*** Television - TV 番組 ***

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日本のTVドラマ・2000年 その2
02/05/01 Sorry, this chapter is Japanese only!

<ラブコンプレックス - ****>
ある大手企業の秘書室に派遣された二人の男と、七人の秘書の物語(前半コメディ、後半シリアス)。
2001年2月7日ビデオリリース

とにかくこのドラマには賛否両論の嵐。好きな人はひたすらハマりまくるし、つまんないと思う人は、1話目で投げるでしょう。まぁ、まず一般受けはしないドラマですね。私は…、やっぱ最終回までしっかり観たので、もちろんハマり派。でも、テープをダビングして取っておこうという気には全然なりませんでした。だって最終回暗すぎ〜(^_^;)。
決して「いい出来」のドラマとは思わないんです。でも、とにかく新しい試みをやりまくっているので、「次は何をやってくれるのかな?」という期待は常にありました。一言で言えばコレは“実験ドラマ”。私はどちらかと言えば“アンチ・フジTVドラマ派”なのですが、フジはたま〜に、こうやって視聴率を全く無視した実験ドラマをやってくれる所が有り難いです。まぁ、それだけお金にもスタッフにも余裕があるということですか。

まず、このクセのある“七人の秘書”が、“七人の侍”みたいなところが私は好きでした。後半てんでバラバラになっていっちゃうんですけどね。それとコインの裏表みたいな、唐沢寿明と反町隆史のキャラもいい。私基本的に正反対のキャラが相反するお話って好きなんですよ。
脚本は「踊る大捜査線」等、売れ線ドラマを次々に送り出している君塚良一。彼がこんなオタクドラマを書く人だとは思ってもみなかったので、意外でしたね。最終回なんか殆ど「エヴァンゲリオン」の世界だったと、あちこちの掲示板に書いてありました。
タイトルに“コンプレックス”とあるように、このドラマはさまざまな精神世界を描いています。ファザコン・マザコン・拒食症・レズビアン・潜在的ホモセクシュアル・新興宗教・自殺願望・壊れるものフェチ(?), etc…。ドラマの前半はそれを全て笑い飛ばしているのに、中盤それがいきなりシリアスになってきて、最後は皆壊れていっちゃうのね〜。多分脚本書き始める段階では、ゴールが見えないままに書き始めたんじゃないでしょうか。8話目くらいがターニングポイントだったかな。もうガラガラっとくずれ始めちゃって、最後ワケわかんないというか、もう支離滅裂になってます(^_^;)。そういうところは確かに「エヴァ」してますよ、このドラマ。

このドラマのもう一つの話題は、脚本だけじゃなくて映像的な実験とさまざまなパロディシーン。もう観てから1ヶ月半も経ってしまったので、映像的な実験の部分は細かく思い出せないのですが、とにかくやるだけ何でも試してやれっていうくらい、いろんな手法を使いまくっていました(もうスタッフ一同“実験ドラマ”としてしか作ってないよね ^_^;)。
そしてそのパロディの数々。「愛と夢とロマンの」フジドラマそのものをパロりまくったものから(お決まりのクレーンショット、雪、街のネオン、etc)、「東京ラブストーリー」のテーマソング、「踊る大捜査線」の挿入曲、果ては「ブレアウイッチ・プロジェクト」から「ER」まで。唐沢寿明のサンタも、どうも「グリンチ」っぽかった。私は観てないのでわからなかったけど、「リング」のパロディなんかもあったらしいです。

キャストでやっぱり一番話題だったのは、汚れ役の唐沢寿明。コメディチックになったり、いきなり悪魔になったり忙しかったですね〜。反町隆史は、まぁいつも通りだったのでは?感心したのが木村佳乃。彼女あんなにうまかったんですか???特に反町隆史とのコンビは、「オーバー・タイム」で全く正反対のカップルを演じていたので、尚更印象的でした。それを言ったら西田尚美も反町隆史のお姉さんやってたもんね「オーバー・タイム」では。これまた正反対の関係をうまく演じていた二人です。
役柄としては、ちんけな役だったけど、りよう&小雪の二人はいいですね〜。でも二人共細すぎ〜〜〜。高橋ひとみ&段田安則のベテランコンビも良かった。江波杏子凄味すぎです〜〜〜。でも相変わらずお美しくって。キャストはけっこう豪華でしたよね、このドラマ。

それにしてもフジテレビさん、番組が終わると公式サイトを閉じてしまうのやめて下さ〜い。掲示版は管理が大変だから閉じるのは理解できるとしても、その他のページまで閉じることないじゃないですかぁぁ。だってすんごく凝ってたサイトだったんですよ。もったいない。で、これを書くにあたってちょこっと検索したら、出るわ出るわ20くらいのファンサイトを見つけました。それだけハマった人はハマったドラマということですよね。たくさんありすぎてどれとリンクしていいのか分からないので、今回リンクはやめました。m(_)m

