*** Film Festivals 2001 d***

2001年に開催される各地の映画祭について、
自分の行ったモノ、行かないモノいろいろ。

Tokyo Filmex 2001
Nov 16th, 01

11月18日より一週間開催されるTokyo Filmexは、今年で第2回目を迎えます。取り合えず、自分のメモ用に上映作品のリストを(^_^;)。
この映画祭では、アジア映画の若手監督を中心にコンペティションも行われています。全体的には韓国4本、イラン3本、中国・香港それぞれ2本、日本・台湾・タイ(そしてなぜかイタリア)から1本ずつ。ちなみに、昨年のTokyo Filmexグランプリは、
『ふたりの人魚』でした。

Opening Film : Musa 『武士(ムサ)』 South Korea
韓国映画史上最高の制作費50億ウォンを投じた歴史大作。『初恋のきた道』のチャン=ツィーが出演していることでも話題。

Closing Film : "The Son's Room"『息子の部屋』 Italy - France
今年のカンヌ映画祭で、最高賞であるパルム・ドール賞を受賞。詳しくは、こちら

Special Screening : "Kandahar" 『カンダハール』 Iran
今年のカンヌ映画祭で話題を呼んだ、モフセン=マフマルバフ監督最新作。アフガニスタン問題を真正面から取り上げたということで、再び話題に。全米公開は2002年1月から。

Special Screening : "Lan Yu" 『藍宇(ラン・ユー)』 Hong Kong
やはり今年のカンヌで上映された、スタンリー=クワン監督最新作。 中国でインターネットに発表されて話題になった80年代を舞台にしたゲイ小説を映画化。

Special Screening : "Millennium Mambo" 『ミレニアム・マンボ』 Taiwan
こちらは、カンヌ正式コンペ出品作品。侯孝賢監督、久々の最新作。台北を舞台に、二人の男性の間で揺れ動くヒロインを描くドラマ。

Official Competitions コンペティション作品

"Comeuppance" 『天有眼』 Hong Kong
デレク・チウ監督による連続殺人犯、その事件を調査する刑事、雑誌記者の3人を描くドラマ。

"Waikiki Brothers" 『ワイキキ・ブラザース』 South Korea
韓国の女性監督イム=スルレの監督第2作目。高校時代の仲間から成るバンド"ワイキキ・ブラザース"が、ドサ回りの旅を続けるコメディ。

"I Love Beijing" 『アイラヴ北京』 China
寧瀛(ニン・イン)監督による、北京のタクシー運転手を通した北京の若者たちの生活を描いた作品。

"Flower Island" 『フラワー・アイランド』 South Korea
カンヌ映画祭短編コンペで審査員特別賞を受賞したソン=イルゴン監督初の長編作品。心が癒される"花島"という島に向かう3人の女性を描くロード・ムービー。今年度ヴェネツィア映画祭コンペ出品作

"Tears of the Black Tiger" 『怪盗ブラック・タイガー』 Thailand
やはり今年のカンヌ映画祭かなり評判になった作品。ポップなセットに、「黒い虎」とお嬢さまラムブイのピュアなラブ・ストーリー。監督ウィシット=サーサナティヤン。

"Go for Broke" 『イチかバチか』 China
監督:王光利(ワン・グァンリー)。リストラされた中年の男女が一旗あげようと新会社を結成するプロセスを、ドキュメンタリー・スタイルで描いた作品。

"Address Unknown" 『受取人不明』 South Korea
『魚と寝る女』のキム=ギドク監督最新作。今年のヴェネツィア映画祭にも2年連続で正式コンペ入りを果たしています。米軍基地の町ピョンテクを舞台に、心に傷を抱えた3人の若者たちがたどる運命を描いた作品。

"Delbaran" 『デルバラン』 Iran
監督:アボルファズル=ジャリリ。アフガニスタンとの国境沿いイラン・ホラサン地方を舞台に、アフガン少年と彼を取り巻く人々の生活、そして彼らの過酷な運命を描く。

"Blue Sky" 『青い春』 Japan
今年のトロント映画祭:新人部門でも上映されていました。ビック・コミック・スピリッツ連載松本大洋の同名漫画を映画化したもの。監督は豊田利晃、主演は『御法度』の松田龍平という青春群像劇。

