下手だよな〜と思いました。脚本も私的な好みでは全くなかったし(長い台詞が多すぎ)…。けど、演出(瀬戸朝香の演技)&脚本に関して、一緒に観た友達はけっこう好きだったと言っていたので、これはあくまで私の意見です。

けどね〜、この映画って妙にリアリティがあるんですよ。姉妹関係とか夫婦関係のリアリティという面では、この映画ってかなりのツボを付いていると思います。特に私自身は姉妹っていないんですけれど、仲のいい友達3人にそれぞれ姉妹がいまして、その成り行きを日々見せられているんでね〜。なんかそのまんまって感じでした。もし姉妹のいる方なんかがいたら、けっこうオススメ出来る映画だと思います。
それから劇中で描かれる夫婦の関係というのも、非常にありきたりでありながらトレンディ・ドラマとは一線を画したリアリティがあったんじゃないかな。ちょっとしたすれ違いがどんどん大きくなって修復出来ないくらい大きくなってしまったりとか、ちょっとしたことで突然関係に変化が出たりとかね。後半なんか私はかなり好きでしたよ。

主演の瀬戸朝香について、私は正直言って最初から最後までダメでした。他の人がやってたらもうすこしいい映画になってたんじゃないかと思ってしまったくらい。でも、一緒に観た友人は良かったって言ってたし…(^_^;)。この映画で初めて観た市川実日子チャンは良かったですよ。モデル出身だそうですが、これからが楽しみ、楽しみ。
そして塚本信也監督!最近はかなり俳優業にも忙しいそうですが、私が彼の演技を観たのはこれが初めて。いや〜、演技がうまい下手は別として、こ〜ゆ〜男の人っているいる〜〜〜〜!!!塚本監督が作るアクション・ドロドロ・バイオレンスとは天と地ほどもかけ離れたフツーのサラリーマン亭主を演じていましたね。うん、味があったわ〜。
で、弘樹役の村上淳は、『ナビィの恋』で見た事あったけど、今回の方がいい味出していた様な…。大杉漣はね〜、もぉ最近出過ぎって感じ。悪くはないんですけどね〜〜〜(^_^;)。

まぁ、最初の一時間は正直「なに、この映画?」って感じだったし、途中2回くらい寝そうになったりもしたので、あまり一般的にオススメ出来る映画ではありません。ビデオで十分って感じですしね。でも最初にも書いた通り、けっこう好きな映画でしたよ。やっぱり全然期待しないで観たのが良かったのかな(^_^;)???

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