<真夏のメリークリスマス - 1/2>
沖縄の孤児院で育った兄妹が東京で再会して…。(これ以上書くこと何もないです^_^;)

ど、ど、どうやったらこんなドラマに予算が出るんですか???????もうはっきり言って怒りのドラマでした。沖縄&中谷美紀というネーミングにつられて見た第1話。ひゃ〜〜〜、つまんなすぎ。で、途中の話全部すっとばして最終回を借りてきたものの、後半早送りしちゃいました。こんなドラマ観るのに1時間も時間を費やすなんて、人生の時間の無駄。ひどい、ひどすぎる。中谷美紀さん、伊武雅刀さん、大杉漣さん、どうしてこんなドラマに出たんですか???
まず、最初からラストが見え見えなのはまだいいとしても、視聴者はそこに至るまでの過程・それからそのラストの瞬間を楽しみにしてるわけでしょう?あのラストの投げ方は完全に視聴者をナメてる。“リアリティ”だのなんだのなんていう言い訳は通用しないですよ。それは明らかに“出来ない”ことを露呈しているワケだから。もう、書いている自分ですらアホらしくなってくるので、この辺でやめにしておきますけれど。

ちなみにこのドラマが始まったのと同時期に、何とも紛らわしいタイトル「真夏のクリスマス」という単発ドラマが放送されました。これは、脚本が元新宿梁山泊の鄭義信さんだったんで観たんですけど、相変わらず優し〜いお話を書く人です、彼は。
主演は明石家さんま&浅野ゆう子という意外な組み合わせ。全編関西弁というところがお話をさらに柔らかくしていました。でも最後はフェアリー・テールっぽすぎたかな。小学生の女の子とおじいちゃんの組み合わせっていうのも、使い古されたようなというか、あまり新しくなかったし…。でも、ファンだから許しちゃう私。次回作に期待します!

<TRICK - ****>
売れないマジシャンの奈緒子と、有名な物理学者でありながら
人間的には間抜けな上田の絶妙コンビが織り成す、トリック破りの旅。
ビデオ&DVD発売中。

堤幸彦監督研究の為に観始めてハマったドラマ(実際堤監督が演出したのは、1&2話と9&10話だけ)。堤監督には珍しく映像的には全然パッとしないドラマです。でも、面白かった〜、私的には。テレビ朝日って「BLACK OUT」とか「恋愛詐欺師」とか、こういうパターンのドラマが多いですね。8話くらいまで1〜3話完結のドラマやっといて、最終回で主人公の番みたいな。こういうドラマには好き嫌いがはっきりと分かれると思いますけれど…。
まず私が好きだったのは、このお話のテーマ。“どんなマジックにも必ずタネ明かしがあるということ” 、しかもそれは一見馬鹿バカしくてなかなか気が付かないようなことだということ。つまり「コロンブスの卵」みたいなモンなのですね。奈緒子はドラマの中盤辺りから「お前のやっていることは、皆お見通しだ〜」なんて“水戸黄門”(?)みたいな決まり文句を使い始めるんですが、そうなんです。このドラマって間抜けな二人の“世直し道中”なんですね、言い換えれば。

そして何といっても、キュートな二人だからこそこの間抜けなコンビも憎めないというモノ。奈緒子役の仲間由紀恵サン、演技どうこうというより、とにかく華があります。そして上田役には元モデルの阿部寛氏、ど〜してたんですかっ!今までっ?って感じ。こっ、こんな面白い役で復帰なんて、な、なんてラッキーな人。上田の研究室やマンションに飾ってある若かりし日の写真がまた泣かせるんだぁ…。通信教育で空手がめちゃウマだったり、中途半端にやたらと使う英語がまたまた笑わせてくれます。
それにしてもこのカップル。ボケとツッコミじゃなくって、両方ボケなんですよ (^_^;)。うう、面白過ぎる。二人共めちゃめちゃ奥手のくせに、日常会話で貧乳とか巨根なんて平気で言い合ってるし。とにかくオタッキーな二人なんですぅ〜。詳しくは公式サイトを見て下さいな。

他のキャストも書き始めたらキリがありませんね。お母さん役の野際陽子サンを始め、おかしな刑事コンビ。カツラの生瀬勝久サン(「お熱いのがお好き」の次男坊役!)と堤組には常連の金髪前田一輝サン。いや〜、この二人だけでも十分主役張れますよね。最終回は、奇妙奇天烈なキャラクターのオンパレードで、鴻上尚史サンを始めまるで映画のようなキャラの数と豪華ロケでした。
このドラマ、ノベライズ本の他にも「TRICK攻略本」なるモノが発売されていたり、DVDバージョンにはNG集や座談会も入っているそうで、ますますオタク心をそそるTRICK商法なのでした〜(^_^;)。

"Once and Again" and American TV Dramas I've seen
「Once and Again」と、アメリカで観たTVドラマ


12/29/00 (I'll write the English version someday...)