"Secret Ballot" 『票の重み』 Iran
『ワン・モア・ディ』のババク・パヤミ監督最新作。今年のヴェネツィア映画祭では、この作品で最優秀監督賞を受賞しています。キシュ島を舞台に、選挙への投票を村人たちに呼びかける女性と護衛の兵士のロードムービー。

Tokyo International Film Festival 2001
東京国際映画祭 2001
Nov 08th, 01

同時多発テロ事件バーゼル&アムステルダム旅行で、全然フォロー出来ませんでした(^_^;)。

詳しくは、公式サイトを見て下さい。『化粧師』が、最優秀脚本賞に輝きましたね。『八月のクリスマス』のホ=ジノ監督は無冠。その他、シネマプリズムにて『ふたつの時、ふたりの時間』が上映されていました。

New York Film Festival 2001 - Part 2
ニューヨーク映画祭2001:その2
Oct 17th, 01

ニューヨーク映画祭 2001年:その1へ

スイスへ行く前にちゃんと書いて行こうと思ったのですが、時間がないのであまり書けません(^_^;)。
今年の映画祭の特徴は、その1でも書いた様にフランス映画が異常に多かったコト、そして言わずもがな、同時多発テロ事件のお陰で、観客が普段より俄然少なかったこと、そして監督や主演俳優サンなどの参加が超少なかったコトでしょう(T_T)。詳しくは、9月29日の日記10月9日の日記10月13日の日記も参照して下さい。

<<観た作品>>

What Time is it There? (Taiwan) Dir: Tsai Ming-Liang - Winstar Cinema Release
今回の映画祭で観た映画の中では、ダントツでお気に入り。アメリカでは10月より限定公開。詳しくはこちらこちらから。

Storytelling (United States) Dir: Todd Solondz - Fine Line Features Release
う〜〜〜〜〜ん、好きでしたよ、この映画。アメリカ・日本共に一般公開は2002年。詳しくはこちらから。トッド=ソロンズ監督も会場へ姿を見せていました。

Baran (Iran) Dir: Majid Majidi - Miramax Film Release
アメリカでの公開時期はまだ未定(配給会社はすでに決定しているものの、内容がアフガン難民の話なので)。詳しくは、こちらこちらから。マジッド=マジディ監督は欠席。

The Son's Room (Italy / France) Dir: Nanni Moretti - Miramax Film Release
アメリカでの公開は2002年2月から。日本の公開もおそらく同時期。詳しくは、こちらから。ナンニ=モレッティ監督は、“個人的な理由”で欠席。

Warm Water Under A Red Bridge (Japan) Dir: Shohei Imamura - Cowboy Pictures Release
今村監督は、姿を現しませんでした(T_T)。日本での公開は、2001年11月、アメリカでの公開は2002年春の予定。詳しくはこちらから。今村昌平監督も欠席。

All about Lily Chou-Chou (Japan) Dir: Shunji Iwai - No distributor yet
岩井監督は来たのですが...。日本では現在公開中、アメリカでの公開は未定。詳しくはこちらこちらから。

Time Out (France) Dir: Laurent Cantet - No Distributor yet
アメリカ・日本とも公開時期は未定。詳しくはこちらから。監督もちゃんとQ&Aに姿を見せていました。

<<観られなかった作品>>

Opening Night: Va Savoir! Dir: Jacques Rivette - Sony Classics Release
アメリカでは現在劇場公開中。観た友達の話によると、かなりいまイチだったとか。

The Royal Tenenbaums Dir: Wes Anderson - Touchtone Pictures Release
オープニングとクロージング映画以外では、映画祭前にソールド・アウトになった唯一の映画(先行予約の出来る私でさえチケット取れないくらい、話題沸騰の映画でした(T_T)。一般公開は12月26日から、もう完全に今年のオスカー狙いですね。

Waking Life Dir: Richard Linklater - Fox Searchlight Release
アメリカでは現在一般公開中。コレもかなり話題になった映画ですが、あまり期待し過ぎない様に、と釘をさされました。

Mulholland Drive Dir: David Lynch - Universal Focus Release
コレもすでに一般公開中。かなりコワいらしいので、スイスから帰って来たら、ゆっくり観ます(^_^;)。