さてさて、アメリカに来る前は海外のTVドラマを一つも満足に観たことがなかった私です。90年代の頭には「ツインピークス」なんていうドラマが、日本でも随分流行っていましたが…(^_^;)。

私がこちらに来たのは1993年の終わり。でもこの頃はTVドラマなんか見てもさっぱり意味が分からなくて、見ていたものと言えばもっぱらNY1ニュース(30分ごとに繰り返し同じニュースを流し続けるNYのローカルニュースチャンネル)とVH1(MTVより少しだけ年齢層が上のミュージックTVチャンネル)でした。
初めてTVのシットコム(シチュエーション・コメディの略)にハマったのが、1994年の秋からABCで放送された
"All American Girl"。これはネットワーク・チャンネルとしては、初めてアジア系アメリカ人を主人公に持ってきたTV番組として、当時ちょっとした話題になりました。私は渡米当初からアジア系アメリカ人の歴史や彼等の置かれている状況に興味があったので、全話分録画して何回も繰り返してみたモノです。普段はステレオタイプとして揶揄されているアジア系アメリカ人の姿を、彼等自身が逆手に取って笑いとばすという姿勢が私にはとても新鮮に眼に映りました。残念ながらこの番組は7か月間しか放送されませんでしたが、始まって1か月も経たないうちに打ち切りになってしまう番組も多いアメリカのTV界では、けっこう健闘していた方だと思います。

大学院に入ってからは、友達との口合わせにその頃始まった「ER」も観るようにしていましたが、最初はやはりチンプンカンプン。本当に自分から進んで見るようになったのは、ここ2〜3年くらいです。次に見るようになった「Ally McBeal」もやはり友達につられて。でも去年くらいは私自身でもかなりハマっていました。

それが昨シーズンの初め、私はある2つのドラマにハマりまくってしまったのです。
一つはハリウッドの内幕をブラック・ユーモアティストで描いたコメディ「Action !」。言ってしまえば、映画「ザ・プレィヤー」をコメディ風にしたモノに過ぎないのですが、う〜っ、とにかく面白かったし、とにかくオバカでした。この上なく嫌われ者のハリウッド・プロデューサーが、ハリウッド専門のコールガールを自社のエグゼクティブに迎えるという考えただけで超バカバカしい設定なのですが、細かいセリフまわしがニクい。今はもう、観てから1年以上も経ってしまったので詳しい部分は思い出せないのですが(でもちゃんとテープにとって保存してあります)、映画制作を少しでもかじったことのある人なら泣き笑いしてしまうようなアイロニックな台詞のオンパレード。勿論ダーティな台詞も盛りだくさんでしたよ。でも、残念なことにこの番組、数ヵ月で放送打ち切りになってしまいました。昨年末のタイム誌では、”今年最も惜しまれる打ち切り番組”として紹介されていましたが。打ち切りの理由についてはやっぱり視聴率だったのでしょうか。この辺り、どんなに視聴率が悪くても取り合えず1クールは放送が保証されている日本とは全く事情が違います。合掌。

さて、やっと本題の「Once and Again」。これも「Action!」と同じく昨年の秋から放送が始まっています。最初に観始めた理由は2つ。タイムやニューズウィーク誌での評価が最初からとても高かったコト。もう一つは主役のBilly Campbell。実は彼、私には珍しくかなり昔に観に行ったハリウッド映画「ロケッティア」で主役を張ってた俳優さんなのです。あの時はまだ「お兄ちゃん」って感じでしたが、今はすっかりナイスミドルのおじさんに。「ロケッティア」以降、ソープオペラ(お昼頃放送のチープな恋愛ドラマ)や舞台などを細々やっていた様ですが、私はまったく眼にするチャンスがなかったので「お〜っ、懐かし〜」ってな感じで何気に観始めたのです。
最初の1〜2話は何となくメロドラマ風でした。基本的なお話は、共に40代のバツイチであるRickとLilyのラブストーリー。これだけなら多分、途中で観るのをやめていたと思います。それが段々RickとLilyの家族達のお話に広がっていく所から、話が俄然深いモノになっていくのです。