Intimacy Dir: Patrice Chereau - Empire Pictures Release
やはりアメリカでは現在公開中。日本での公開は2002年の初め。

Italian for Beginners Dir: Lone Scherfig - Miramax Film Release
アメリカでの公開は、2002年1月18日より。日本での公開は未定。

Fat Girl Dir: Catherine Breillat - Cowboy Pictures Release
アメリカでは、現在一般公開中。

Sobibor, Oct 14, 1943, 4.P.M Dir: Claude Lanzmann
アメリカでは、現在限定公開中。

La Cienaga Dir: Lucrecia Martel - Cowboy Pictures Release
現在NYにて限定公開中。

The Lady and the Duke Dir: Eric Rohmer - Sony Classics Release
アメリカでの公開は、2002年4月より。

Y Tu Mama Tambien Dir: Alfonso Cuaron - IFC Films Release
アメリカでの公開は、2002年3月より。

Silence, We're Rolling Dir: Youssef Chahine - No Distributor yet
アメリカの公開時期は未定。

I'm Going Home Dir: Manoel de Oliveira - No Distributor yet
アメリカ・日本とも公開時期は未定。

Deep Breath Dir: Damien O'Doul - No Distributor yet
アメリカ・日本とも公開時期は未定。

Closing Night: In Praise of Love Dir: Jean-Luc Godard - Manhattan Pictures International Release
やはり観た友達(上とは別人)によると、全然良くなかったそうで。かなりアメリカ人を批判した内容だそうです。アメリカでの公開は、2002年春。

NYタイムスによるレビュー一覧はこちらから

ニューヨーク国際映画祭:公式サイトはこちらから

ニューヨーク国際映画祭2000年については、こちらから

Montreal World Film Festival 2001 - Part 2
モントリオール世界映画祭2001:その2
Sep 04, 01

その1はこちらから。

…というワケで、行って参りました!モントリオール映画祭!!!いや〜、楽しかったです。雰囲気もまさに“コスモポリタン映画祭”という感じ。ご存知の様にモントリオールは、フランス系移民とイギリス系移民の両方が共存する街。各上映作品の字幕は英語・フランス語の両方(中国語映画の時は、それにマンダリンも加わって字幕が3列にも…(^_^;)となっていました。ただ、監督や俳優さん等の舞台挨拶の通訳はフランス語のみ。結局彼等が一体何を言っているのか、殆ど分らず仕舞でした(^_^;)。
ちなみに主要映画祭の多くが“○○国際映画祭”となっているのに対し、この映画祭が“モントリオール世界映画祭”と銘打たれているのは、フランス語のFestival des Films du Mondeがそのまま翻訳されているから。フランス語で、Internationalにあたる言葉はあまり使わないのだそうです。

<<映画祭の特徴>>

モントリオール映画祭は、実は(?)北米唯一のFIAPF (Federation Internationale des Associations de Producteurs de Films) 公認映画祭。25周年記念に当たる今年は、66カ国から計400以上の作品が上映されました(昨年は55カ国360作品)。モントリオールという街がフランスをはじめとしたヨーロッパ映画を普段から多く上映しているという土地柄、フランス映画等の欧州映画が強いのは勿論のこと、南米やアジアからの作品も毎年たくさん上映されています。
過去最近の受賞作を見てみると、昨年グランプリの「The Taste of Others〜ムッシュウ・カステラの恋」をはじめ、やはりフランス映画が圧倒的な強さですね。その他のヨーロッパ映画に加え、意外に強いのがイラン映画。今年グランプリを受賞したマジット・マジディ監督は、1994年「運動靴と赤い金魚」、1999年「太陽はぼくの瞳」に続く同映画祭3度目の受賞。他にもイランからの映画は数多く上映されています。今年のアジア映画は、コンペ部門に日本・中国・韓国それぞれ一作品ずつが入賞。パノラマ部門、その他の部門を合わせると、かなりの数の作品が上映されています(詳しくはこちらのリストを見て下さい)。皆さんには、1999年「鉄道員(ぽっぽや)」で高倉健が最優秀男優賞を受賞、1983年に日中合作「未完の対局」がグランプリを受賞したことなどが記憶に新しいかもしれませんね。
英語圏のトロント国際映画祭と比べ、俄然弱いのがアメリカ映画。去年は「You Can Count on Me」のマーク=ラファーロが最優秀主演男優賞を受賞しましたが、過去25年間でグランプリを受賞した作品は「Georgia」(1995年)「The Chosen」(1981年)「The Stunt Man」(1980年)のたった3本だけ。今年も2作品がメインコンペに出品されていましたが、「In the Bed Room」が国際批評家連盟賞を受賞したに止まりました。毎年審査員に殆どアメリカ人が入ってこないのも大きな理由かも鴨???