Rickを中心とするファミリーは、前妻のKaren、息子のEli、娘のJessi、KarenのBF、Rickの母親、Rickの雇い人Miles、Rickの同僚David等など。Lilyを中心とするファミリーは、前夫のJake、そのGFのChristie、二人娘のGraceとZoe、妹のJudy、知恵遅れである弟、そして父親等など。エピソードごとに各脇役達が主役になっていくのですが、それぞれ皆もの凄く味わい深いモノを見せてくれます。私がお気に入りなのはJessiとGraceという多感なお年頃の娘達。特にJessiの繊細さには毎回心を打たれてしまいます。ライターが男性軍の割にはLilyとJudyの複雑な姉妹関係にも舌を巻かずにはいられません。
毎回白黒画面でインサートされる、キャラクター達の独白場面は新しい手法でも何でもないのですが、独白部分で告白される彼等の本音の部分と、実際のシーン(?)での台詞のギャップにもしょっちゅう唸らされてしまう程。どのキャラクターも皆、基本的にはモロいんです。老いも若きも。先々週のエピソードではそれまで殆ど弱味を見せた事のなかったJakeの独白シーンが遂に出てきたんで「やられた〜」という感じでした。いまだに顔を見せないRickのブラザー(兄か弟かは不明)なんかもそのうち出てくるでしょうから、このお話、後はひたすらキャラクターが増え続けていくのでしょうか(^_^;)。

エグゼクティブ・プロデューサーの二人、Marshall Herskovitz、Edward Zwickは、1970年代にAFI(American Film Institute)で知り合って以来のパートナー同士。TVでは「Thirtysomething」という番組で評価された様ですが、映画畑でプロデューサー・ライター・ディレクターもこなすマルチタレントな二人。特に Edward Zwickの方は「グローリー」「レジェンド・オブ・ザ・フォール」等、かなり大きな映画の監督さんもしています。実は2〜3エピソード前から出ているJessieのセラピストの顔が彼に非常によく似ているのですが、彼自身が演っているんじゃないかとうがっている私です。
キャストについて。Billy Campbellはたいしたことないんですけど、Lily役のSela Wardが大ブレイク。今年のエミー賞最優秀主演女優賞を獲得し、来年1月のゴールデン・グローブ賞にもノミネートされています。モデル出身だそうですが、40代とは思えぬその美しさと可愛らしさ。まずその存在感に引き込まれてしまいます。演技が格別ウマいってワケじゃないんですけどね。Eli役のShane Westはすでに数本の映画に出演しています。Jessie役のEvan Rachel Wood'sは映画出演も多く、演技はすでに慣れたモノ(そう言えばシャーロット・チャーチのミュージックビデオにも出てました)。Grace役のJulia Whelanは決して美形というわけではないのですが、これからがとっても楽しみな子役です。

来年からは放送時間を水曜日に時間を移して、今年最大のヒットドラマ「West Wing」に続く「Law and Order」に対抗する「Once and Again」。ゴールデン・グローブ賞の受賞も含め、これからもまだまだ眼が話せないドラマです。

日本のTVドラマ・2000年 その1
12/06/00 Sorry, this chapter is Japanese only!

放映時にタイムリーで見ていらした方々にとっては、もう記憶の彼方に消えてしまったドラマばかりだと思いますが、おそらくどの作品も今時分ビデオが発売されてくる頃だと思いますので、私自身にも忘れないうちに書いておきますね。

<<リミット ****>>

連続幼児誘拐事件に関わる女性警察官と、その主犯女性を中心に繰り広げられるサスペンスドラマ。

私、野沢尚さんの脚本は正直あまり好きではないのですが(「眠れる森」も「氷の世界」も取り合えず最後までは観たんですけどね〜)コレは今までとは全然雰囲気が違って良かった。(やっぱりフジと日テレの社風の違い???)
前半はとにかくそのミステリーの部分でぐんぐん盛り上がって、中盤から10話目辺りにかけてキャラクターが立ってきてました。安田成美サンはけっこう好きな女優さんですが、これは私が今まで見た中では最高の演技。佐藤浩市サンは実は苦手なタイプなんですが、10話目の彼は最高でしたね。うん、全遍通して一番好きだったのが10話目。特に船で海に漕ぎ出した辺りかな。北村一樹サン、濃かったぁぁぁ〜。
なのに最終話の11話は、見事におマヌケな出来だったので超ガッカリ。あれはやっぱり演出のせい?ゲリラとの銃撃戦なんて殆ど茶番のレベルで残念でした。田中美佐子サンの役も10話目までは良かったのに、11話目でコケまくってた…(^_^;)。
しかしまぁ、よくもこんなに面白いネタが次から次へとあるモンです。同氏の「破線のマリス」は観てないんですけど、彼の硬派な作品ってけっこう面白いんだということが分かったので、また彼の次回作に期待したいと思います。

<<愛を下さい ***>>

孤児院で育ち心を閉ざした李里香が、北海道に住む基次郎との文通を通して心を開いていく(ジャンル何だろ?)ストーリー。

まず、ライターが同じなのに、原作本とドラマの脚本が全く違ったことに唖然。やっぱりフジのトレンディ・ドラマ枠ともなると、いろんな人達から「ああ書け」「こう書け」と言われちゃうんでしょうね。ストーリーが違うのはまだいいんだけれど、キャラクターが全然違うことは許せないな〜。原作本が良かっただけに残念度100倍。やっぱ辻仁成サンはもう脚本書かない方がいいのかも。(映画ならまだ行けるかもしれないけれど)
中盤ちょっといい話もあったんですけどね。最後の2話分は30分で出来るところを2時間でやってた感じ。はっきり言って、ダサ過ぎました。
菅野美穂ちゃんの音程ハズレまくりの歌は置いといて(^_^;)、演技はまぁ頑張っていたと思う。(キャラとしては、原作のキャラの方が全然良かったのですが)江口洋介は原作と全然違うよ〜。ラストの方では苦笑を誘ったなぁ。陣内孝則サンは「リミット」と同クールの出演だったので観ていて混乱しちゃいました(^_^;)。筧利夫は、ギャグすぎてめちゃ情けなかったし…。
元の話がいいだけに、こういうコケ方はもったいないですね。どのエピソードも、とっかかりの部分は割といいのに、締めの所で崩れまくるという…。一応こういうクラいテーマを夜の9時枠に持ってきた、フジの気概は買いたいなと思いますけど。

(注:ここからネタバレパートです)
やっぱり原作と大きく部分といえば、“李里香が歌手になること”、“李里香が基次郎の死ぬ前に彼に会いにいくこと”、“中也の存在”、“モトと蕗ちゃんのラブストーリー”でしょうか。歌手の部分はタイアップだったんでしょうね。ヘボかったなぁ。辻氏自身が「Zoo」をヒットさせたくて無理矢理付け足したのか?(実際ヒットしたのは蓮井朱夏バージョンらしいっすけどね ^_^;)あれはとにかくやめて欲しかった。いくら地味な話でドラマ用に何らかの味付けが必要とはいえ、ねぇ…。中也の存在も付けたしっぽかったなぁ。
モトと蕗ちゃんの話はドラマでも十分出来たと思うしね。ま、この辺のお話は原作本の読書感想として、別のページに譲りますデス。

<<合言葉は勇気 ****1/2>>

いまどき珍しく(?)山村を舞台に繰り広げられる、環境裁判を舞台にしたコメディ。

普段から実はどちらかと言えば毛嫌いしている三谷幸喜サン(それでも朝日新聞の連載で最近随分と好感が持てるようになった気がする)の脚本だったのですが、面白かった〜。最初全く観る気がなかったのですが、とにかく面白いとの評判だったので、イヤイヤ観始めたのです。で、観て大正解でした。
まず、最終回を除いた話の展開の面白いこと。コメディなのに、裁判モノの手続きをキチンと踏んでて(これもやっぱり最終回を除けば)、視聴者をバカにしていない所がいいですよね。
それとやっぱり特筆すべきはその俳優陣でしょう。役所浩司サンがTVドラマなんて珍しいと思ったけど、やっぱりやり甲斐のある役でしたね。最近はけっこうタイプキャスト化して来ていた感じだったから、本人も楽しんでやっていたのではないでしょうか(特にそのダラけた部分で)。鈴木京香サンは「三谷組」の女優さんというだけで好きじゃなかった(「ラヂオの時間」とかね)けど、まぁこの役には適役だったのでは?で、香取慎吾クンは「ドク」で、どうしよ〜もないなこりゃ、と思っていたのですが、この役最高でした。特に画面に向かってブレヒトの”異化効果”するショット(TV画面に向かって「ダメダこりゃ〜」みたいな顔を向けるショット)が印象的。これは演出家サンが違う週でも、同じ手口が使われていたので、このドラマの”署名カット”的なところもあったのかも(後半はあんまりみられなかったですが)。で!一番のお宝発見は寺尾聡氏でした(コレがあの「ルビーの指輪」を歌っていたオジサンと同一人物なんて、誰が想像出来ましょうか!!!)いや〜、いい味出してました。そうそう、ああいう美術の先生っているんですよね〜。それでいて村長の威厳もちゃんと出る所では出ていたし。
そしてしっかり固めた脇役陣。まず麿赤児〜。濃すぎる…(^_^;)。それとロリポップと歯磨三昧のあの脚本家毛野役をやっていた山寺宏一サン、何やら他のバラエティ番組で有名な人らしいですね(全然見たことないんですけど ^_^;)。いや〜、彼最高でしたよ。見た目トンでるのに頭の切れる所もキチンと矛盾なく見せてたし。田中邦衛サンもちょっと間抜けだったけど、いつもの通り良かったし、やっぱり津川雅彦サンもね〜(ラストはいまイチだったけど)。白川和子サンが」ちょい役なんて、なんて豪華なキャスティングなんでしょう。
あ、これ以上は延々と長くなるのでやめます。でも、なんてたってこのドラマが成功した一番の理由は“テーマ曲”じゃないでしょうか???のどかな田舎に「威風堂々」。実はコレ、もしかすると「ブラス!」っていう映画のパクリなんじゃないかと思ってしまった私。あの映画も田舎の話なんですけれど、最後に「威風堂々」なんですよね。(しまった、「ブラス!」も私のお気に入り映画の1本なのですが、リストに入れるの忘れてた…)
ま、このドラマはどちらかと言えば「オジサン向け」のドラマになるのかな?でも、日本にもまだこのくらい質のいいドラマがあるんだなぁ、とちょっぴりほっとした一本でありました。