<<2001年の受賞作品一覧>>

Grand Prix of the Americas (Best films〜最優秀作品賞)
BARAN by Majid Majidi (Iran)
TORZOK (ABANDONED) by Arpad Sopsits (Hungary)

モントリオール映画祭は、過去に4回2作品タイのグランプリを発表しています。ちなみに今年の審査員はフランスの女優エマニュエル=ベアールを審査委員長に、イラン・メキシコ・ハンガリー・ドイツ・カナダ・スペイン(そのうち4人が監督、3人が俳優)の計7人。それでどうしてタイが出るのか超不思議???
上にも書きましたが、マジッド=マジディ監督、これで同映画祭3度目のグランプリ受賞です。またこの2作品は、同時に今年のエキュメニック賞も受賞。審査員にイランとハンガリーの人がいるからてっきり贔屓受賞かと思っていましたが、違う審査員の選考によるダブル受賞ということで、やっぱり出来が良かったのかな?この2作は地元批評家のベスト10にも入っているし、「BARAN」の方は今年のNY国際映画祭にも入選しています。

Special Grand Prix of the Jury(審査員特別賞):
EL HIJO DE LA NOVIA (THE SON OF THE BRIDE) by Juan José Campanella (Argentina/Spain)

Best Director(最優秀監督賞):
DAS EXPERIMENT (THE EXPERIMENT) by Oliver Hirschbiegel (Allemagne)

Best actres(最優秀主演女優賞):
SANDRINE KIBERLAIN, NICOLE GARCIA, MATHILDE SEIGNER for the film "BETTY FISHER AND OTHER STORIES" by Claude Miller (France/Canada)

Best actor(最優秀主演男優賞):
ROBERT STADLOBER for the film "ENGEL & JOE" by Vanessa Joop (Germany)

Best screenplay(最優秀脚本賞):
MARIAGE by Catherine Martin (Canada)

彼女は地元モントリオールにあるConcordia Universityの出身で、新聞では大きく取り上げられていました。映画は、19世紀のケベック州を舞台にしたお話。

Montreal Award for the Best first fiction film(最優秀長編デビュー作):
"UNDER THE STARS" (KATO APO TA ASTERIA) by Christos Georgiou (United Kingdom/Greece/Cyprus)

People's Choice Award(最優秀観客賞):
"DER TUNNEL" (THE TUNNEL) by Roland Suso Richter (Germany)

映画を観終わった後に観客が投票して選ばれる賞です。観た人の話によると、上映後10分くらいスタンディング・オベーションが続いたとか。実はこの映画、同じ時期に一般劇場でも公開されていたのですが、フランス語系の劇場だったので字幕は仏語のみということで諦めました(T_T)。NYでそのうち上映されることを望みます!!!ちなみにタイトルのトンネルとは、東西ドイツを結んでいた地下トンネルのこと。

Best Canadien film(最優秀カナダ映画):
"L'ANGE DE GOUDRON" (TAR ANGEL) by Denis Chouinard (Canada)

コレも時間が合わなくて観られませんでしたが、映画祭の前から話題に上っていた作品でした。

Best Latin-American feature film(最優秀ラテン映画):
"EL HIJO DE LA NOVIA" (THE SON OF THE BRIDE) by Juan José Campanella (Argentina/Spain)

観客の投票による“もう一度上映して欲しい映画”のリストにも入っていました。

International Press Award (FIPRESCI)(国際批評家賞):
"BETTY FISHER AND OTHER STORIES" by Claude Miller (France/Canada)

コレは私が観た「Friend」と「かあちゃん」の間に上映されていたのですが、もの凄い人気でチケットは売り切れ。地元の女優サンが出演しているから、という理由だけかなと思っていたのですが(この作品は、最優秀主演女優賞も受賞)、各国のプレスが選んだ賞に選ばれたということは、単なる贔屓目だけじゃないみたいですね。

Special mention to(国際批評家賞特別賞):
"IN THE BEDROOM" by Todd Field (U.S.A.)