***以上3作品に共通して言えること。「最終話でコケないで〜(^_^;)」

Emmy Award 2000 - Part 2
09/17/00

エミー賞2000の続き、今日はドラマ部門を中心にご紹介しますね。
Please see English below.

まず最初に日本の各TVネットワークにもある程度のカラーがある様に、アメリカの各TVネットワークにもそれぞれのカラーがあります。アメリカでの3大ネットワークといえば、力の大きさ順に書くとNBC、ABC、そしてCBSの3社の順でしょうか。CBSは最近めっきり元気がないですね(CBSには今年、「サバイバー」という大ヒット番組がありましたが、これはドラマではありません)。ABCは一時期倒産の危機にも陥った様ですが、ディズニーに買い取られてからは何とか盛り返してきている感じです。

ディズニーは「ムーラン」や「ポカホンタス」を制作したことでも皆さんご存じの通り、”表向きは”非常にマイノリティー政策に力を入れています。そういった背景もあって、史上初のアジア系アメリカ人のシット・コム"All American Girl"を制作したのもABCですし、今年度からはABCネットワークで、初めて男性黒人医師を主人公にしたドラマ"Gidein's Crossing"も始まります。
これと対象的に、白人ばかりを中心キャラクターにして抗議の殺到しているのがNBC。今回エミー賞ドラマ部門の作品賞を受賞した"The West Wing"のオリジナルキャストは、全員が白人でした。それに対してあまりに非難が集中した為、3話目辺りから突然黒人のホワイトハウス研修生が付け足されたくらいです。少し前のエピソードで彼と大統領の一人娘(もちろん白人ですよ)がキスした時は、一部でちょっと話題になりました。(アメリカは多人種社会なんて言ってますが、まだこんな事で大騒ぎしています)

また話が前後してしまいましたが、"The West Wing"はホワイトハウスを舞台にした、大統領とその側近達の政治ドラマ。でもどのキャラクターも人間味に溢れていて、なかなか見応えがあります。実はクリントン大統領の元側近の2人James CarvilleとGeorge Stephanopoulosは非常に興味深いなキャラクターの持ち主で、彼等をモデルにした映画やTVは枚挙にいとまがありません(彼等自身もカメオとしてたくさんの映画やTVに出演しています)。"The West Wing"もその一つであると言って間違いないでしょう。ただこちらの方は、女性キャラ達も非常に魅力的に描かれていますし、この分の人気でいくと、今後もっと複雑なお話しに展開していくと思います。
ちなみに今年、マイケル・J・フォックスがコメディ部門を受賞した"Spin City"は、NY市長舎をホワイトハウスの様にみたてたコメディで、M・J・フォックスの演じたキャラクターは、モロ にGeorge Stephanopoulosがモデルになっていました。

ケーブルチャンネルHBOの話が後になってしまいましたね、今年"The West Wing"に負けてしまった"The Soprano's"は、イタリアン・マフィアのお話なのですが、そのボスであるトニーが母親とのトラウマを相談する為、カウンセラーにかかっているというのがこのドラマの新しい所。今までの血も涙もない非情なマフィアのお話ではなく、その家族や義理との確執にフォーカスが合っているという面で、こういった設定は今の時代のトレンドなのかもしれません。

今年のHBO単発ドラマで最も注目を集めていたのが、ハリー=ベリー主演の"Introducing Dorothy Dandridge"。これは黒人女優としては、初めて主演女優としてスターダムにのし上がったDorothy Dandridgeの伝記もの。3年程前には、この原作本の映像化権をめぐって、ホィットニ=ヒューストンやジャネット=ジャクソンも名乗りをあげていたくらい、制作前から話題のドラマでした。ハリ=ベリーはこの作品で見事単発ドラマ部門の主演女優賞を受賞しています。
この単発ドラマ部門でゴールデン・グローブ賞を獲得した同じくHBOの"RKO281"は、近日日本での劇場公開が予定されています。これは、わずか25歳の若さで「市民ケーン」を監督した、オーソン=ウェールズのハリウッドとの確執を描いたもの。エミー賞ではABCの作品に破れてしまいましたが、これは多分主演のジャック=レモンに対する同情票が大きかったのだと思います。HBO、今年はゴールデン・グローブ賞では殆どの賞を総なめしたのに、エミーでは見事に惨敗してしまいました。

HBO今年唯一の明るい話題となったのが、ミニ=シリーズ部門で作品賞・監督賞・脚本賞を総なめした"The Corner"。ボルチモアを舞台にした黒人家族とドラッグ中毒をテーマにした骨のあるドラマです(私はケーブルを持っていないので、残念ながら未見なのですが)。この作品を監督したCharles Duttonは、スパイク=リーの「ゲット・オン・ザ・バス」や今年日本で公開された「フォーチュン・クッキー」でもお馴染みの俳優さんで、個人的にはとても好きな俳優さんの一人です。

最後に、私的には嬉しい驚きだったのが"Once and Again"のセラ=ワードが、ドラマ部門での主演女優賞を獲得したこと。今年度は"ER"のジュリアナ=マクギリスにとって、"ER"の出演者としては最後の年になったので、誰もが彼女の受賞を信じて疑わなかったのですが…。前にiwaki先生のBBSでも書きましたが、これは今私が一番好きなドラマです。内容は、40代のバツイチカップルの地味〜なお話。でも、それぞれの家庭の子供達や姉妹の話などが非常に細やかに描かれていて、もうしょっちゅう泣かされます。今回賞を獲得したセラ=ワードの放つ”40代なかばの女性の魅力”はスゴイです。知的な香りがぷんぷん漂っているのに、それでいて変にカタイところが微塵もなくって。あと◯年後の私の理想像かなぁ…。この作品も日本で放映されたら是非見て欲しいドラマです。

いやはや、映画ファンとして、”基本的にTVは見ない主義”の私なのですが、今回のエミー賞はけっこう盛り上がってしまいました。(^_^;)それでは〜。

OK, you probabry know everything I wrote above, so I won't translate everything. I basically wrote about the trumpth of NBS this year. However, HBO won a mini series drama category for "The Corner", which I'm dying to see. Charles Dutton is one of my favorite actors, who direct the drama.

The other thing I was happy about was Sera Ward won for the best actress. I love "Once and Again" most among the new dramas from last year. It makes me cry so much!!! I'm longing for seeing the new premier this fall.

Anyway, you know I'm trying not to watch TV too much as a film lover, but I guess I also have some enthusiasm for TV dramas as well... (^_^;)

Emmy Award 2000 - Part 1
09/12/00

「mook趣味のページ」、本当は前回の続きでまた絵のお話を書こうと思っていたのですが、昨日のエミー賞が意外な結果に終わったので、予定を変更してエミー賞2000について書こうと思います。
Please see English below.

さてさて、年に一度アメリカで前年度に放映された”TV番組の最高賞”であるエミー賞、私はこちらに来るまで一度も見た事ありませんでした。(日本でもケーブルお持ちの方は見られるのだそうですね)私が最初に見たのは95年だったかな?97年くらいまでだと、コメディー部門では「フレィジャー」か「サインフェルド」、ドラマ部門では「ER」か「NYPD BLUE」の天下という感がありました。それが98年・99年になると、デビッド=ケリーという凄腕プロデューサーの天下となり、昨年はコメディー部門「アリー・マイラブ」、ドラマ部門「ザ・プラクティス」と同じプロデューサーで両部門制覇という信じられない事態もおきています。

今年の焦点は「ネットワークのNBC」対「ケーブルのHBO」。コメディ部門ではNBCの"Will & Grace"対HBOの"Sex and the City"、ドラマ部門ではNBCの"The West Wing"対HBOの"The Sopranos"の一騎討ちでした。エミー賞の前哨戦であるゴールデングローブ賞では、両方共HBOに軍配が上がっていたのですが、結果から先に言うとエミー賞の方はNBCの圧勝でした。
ゴールデン・グローブ賞というのは、皆さんもご存じの通り、1月に行われる映画・TV両方を対象にした賞レース。この後、映画では3月にアカデミー賞が発表され、TVでは9月にエミー賞が発表されるというわけです。(TVの方は9月が年度変わりになるので)