この作品についてはすでにあちこちに書いていますが、今年のサンダンスでも特別賞を獲得した作品。NYでもじき一般公開になるので、観るのがとっても楽しみです。

Short Films(短編部門):

1st Prize:
STILL LIFE by Sima Urale (New Zealand)

2nd Prize:
KLEINE FISCHE (LITTLE FISH) by Holger Ernst (Germany)

LIFE ACHIEVEMENT AWARD(功労賞):
KON ICHIKAWA 市川崑

彼は今年のベルリン映画祭でもベルリナーレ賞(功労賞)を受賞していますし、NYのMOMAやモントリオールのシネマテーク等、世界各地でレトロスペクティブが予定されている所からみて、この賞はもともと決定していたものだと思います。市川監督、過労で入院してしまったそうで姿が見られずに残念。主演の岸恵子女史が自慢のフランス語で監督の代役を務めていました。
ナントこれが75作目という「かぁちゃん」は、けっこうヒドイ出来だったんですけどね…(^_^;)。

Special Grand Prix of the Americas(特別賞):
SOPHIA LOREN, actress
JACKIE CHAN, actor
FERNANDO SOLANAS, director
FRANCISCO RABAL, actor

ジャッキー=チェンが映画祭に姿を現した9月1日は、屋外に設置された巨大スクリーンで「酔拳2」を上映。もの凄い寒さにも関わらず、すざまじい数の人々が映画に見入っていまして、改めてモントリオールにおける彼の人気を見せ付けられた気がしました。

以下、一般の投票による“もう一度上映して欲しい作品”のリストです。

"WHAT TIME IS IT THERE?" by Tsai Ming-Liang (Taiwan)
"EL HIJO DE LA NOVIA" (THE SON OF THE BRIDE) by Juan José Campanella (Argentina/Spain)
"ENGEL & JOE" by Vanessa Joop (Germany)
"FRANCESCA E NUNZIATA" (Italy)

コレは、観たかったけど予定が合わなかったのでもう一度上映して欲しいという作品や、観たら良かったのでもう一度観たいという作品に一般の人達が投票し、最終日の9月3日に再上映された作品。蔡明亮監督の作品入ってますね〜(モントリオールには台湾の移民はそれ程多くないはずなので、コレは驚き!)。観ようと思えば観ることも出来たのですが、すでにNY国際映画祭でのチケットを買ってしまったので、ぐっと我慢しました〜(>_<)。

<<映画祭の感想>>

(写真右は、時間が合わなくて見られなかった、今秋日本公開になる「On the Way」のポスター)
最後の3日間だけ参加したので全体的なことは分りませんが、“地元の人達に開かれた映画祭”だな〜という印象を受けました。映画祭と言えば、“バイヤーさん達が火花を散らす殺伐とした雰囲気”という印象があるのですが、今年は後半一週間がヴェネツィア映画祭の日程と重なっていたので、前半部分に来て後はヴェネツィアに飛んでしまったというバイヤーやプレスの人達がかなりいたハズだと思います。アメリカ一の映画評論家ロジャー=エバートはこの週末、テルライド映画祭にいましたしね(^_^;)。
だから大抵のチケットが売り切れとなって観ることの出来ない他の映画祭とは違い、当日でもチケットは殆ど手に入っていた様です。それにしてもチケットが安い!!!やはり大抵の映画祭の場合、チケットは一般の劇場映画よりずっと値段が高くなるものが多いのですが、この映画祭ではだいたい同じか、10枚綴りのチケットを買えばナント一枚6.5カナダドル(=4アメリカドル=500円くらい?)地元の人達がより多くの映画を観ていたのにも頷けます。例えば私の見た韓国映画の「飛天舞」や中国映画の「Fathers」でも観客の7〜8割が非アジア系。特に「Fathers」の方は会場ぎっしりに詰め掛けた観客が、ラストではけっこう泣いているのを見かけました。ここの人達、皆ホントにMovie Loversなんだな〜と思わされた一瞬でもありました。