このゴールデン・グローブ賞(以下GG賞)と、アカデミー&エミーの結果が度々全く違った結果になるのは、後者の方にお金や政治的な力が働くからというのは、よく言われる事実(?)。つまりGG賞で賞を逃した候補者が、後者で敗者復活戦を狙って異常な金をばらまくということなのです。映画としては良い例が昨年の結果。「プライベート・ライアン」がGG賞を取った後、ミラマックスという会社が、それこそ全米中からの顰蹙を浴びる程の大金をばらまき、アカデミーの方では「恋に落ちたシェイクスピア」が作品賞を受賞しました。そして今年のエミー賞は、TVの方での良い例になった感じがします。

特にコメディ部門の"Sex and The City"の方は、殆ど誰もがその勝利を疑わなかった作品であっただけに、非常に驚きの結果となりました。この作品、2週間前のタイム誌でも一面特集していた程、すでに社会現象化しています。内容はNYに住む30代中盤4人の女性達のハデやかな(?)日常。彼女達はキャリアもあり、男性経験も豊富。でも、彼女達自身のレベルがあまりに高すぎて、なかなか満足のいく男性に巡り会えないのです。この作品、ケーブルでの放映なので私はビデオを借りて時々見るだけですが、とにかく脚本が面白い!!やっぱり仕事を持つ女性達の間では絶大な人気があります。さすがに私の周りには、彼女達の様に毎週違う男の人とエッチしている様な友達はいませんが…(^_^;)。でも、原作が新聞のコラム、つまり実話を元にしているのでけっこう現実味があります。日本で放映が始まったら絶対チェックして下さいね。

最終的に作品賞をGETした"Will and Grace"、実は私が今一番ハマっているコメディだったので、受賞には驚いたけど、やっぱり嬉しかったです。内容はゲイのWillとストレートのGrace(女性です、一応)という2人の同居人と、プラス2人の親友4人を中心としたシットコム(シュチュエーション・コメディ)。プロデューサーから作家まで、スタッフの殆どがゲイなので、その会話が絶妙なのは勿論、WillとGraceのアヤウイ関係がとってもいいんです。「ベストフレンズ・ウェディング」のジュリア=ロバーツとルパート=エベレットの関係といったらわかります?まぁ、あの二人はアブナイ関係にはなりませんでしたけれど。でも男女の本当に信頼しあった友情って、どちらかがゲイなら何とか成り立つんだなぁ、と思います。あれがゲイじゃないスタッフの番組だったら、いつか二人は恋に落ちてしまうんだろうけど、スタッフがスタッフなだけに、最後まで二人が恋に落ちてしまうことはないと思います。昨夜プロデューサーも、受賞のスピーチで「生まれて初めて今夜一緒に寝たいと思う女性と巡り会いました」と言っていたので。一緒に寝たい女性というのは、もちろんエミー像のことです。

結果を見るだけじゃなく、アメリカの各受賞式で面白いのは、出演者達から飛び出る「毒舌ジョーク」。私は昨日、ジョークが応戦しまくる最初の1時間は見逃してしまったのですが、中盤にも、金ばらまき捲りのNBCを皮肉ったジョークが一つありました。黒人歌手の歌う変え歌だったんですけどね。「僕は”フレンズ”をカラーTVで見てるけど、なぜか最初から終りまで’ブラザー’の姿を見ることがない〜♪」って。つまり、カラーの番組(多人種混合の番組のはず)なのに、どうして黒人のキャラクターが一人もいないの?という皮肉の変え歌です。
ドラマ部門については、マイノリティー重視のHBOと、白人天下のNBC比較にも関係してくるので、次回(明日かあさって)続きを書くことにしますね。

It was a big "surprise" that "Will & Grace" won for Emmy yesterday, wasn't it? Although I'm a fan of the show, I wanted "Sex and the City" to win. Since I don't have a cable, I cannot see "Sex and the City" every week. However I enjoy watching it on video very very much.
I'm basically explaining what was going on Emmy above. But since you guys must know about it much more than me, I'll skip the part.

The best "ethnic joke" for me (although I missed the first 1 hour) was that an African American singer (who was that?) sang: "I see 'FRIENDS' from the begging to the end in 'color' but never seen my 'brothers' anywhere..."
The best speech for me was by the producer of "Will & Grace": " I finally found a woman who I want to slept with tonight. " Of course, she is the statue of Emmy. (^_^)

I'll write more about Emmy tomorrow or the day after tomorrow, hopefully... (Haven't I written about my PC got corrupt and I had to restore everything???)

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