あと、何と言っても会場がお互い近いというのがいいですね。メイン会場のPlace des Artsから他の5会場までどこでも歩いてすぐ行けますし、関係者が宿泊し記者会見が行われるウィンストンホテルも、Place des Artsのすぐ目の前でしたから。私達の泊まっていたホテルも、そこから歩いて5分くらいだったので、ホント助かりました。
それにしてもモントリオールって、街の大きさ&人口から比べると映画館の数が異常に多い!!!会場近辺の劇場だけでなく、ちょっと北にはNYでいうScreening Roomに当たるオシャレでレストラン&バーもあるexCinema、東のフランス語地区にはNYのAmerican Moving ImageとFilm Forumを足して二で割った様なシネマテーク等。特にフランス語地区の映画館を、見て歩くのは楽しいです。アメリカ映画のタイトルがフランス語風に変えて上映されていたりなんかして(American Pie2はFolies De Graduation 2だし、Rush Hour2がHeure Limite 2だし、In the Mood for Love〜花様年華がThe Silent of Desireだし(^_^;)。映画オタク御用達のフリー・ペーパーもかなりいろいろと置いてありました。あ、そうそう映画祭用のパンフレットや毎日発行される映画祭通信も基本的には英仏バイリンで書いてあったのですが、ところどころフランス語のみで悲しかった…(^_^;)。
とまぁ、モントリオールという街自体が映画ファンにとってはとっても住みやすい街。アメリカ映画にもヨーロッパ映画にもアジア映画にも開かれていて、NYにいるよりも多くの種類の映画が観られるのではないだろうかと思ってしまったくらいです。こうした地元民(?)のベースがあっての世界映画祭なのですね。

<<9月4日付け、各紙の報道>>

地元英語紙で一番ポピュラーなThe Gazetteでは、前日に起きた地下鉄催涙ガス事件のせいなのか、トップに映画祭の記事はなし。でも、エンターテイメント欄では一面大きく載っていました。トップの写真はグランプリの二人ではなく、脚本賞を受賞した地元出身キャサリン=マーティンがデカデカと。ガゼッテのマッド=ラッズが選んだベスト10の8位に韓国の「Friend」、9位にやはり韓国の「飛天舞」、10位には「かぁちゃん」が入っていました。ちなみに1位は「Shrapnel in Peace」で、グランプリの「Baran」は第2位。カナダ全土をカバーするNational Postでは、ロジャー=エバートによるテレライド映画祭の記事が一面載っているというのに、モントリオールの記事はなし…(^_^;)。

その点、仏語紙の扱いは大きかった!Le Devoirは、一面トップの下にカラーの写真入りで。La Presseは、アート欄一面カラーと次の次のページにもやはりキャサリン=マーティンの写真がデカデカと。う〜、フランス語読めないので、何て書いてあるのか分らなかったのですが…(^_^;)。やっぱり映画祭に関しては、フランス系の人達の方が興味あるんでしょうか???英字紙の方では、開幕時もそんなに大きくは取り上げていなかったそうですので(^_^;)。

<<私の観た映画リスト>>

Big Mama (Ka-chan かぁちゃん) by Kon Ichikawa (Japan) メインコンペ部門
Friend (Chingu 友人) by Kwak Kyung Taek (South Korea) メインコンペ部門
Fathers (Fu Qin Ba Ba) by Lou Jian (China) メインコンペ部門
An Adolescent (Shoujo 少女) by Eiji Okuda (Japan) 新人監督部門
Bichunmoo (飛天舞) by Kim Young Jun (South Korea) パノラマ部門
Germgirl by Daniek Kash (Canada) 短編部門
See Me by Jorgen Loof (Sweden) 短編部門

ちなみにこの中で私がダントツに好きだったのは奥田瑛二監督の「少女」。時間があればもう一度観ようかと思ったくらいです。各作品の詳しい感想については、作品名をクリックしてそれぞれのページに飛んで下さい。

モントリオール世界映画祭の公式サイトはこちらから

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